【無印良品】回収家具のお得な再販や防災グッズをトラウデン直美がリポート!|SDGs連載

トラちゃんと考える「SDGs」RETURNS!

『SDGs』の目標達成に向かって、モデル・トラウデン直美が気になるテーマを深掘るこの連載。今回は、気負わずに衣食住を見つめ直すヒントを探しに、無印良品 東京有明へいざ!

環境省サステナビリティ・トラウデン直美/高校時代に環境問題に興味をもって以来、エシカルな生活を模索。SDGs関連の発信に力を入れ、『news23』(TBS系)、『NIKKEI NEWS NEXT』(BSテレ東)など報道番組にレギュラー出演、現場取材も務める。2024年4月にCanCam専属モデルを卒業後は、ドラマ、ラジオ他幅広い分野に活躍を広げている。

SDGsってムズカシイ? 無印良品となら、楽しい!

家具も収納も日用品も、気づけばいつもそばにあったのが無印良品。流行にとらわれず、必要なだけ買い足せて、暮らしの中で育てていけるような感覚があります。お店に行くと、何かしら新しい発見があって「これ、やってみようかな」って思える。その程よい距離感が、好きなんです。今回は、SDGsの目標である「つくる責任、つかう責任」を軸に、「住み続けられるまちづくりを」にもつながる無印良品の〝ちょっといいこと〟の工夫とアイディアを、日々の暮らしの目線から学んできました!

■今回訪れたのは…『無印良品 東京有明』

売場面積約4,000㎡を誇る関東最大級の旗艦店。おなじみの家具や日用品、食品に加え、植物や住宅リフォームまで幅広く展開。暮らしを支えるサービスや情報を発信する地域のコミュニティ拠点として、独自の取り組みやサステナブルライフスタイルをテーマにしたワークショップを企画。店内カフェでのこども食堂も毎月開催するなど、世代を超えて衣食住を楽しめる。

住所:東京都江東区有明2-1-7 1F~3F、Instagram:@muji_tokyoariake

無理なく自然に続く無印良品の優しい循環

■使わなくなったユニットシェルフを店頭で回収して、お得に再販売

回収された収納家具のうち、状態が良好なものはクリーニングして再販。ユニットシェルフの中古パーツは、破損部品の買い替えなどリピーターに好評。プラスチック収納もリユースなら気軽に試せる。

■使い込んだ椅子をリペアして長く愛せる!

座面の張り替えやガタつく脚のカットなど、椅子の状態に合わせて修理できるリペアサービス。

■着られなくなった古着をリサイクルや再利用に役立てる

再使用できる衣類を回収。江東区の専門業者に引き渡され、国内外でリユース・リサイクルされる。

■自治体と連携したフードドライブで食べ物を必要としている人へ

フードドライブとは、家庭で余っている食品を持ち寄り、福祉団体や施設などに寄付する活動。賞味期限が残り2か月以上残っているものが対象。/すべて東京有明店の取り組み

便利な防災グッズも豊富!

■いつも持ち歩きたい! 緊急時に役立つハンカチ

いざというとき頼りになるハンカチの活用法をイラストで解説。オーガニックコットン100%の大判ながら薄手で、バッグの中で邪魔にならない。

いつものもしも ハンカチ¥490

■畳むとA4サイズに! 緊急時に頭を守るヘルメット

約420gと軽量で、オフィスや自宅などでスペースを取らずに保管できる。ファイルボックスに収納OK!

折りたためるヘルメット¥4,990

■軽いLED懐中電灯なら停電時にも安心

単3or単4の乾電池1本でも点灯し、雨に濡れても使用可。インテリアになじむのでベッドサイドに置くルームライトとしても人気。

LED懐中電灯 大¥2,990

〝売った先〟まで考えて設計するものづくり

教えてくれたのは…無印良品 東京有明 店長 湯崎知己さん

2000年に良品計画入社。ドバイ・パリで海外店舗の運営を経験し、宣伝・商品開発などを歴任。2022年より無印良品 東京有明 店長として現場に立ち、イベント企画も担う。

■服も食も防災も、地域とつながって未来に手渡す

トラ:東京有明店では、発売から30年続くロングセラー、ユニットシェルフのリユース販売をされているんですね。当時の部品が今のモデルにも使えると聞いて驚きました。こうしたものづくりには、どんな思いがあるのでしょうか?

湯崎:当初から構造を変えず、長く使える設計にしています。暮らしに合わせて調整できる可変性を大切にしてきました。

トラ:回収されたシェルフから、必要なパーツだけ買い足せるのも魅力ですね。

湯崎:最初は組み立てた状態で展示していたところ、多くのお客さまがバラして持ち帰られる。それならと「組立・梱包なし」「返品・配送不可」と明記し、棚板は1000円、バー類は500円と手頃な価格で販売しています。

トラ:お得ですが、新品の売り上げに影響は?

湯崎:むしろ新品も伸びていまして。「長く使える」「不要になっても活かせる」といった点が魅力に。SDGsで大切なのは継続性。この方法は、過剰なサービスの見直しにもつながっています。

トラ:企業側が「身を切る」のではなく、「ムダをなくす」発想ですね! 「必要な人にそのまま渡す」という考え方が素敵です。

湯崎:リサイクルは素材により粉砕やペレット化が必要で、輸送にエネルギーや人件費がかかります。プラスチックも同様で、処分したほうがCO²排出が少ない場合も。売った責任として、できるだけ負荷の少ない循環の仕組みと届け方を探っています。

トラ:環境負荷を減らすべく、古着の回収(上記)にも取り組まれているとか。

湯崎:他店舗では、自社製の衣料品やシーツなどを対象に回収を行っていますが、東京有明店では江東区と連携し、ブランドを問わず衣類を回収しています。一部は海外で再利用され、残りは工業用ウエスや再生素材として活用。予想を上回る量が集まったことで、改めて「こんなにも多くの服が捨てられているのか」という現実にも向き合うことになりました。私たちも服を売る立場として、少なからずその一端を担っている。今後は、「服を長く使う意識」を育てていくことが、より大切になると感じています。その入り口として、適切な洗濯や日々のケアを伝えるイベントにも力を入れています。

トラ:使い捨てではなく、服の寿命を延ばすという意識改革こそが、本質ですね。

湯崎:まさに。ただ、実際にお客さまとお話ししていると、「誰かの役に立つなら」との想いで持ち込んでくださる方が多くて。その気持ちは、2020年の開業当初から続けているフードドライブにも通じていると感じます。

トラ:私も高校生のとき、生徒会でフードドライブを企画していました。思い入れがあっただけに、卒業後に活動が途切れてしまったことが残念で…。だからこそ、無印さんならではの継続の力を感じます。

湯崎:ありがたいことに、お歳暮やお土産でいただいたけど食べきれない食品や、月齢が合わなくなった保存用離乳食など、みなさん思い思いに持ってきてくださいます。

トラ:どういった所に届けられるんですか?

湯崎:主には江東区のこども食堂や福祉団体などです。地域の支援活動につながるだけでなく、私たち自身もその橋渡しをすることで、まちとの接点が増えてきました。地域の小・中・高校から「一緒に何かできませんか」とお声がけいただくことも多くて、東京有明店で月に1回開いているこども食堂で、学生さんがボランティアとして参加してくれています。

トラ:素敵なつながりですね! 子供たちの姿に、関わる大人の意識も変わっていくのでは?

湯崎:食は毎日のことで、環境にも経済にも関わるもの。お子さんが「食べ物は残さない」「もったいない」と言うと、親御さんたちもハッとして気づきになるようです。

トラ:地域で意識が育つと、情報共有や助け合いの土台にもなっていく気がします。

湯崎:そうした日常の延長線上で、全国的に「いつものもしも」というテーマで防災アイテムも提案しています。災害への関心が高まるなか、「どんな備えが必要か」とのご相談も増えていますね。例えば懐中電灯は室内でランタンのように使えて、非常時にはそのまま持ち出せる仕様。その他、雑貨入れにもなる水タンクや、止血にも使える防災ハンカチなど、生活に組み込めるものをそろえています。

トラ:たしかに、防災用としてしまい込むと、存在や使い方を忘れがち。普段から使えたら、いざというときも迷わず手に取れます

湯崎:各店舗では、防災や四季の暮らしを学ぶワークショップも開催しています。モノを売るだけでなく、地域のコミュニティセンターのような場になれたらと考えています。

トラ:自然と人が集まり、暮らしに根ざした情報が行き交うからこそ、新しい提案にも前向きになれる気がします。

湯崎:お買い物のついでにふらっと立ち寄っていただいた中での出会いが、〝ちょっといい選択〟につながってくれたらうれしいです。

意識しなくても続けられる〝ちょうどいい〟暮らし

「いいことだからやろう」ではなく、「どうしたら無理なく続けられるか」を考えるその姿勢が、自然体で心に残りました。「やってはいるけど課題もある」と受け止めながら、よりよい形を模索していく在り方にも、静かな力強さを感じます。無印良品のものづくりの根底にあるのは、「1+1=1」の精神なのだそう。機能や意味は増えても、持ち物やゴミは増やさない。合理的だけどあたたかい。そんなモノやコトが、これからの暮らしにきっと、もっと求められていくのだと思います。

■明日から使える! 身近なアイテムもサステナブル♡

【左上】箱なしの簡易包装をいち早く導入したレトルトカレー

化粧箱をなくしてゴミを減らし、環境負荷を低減。長期保存可能で常温でも食べられるため、災害時の備蓄にもおすすめ。

レトルトカレー各種¥290~

【右上】袋のまま使えるぬかどこでフードロス対策

あらかじめ発酵させているので、毎日のかき混ぜは不要。チャック付き袋にそのまま余った野菜を漬けて、冷蔵庫保管OK!

発酵ぬかどこ¥890

【左下】おいしさはそのままに〝もったいない〟を削減。25年愛されるおやつ

かつての製造過程では廃棄されていた焼きムラや変形のある部分もはじかずに、食べきりやすいサイズ&手頃な価格で販売。

不揃いバウム¥180~

【下中央】100%再生ボトルで石油由来原料の有効活用

化粧水・乳液には100%再生PET素材のボトルを採用。店頭で回収も行う。スキンケアしながら資源循環に貢献。

しっとり 300㎖¥790

【右下】工場で出た綿の端材を吸水性のよいふきんに

紡績工場で出た落ちワタをざっくり織り上げたふきん。綿100%で吸水性がよく、台拭きや掃除などに幅広く使える。

落ちワタ混ふきん12枚組¥499

取材をして…今月のトラの気づき

消費するだけで終わらず暮らしへの考え方を見つめ直せる場所

「なにげなく商品を買いに来たはずなのに、その奥に『暮らしのあり方』や『考え方』が広がっている。その自然な重なり方が心地よくて、生活者の感覚に根ざした取り組みが暮らしにすっとなじむんだなと感じました。信頼できるブランドの〝定番であること〟が、そっと背中を押してくれる安心感につながるんですね」

■今回のSDGsブランド…KAPOK KNOT(カポック ノット)

木の実由来の素材「カポック」を使った、日本発のファッションブランド。カポックは東南アジアに自生し、コットンの8分の1の軽さと吸湿発熱性を備えた植物。繊維が短く加工が難しいとされてきたが、国内企業との共同開発により商品化に成功。動物性の素材を使用しないアニマルフリーで、着心地のいい衣服を展開している。

ニット¥18,800(KAPOK KNOT)、パンツ¥12,991(N. Natural Beauty Basic*)、バッグ¥47,300(銀座かねまつ6丁目本店)、靴¥16,500(ダイアナ 銀座本店<ダイアナ>)、〝IRIS47〟のイヤリング¥14,300・リング¥22,000・〝quip queint〟のブレスレット¥19,800(フーブス)、ネックレス¥12,100(フラッパーズ<BAMBOLEIRA>)

目指せ! SDGs! トラの一歩

\友人家族と一緒にブルーベリー畑へ/

\苗を植えて実がなるまで3年ほどかかるとか!/

先日、友人とそのベイビーと一緒にブルーベリー狩りへ行ってきました。数十種類の違いや実のつき方を間近で見るのは初めてで、とても新鮮でした。普段はケーキやジャムで味わっている果実も、育つ過程を知るとありがたみが増します。旬の恵みを自分の手で収穫する体験は、食べ物への意識や、自然とのつながりを見直すきっかけにもなりました♡

2025年CanCam9月号「トラちゃんと考える 私たちと『SDGs』RETURNS!」より 撮影/花村克彦 スタイリスト/伊藤舞子 ヘア&メイク/遊佐こころ モデル/トラウデン直美 構成/佐藤久美子 web構成/稲垣あすか ◆この特集で使用した商品はすべて、税込み価格です。