「結婚」って必要ですか?私たちの「結婚したくない」理由のリアル

“結婚”ってどう思う?

結婚についての考え方はどんどん多様化してきていますよね。独身生活をエンジョイしたり、事実婚を選んだり…  そんな今、みんなの“結婚観”はいったいどのようなものになってきているのでしょうか?

ここでは、マッチングアプリ「Omiai」が「婚活世代」の15〜39歳の未婚男女600名、「親・祖父母世代」の40〜79歳の既婚男女400名を対象に実施した「結婚観についてのアンケート」をもとにみんなの結婚観をご紹介していきます!

「結婚しろ」ってプレッシャーをかけられることはある?

夏休みに実家に帰省したときに、家族から「結婚はまだ?」というプレッシャーをかけられた人もいるんじゃないでしょうか? 「親から結婚に対するプレッシャーはありますか?」という質問をしたところ、未婚者の3割以上が親から何かしら言われると回答しています。「いい人いないの?」「結婚する気はないの?」などの直接的な問いかけから、「○○さんの娘は結婚したよ?」といった他の人と比べて圧をかけてくるものまで、多くの事例が寄せられました。

結婚って必要?

そもそも現在、結婚はどれくらい「必要なもの」だと考えられているのでしょうか。まずは、“一般論として”結婚した方がいいと思うかを聞いたところ、「良いと思う」「やや良いと思う」と肯定的な回答をした人は、親・祖父母世代が 86.3% であったのに対し、婚活世代では 60.0%にとどまりました。逆に「良いと思わない」「あまり良いと思わない」と否定的な回答をした人は、親・祖父母世代が 10.8%、婚活世代では3倍以上の 36.0%でした。15〜39歳の婚活世代には、結婚することが幸せにつながると考える層がいる一方、必ずしも「結婚=幸せ」ではないと考える人も多いことがわかりました。ちなみに、理想的な結婚年齢(初婚)は婚活世代で28.9歳、親・祖父 母世代で 28.0 歳と大きな違いはありませんでした。結婚の“時期”に対する考え方には大きな変化はないようです。

結婚したい?したくない?

一般論としての結婚に続いて、“ 自分自身 ” が結婚したいかどうかを聞いたところ、婚活世代では 55.9%が「結婚したい」「やや結婚したい」と回答したのに対し、「結婚したくない」「あまり結婚したくない」が 43.3%となりました。一般論と比較して、自分のことになるとやや結婚に否定的な意見になるようです。年代別にみると、年齢が上がるにつれて結婚に否定的な意見が多くなり、 なんと30 代では半数以上の53.5%が「結婚したくない」「あまり結婚したくない」 と回答する結果に。いったい婚活世代の結婚観に何が起こっているのでしょうか?

結婚したくない理由は?

結婚したくないと回答した260名に対して、なぜ結婚したくないかを聞いたところ、58.8%と半数以上の人が「ひとりが楽だから」と回答しました。数年前に「ひとりカラオケ」などの「ひとり〇〇」という言葉が話題になりましたが、現在の日本では、ひとりでいても快適に過ごせるようなサービスが充実していて、“おひとり様”に優しい環境ですよね。それも「ひとりが楽だから」という考え方を後押ししているのかもしれません。

次いで「結婚というかたちに必要性を感じないから」が約4割の38.8%となりました。1990年半ばまでは9割以上が結婚していたことを考えると、結婚観に大きな変化が訪れていることは間違いないようです。

事実婚は欧米では当たり前?

それでは、結婚というかたちにこだわらないカップルにとって、「事実婚」は選択肢のひとつになるのでしょうか? ここでは「婚姻届を出さないまま、男女が結婚の意思を持って生活すること」を事実婚と定義し、婚活世代、親・祖父母世代のそれぞれに事実婚についてどう思うかを聞きました。

 アンケートの結果、婚活世代では67.7%と約7割の人が肯定的で、そのうち10.2%は「自分にとって、選択肢の一つと考えている」と回答しました。親・祖父母世代でも60.0%と6割が肯定的な考えであることがわかりました。

ここで少し海外の様子を見てみましょう。OECD(経済協力開発機構)の統計によると、出生に占める婚外子の割合はOECD平均で41.9%、PACSというパートナーシップ制度があるフランスでは62.2%、日本はもっとも低く2.4%となっています。国の成り立ちや文化が異なるため、一概に比較することはできませんが、今後は日本でも事実婚を肯定的に捉える傾向が高まっていくかもしれません。

夫婦の役割に変化は?

時代とともに夫婦それぞれの役割はどのように変わってきたのでしょうか? 親・祖父母世代のうち、70代は57.0%が「夫が稼ぎ、妻は家庭」と回答しています。いわゆるサラリーマンの夫と専業主婦の世帯が多い世代ですよね。その多くが高度成長期の末期、1970年代に結婚しています。2000年代に入ると経済低迷にくわえて、非正規雇用が拡大。この頃に結婚した人が多い40代は、7割が共働きで家計を支えていることがわかります。景気の移り変わりとともに夫婦のあり方が変化してきたことがよくわかりますね。

それでは現在の婚活世代は夫婦の役割分担をどのように考えているのでしょうか? 「夫が稼ぎ、妻は家庭」を約半数の49.5%が支持しつつ、共働きを「良い」「やや良い」と考える層が約8 割(パート78.5%、フルタイム78.7%)であることがわかりました。経済低迷期を経験している40代から60代の親を持つ婚活世代にとって、共働きは当然のことなのかもしれません。

結婚相手の経済力って気になる?

結婚を決めるにあたり、相手の経済力についてはどの程度意識しているのでしょうか。婚活世代のうち、結婚したいと回答した335名に、結婚相手の年収を意識するかどうかを聞いたところ、女性の83.2%、男性でも45.2%が「意識する」「やや意識する」と回答しました。共働きが当然の今の婚活世代は、男性も女性の年収を気にしているようです。ちなみに親・祖父母世代は女性の48.0%、男性では10.0%が相手の年収を「意識した」「やや意識した」と回答。ここでも結婚観の変化が垣間見えますね。

親・祖父母世代に、本気で離婚を考えたことがあるかを聞いたところ、14.8%は「経済的に自立できれば、実際に離婚したい」との回答でした。つまり、本気で離婚したいと考えていても、経済的に相手に依存している状態では我慢して結婚生活を続けざるを得ない、ということですね。相手の年収が気になる時代ではありますが、あまり頼りにし過ぎると、新しい人生に踏み出すときの足枷になってしまうかもしれません… 未来の選択肢を広げるためにも稼ぐ力は身につけておきたいですね。

今は結婚が難しい時代?

婚活世代に「結婚すること自体を難しいと思いますか?」と聞いてみると、30代の87.0 %、さらに10代でも81.5%が結婚を「難しい」「やや難しい」と回答しました。ほとんどの人が結婚することに困難を感じていることがわかります。

親・祖父母世代にも、結婚当時に結婚することを難しいと感じていたかを聞いたところ、50代以上では「難しい」「やや難しい」は 3割以下でした。しかし、40 代を見てみると、55割以上の52.0%が「難しい」「やや難しい」と回答。2000年代ごろから徐々に結婚へのハードルは上がってきてしまっているのかもしれません。

前向きに決断したい!

数十年前に比べると結婚観がかなり変化していることがわかりました。今の時代は多くの人にとって結婚が難しいものになってしまっているようです。昔に比べれば結婚にも多様性が生まれているようなので、結婚するにせよ、しないにせよ、色々模索した上で前向きな決断がしたいですね。(石川智香子)

情報提供元/マッチングアプリ「Omiai」