入学や就職、家族が増えたなど新生活に備えたり、今の物件への不満から心機一転をきっかけにもなる「引越し」。意外とお金もかかるし、せっかくなら長く住める暮らしやすい家に引越したいですよね。しかし、「部屋探しでどこに注目したらいいのかわからない!」という人も多いのではないでしょうか。
そこで、株式会社AlbaLinkが引越し経験のある10代~60代の男女500人を対象に行った、「引越し後に後悔したこと」にまつわる調査結果を紹介します!
全体の約9割が「引越し後に後悔した」
引越し経験のある500人に「引越し後に後悔したことがありますか」と聞いたところ、なんと「ある」と回答した人が87.4%にまでのぼる結果がでました。どんなに失敗しないようにと情報収集をしていても、住んだことで「こんなはずじゃなかった」と気づくことが多そうですね。
では、実際にどのようなことで後悔したのかランキング形式で見ていきましょう。
後悔したこと1位は「騒音がひどい」
引越し後に「後悔したことがある」と回答した437人に後悔の内容を聞いたところ、圧倒的1位は「騒音がひどい(176人)」でした。そして、2位「日当たりが悪い(39人)」、3位「住民トラブルがあった(38人)」、4位「設備への不満(34人)」と続きます。
全体的に、引越し先の建物や部屋についての後悔が上位にランクインしている印象。特に「騒音」「日当たり」「隣人とのトラブル」など、短時間の内見ではわかりにくいポイントを挙げた人が多くなっています。
<7位 間取りが使いにくい>
- 「部屋の面積は広いほうが良い」と思って9帖の1Kを借りたのですが、家具が少なくて広さを持て余す結果になった(29歳 女性)
- 内見では家具がない状態なので広々とした部屋に見えたが、いざ引っ越して家具を入れると狭く感じた(39歳 男性)
- 部屋が台形なので、家具の置き方が難しくて隙間ができた(54歳 女性)
「思ったより狭かった」という声が多数。いざ住んでみると台所やお風呂が狭く、使い勝手が悪いと感じている人もいました。家具の大まかなサイズをおさえたうえで内見するなど、実際に生活したときのことをシミュレーションしておくことが大切ですね。
<6位 虫が多い>
- 周りに蛍光灯や明かりのある場所が少ないため、虫が寄ってくる(21歳 女性)
- 虫がよく室内に侵入してくる(39歳 男性)
- 下の階がパン屋さんだったので、害虫がひどかった(45歳 女性)
「林や田畑が近くにある」「マンションの1階が飲食店」などの場合、虫に悩まされる可能性大。「冬に引っ越したので最初はわからなかったけれど、夏に虫がたくさん出て後悔した」という体験談もありました。近くに害虫や害獣が出そうな場所が無いかチェックしておきましょう。
<5位 湿気がひどかった>
- 通気性がかなり悪かったこと。換気が悪いと部屋の雰囲気が変わるので、わかるのであれば事前に知りたかった(29歳 男性)
- 湿気がたまる部屋だったこと(33歳 女性)
- 部屋全体の湿気がひどく、窓ガラスがすぐ結露してしまいカビの発生も多かった。壁紙が浮いてきてしまった部分もあった(46歳 男性)
湿度や風通しも見落としやすいポイントのようです。内見したときは問題ないと思っても、梅雨の時期になって「こんなに湿気がひどい部屋だったんだ」と後悔することもありそうです。湿度が高すぎると、家具や壁だけではなく、服やカバンにまでカビが発生することもあるので、窓の数や換気のしやすさなど見ておくことも大事ですね。
<4位 設備への不満>
- シャワーの水圧が弱かったこと(20歳 男性)
- 水周りが古い。入居してから水漏れすることに気がついた(32歳 女性)
- お風呂に追い焚き機能がなかった(51歳 女性)
水回りや備え付けのエアコンへの不満が多くなっています。内見時に水を出したりエアコンを動かしたりするのは気がひけて、確認せず入居する人も多いからかもしれません。入居前に設備をチェックしなかった場合は、入居後できるだけ早いうちに水回りや備え付けの家電をチェックし、不備があれば管理会社に連絡しましょう。
また、集合住宅の場合は部屋だけでなく、普段使う共有設備も確認しておくといいかもしれません。
<3位 住民トラブルがあった>
- 同じアパートに住んでいる子どもがアパートの駐車場で遊ぶので、車に何度かものを当てられたこと。親に伝えても「子どものしたことだから」と改善しようせず不満です(26歳 男性)
- マットなどの対策はしていたのですが、下階の住人からたびたび「子どもの足音がうるさい」と言われました。駐車場にゴミを置かれるなどの嫌がらせを受け、1年も経たずまた引っ越しました(35歳 女性)
- 隣の住人が、何かにつけて文句を言ってくる(46歳 男性)
特に「下階や隣の住民から騒音クレームが入った」というケースが目立っています。うまく折り合えないと、ストレスが溜まる隣人問題。
また「ご近所さん意識」の強い地域だと、勝手に敷地や家に入ってこられて困惑するケースも。内見ではなかなかつかめないポイントですが、不動産の人に隣近所にどんな人が住んでいるか聞いてみるのもひとつの手かもしれません。。
<2位 日当たりが悪い>
- 夕方の暗い時間帯に内見したので、陽が入ってくるかの確認ができず、日当たりの悪い部屋を契約してしまった(27歳 男性)
- 西向きなので日中は日当たりがイマイチで、夕方から急に明るくなり室温も高くなる(33歳 女性)
- 東向きの窓のみなので、午前中しか日が当たらず、洗濯物を干せる時間帯が少ない(55歳 女性)
日当たりが悪いと湿気やカビの原因になったり、気分が沈んでしまったりすることもあるため、日当たりは意外と軽視できないポイント。特に洗濯物を干す場所や、一日の中でも長く過ごす場所の日当たりはチェックしておくといいと思います。
また、一部「日当たりが良すぎて室内が暑く、冷房代がかさむ」というコメントもあったので、日の当たり具合も確認しておきましょう。
<1位 騒音がひどい>
- 内見した時にはわからなかったのですが、壁が薄くて隣の人の声などが聞こえる(27歳 女性)
- 思ったより、外の音が聞こえる(37歳 女性)
- 上階の騒音(生活音)がとても気になりました(45歳 男性)
昼間に内見すると、夜間の騒音には気づけないことが多く、実際に住んでみてから騒音に悩まされることも少なくありません。壁が薄くて隣人の生活音が聞こえる場合、自分が出している音も聞かれているかもしれないので過ごしにくくもなりますよね。また、電車や車の走行音に悩むコメントも多く挙がっていました。駅やスーパーなどのお店が近いと便利な面もありますが、その分聞こえてくる音も大きくなるので周囲の環境も見ておくと事前に防げそうです。
これはやって!!後悔しないためのポイントは「丁寧な内見」
最期に、のランキングとともに引っ越しの際はどこに注目して確認したらいいのか、実際に寄せられた声を紹介します。ちなみに、1位は「同じ物件を何回か内見する(79人)」、2位が僅差で「内見時に部屋をしっかり確認する(76人)」、7位に「内見の時間帯を工夫する(18人)」と、内見について挙げた人が多くみられました。
<同率7位 実際に内見する>
- 内見ができず、ネット上の情報だけで決めてしまいました。日当たりや上階の住民についてなど、内見しなければわからないこともあると思いました(26歳 女性)
- 必ず内見をすること。間取り図でも部屋の大きさをイメージできますが、意外と狭かったり柱があって置ける物が限られたりして、住んでみたら使いづらいところが多々出てくるからです(36歳 男性)
「遠方への引越し」「急な引越し」「前入居者がまだ入居中」といった理由で、実際の部屋を内見せず契約する人もいます。今はオンラインで部屋の中を360度確認できたり、細かく室内の写真が掲載されていることも多いですが、やはり実際に内見するのとしないのとでは部屋のイメージが変わってきます。なにより、騒音や日当たりを把握しにくいため、後悔しないようにも内見の時間をとることをおすすめします。
<同率7位 内見の時間帯を工夫する>
- 平日の日中は隣人がいない場合もあるので、土日の早い時間に内見するべきだったと思います(29歳 女性)
- できれば夜に内見したかった(40歳 男性)
「隣人がいる時間帯を狙って内見したほうがよかった」というコメントが目立ちました。ただ、隣人生活音のチェックはできますが、夜だと暗く部屋の小さな汚れや傷を見逃しがちなのでそこは注意しましょう。反対に、在宅ワークで日中の音が気になるという人は日中に内見したりと、自分が過ごし方を重視したい時間に内見をするといいかもしれません。
<6位 丁寧に情報収集する>
- 引越し先の自治体の決まりごとなどを、もっと情報収集しておけばよかったと思います(35歳 男性)
- 家の裏が森であることのデメリットなどを、ネット検索して調べればよかったと思いました(38歳 女性)
- 同じマンションシリーズを購入した人の口コミなどを調べておけばよかった(40歳 女性)
内見でチェックすべきことや営業担当者に聞くべきことがわかっていれば、効率よく条件に合った部屋を見つけられそう。条件がよく家賃も安くて決めたけど、実は日当たりが悪かった……なんてデメリットが後でわかることも。そのため、家賃が安くなる条件なども調べておくのがおすすめ。気にならないと思っていたことが、意外と悩みのタネになることもあるので調べておくに越したことはありません。
<5位 複数の物件を比較する>
- もっとたくさん内見すればよかった。不動産会社もたくさんまわり、一番いい条件で対応もいいところにしたらよかった(27歳 女性)
- 他のマンションも確認しておくべきでした(31歳 男性)
- もう少し多く内見すれば良かった。別の場所も見れば良かった(40歳 女性)
時間がないなどの理由で、あまり物件を比較せずに決めてしまい後悔している人も多いのでしょう。納得できる部屋が見つけられるように、たくさん内見すべきだったという声が寄せられました。また、取り扱っている物件にも違いがあることから、「不動産会社も複数まわったほうがいい」という声もあります。
<4位 近隣住民について調べる>
- 左右の住人だけでなく、上下の住人についても聞いておけばよかったです(28歳 女性)
- 周辺住民の調査(30歳 男性)
- 個人情報の問題もあるでしょうが、できれば隣や上階の家族構成などを把握しておいた方がよかったと感じました(45歳 男性)
周辺住民や同じマンションの住民に「マナーの悪い人」「音に神経質な人」がいるかどうか、気になるところ。とはいえ、大家さんや不動産会社に聞いても、詳細は教えてくれない可能性が高いです。そんなときは、マンション共有部や町内のゴミ捨て場などをチェックしておくと近隣住民のマナーなどをある程度推測できます。
<3位 周辺環境を確認する>
- 近所にある建物や施設にもっとこだわれば良かった(32歳 女性)
- 最寄駅から実際に歩いてみる(44歳 男性)
- 家の中だけでなく、周辺もよく下見しておくべきでした(52歳 女性)
周囲の騒音に限らず、駅やスーパーから家までの距離など周辺の環境も確認しておきたいところ。意外とスーパーまでの距離が遠くて不便だったり、夜中まで営業している店舗が多くそこからの騒音に悩まされたりと生活するからこそ困るポイントが見えてきそうです。
<2位 内見時に部屋をしっかり確認する>
- 蛇口をひねるなど、細かく見ておけば良かった(22歳 男性)
- 内見をしっかりすること。内見時に壁をノックして、薄くないか確かめること(31歳 男性)
- 内見時に隅々まで見て、「電気系統」「換気扇」「給湯器」の作動を確認しておけばよかったです(47歳 女性)
「せっかく内見に行ったのに、チェックが不十分だった」と後悔している人も多いのでしょう。「壁の薄さ」「水回りなどの設備」をもっとよく見ておけばよかったという声が多数寄せられました。また、既に使っている家具や家電のサイズの確認もしておきたいところ。設備は問題なかったけど、いざ引っ越したときに家具がうまく置けないということもありえます。内見で住宅設備を触るときは、案内してくれている営業担当者に一言断ってからにしましょう。
<1位 同じ物件を何回か内見する>
- 時間を変えて、何度も内見すればよかったと思います(38歳 女性)
- 可能であるなら時間をずらして、内見を複数回したほうがいいです(43歳 男性)
- 現地には何回も足を運ぶべきです(50歳 男性)
「昼だけではなく、夜に行った方がいい」という声が多数。夜に物件まで行ってみることで、生活音や夜間の周辺環境を確認できます。時間をずらせば時間帯ごと日当たりなど、住んだときの生活のイメージもしやすくなります。時間を作れる方は複数回の内見をおすすめします。
ポイントをおさえて内見へ!
引越さなければわからない部分がある反面、事前に気づけたかもしれない後悔ポイントもあります。実際、「家を選ぶときのポイントを調べておけばよかった」という声も多数。まずは、「何回か内見する」「隣人がいる時間帯に内見する」など内見の工夫をしたうえで、「部屋のデメリットを探す」「疑問点や不安な点はしっかり確認する」という風に意識するとある程度理想の部屋なのか見えてくるかもしれません。今回の記事を参考に、後悔のない引越しを成功させましょう!(岡美咲)