結婚を意識しだしたときや、就職や転職としたタイミングなどが決め手になることも多い、パートナーとの「同棲」。口に出していなくても、デート終わりのタイミングや、多忙でなかなか会えない日々が続いたときに「もし一緒に住んでいたら……」なんてパートナーと過ごす生活を想像したことがある人も少なくないはず。ただ、いざ同棲をするとなると想像だけではなく、具体的に決めていくことがたくさん出てきます。
そのなかでも、快適に恋人と同棲生活を送るには部屋の間取りが重要。そこで、株式会社AlbaLinkが恋人との同棲経験のある500名を対象に行った、「同棲開始時の間取り」に関する調査結果から紹介します!今後、同棲を考えている方必見ですよ。
■寝室とリビング・ダイニングは分けるべし!
恋人と同棲をしたことがある500人に「同棲開始時の間取り」を聞きいたところ、1位は「2DK・2LDK(38.6%)」、わずかな差で2位は「1DK・1LDK(35.8%)」という結果に。同棲生活を送る部屋としては、ファミリー向け物件よりも家賃を抑えつつ、寝室とリビング・ダイニングを分けられる間取りが好まれることがわかりました。実際に寄せられた意見とともに、ランクインした間取りの良い点・悪い点を見ていきましょう。
<5位 3DK・3LDK>
共有スペースのほかに3つの部屋がある「3DK・3LDK」。各自の個室をもっても一部屋余るので、「大きめの収納部屋」「ペットや趣味の部屋」を確保でき、ゆとりをもって暮らせたカップルが多いようです。
しかし、一方で「広すぎた」「使わない部屋ができた」という意見もありました。また、3DK・3LDKだと家賃が高くなるので、本当に3DK・3LDKの部屋数や広さが必要なのかを相談しておくことをおすすめします。
3DK・3LDKでよかったこと
- 2人とも当時は在宅ワークだったので、個人の仕事部屋があってよかったです(25歳 男性)
- 寝室以外にもう一部屋あるので、洋服の収納に困らない(27歳 女性)
コロナウイルス流行以降、在宅ワークを継続して行う会社も多いので、お互いの働き方によってはあるといいのかも。また、コレクション趣味がある人など、スペースが必要なカップルにはいいかも。
3DK・3LDKで悪かったこと
- 掃除するのがめんどくさい。部屋が多いと物置になる(20歳 女性)
- 同棲したのに、仕事以外でも個人の部屋にいることが多くなってしまい、顔を合わせる時間が少なかった(25歳 男性)
部屋が増える分、掃除の負担が大きくなるのは確認しておきたいところ。掃除の分担がうまくいかずに衝突してしまったりと、争いを生みかねません。部屋数が多いに越したことはないかもしれませんが、特別な理由がない限りは3部屋も必要なさそう……。
<4位 2K>
居室2つとキッチンがある「2K」。築年数の浅いマンション・アパートには少ない間取りです。アンケートの結果、2Kの使い方は2つ。「一部屋を共有スペースにして、1DKや1LDKのように使う」と「居室はそれぞれの個室にする」という方法です。それぞれに個室を作るとひとりになれるものの、リビング・ダイニングがないので一緒にいる時間は減ってしまいます。実際「一緒に住んでいるのに、何日も顔を合わせないことがあった」というコメントもありました。
一方1DKや1LDKのように使う場合は、寝室が一緒になるので「プライベート空間がなくてツラい」と感じる人もいます。「一緒にいる時間」と「ひとりの時間」のどちらに重きを置くのか、話し合って決める必要がありますね。
2Kでよかったこと
- 狭かったけれどパーソナルスペースがあったことです(25歳 男性)
- リビングと寝室を分けられたのでよかったです(26歳 女性)
2Kで悪かったこと
- リビングやダイニングにあたる部分がなかったので、同棲というよりルームシェア感が強かった(27歳 男性)
- 個室がなくプライベート空間はなかった(32歳 女性)
<3位 1R・1K>
居室ひとつだけの間取りが「1R・1K」。家賃は安いですが、家にいる間はほぼずっと同じ空間にいるので、プライベート空間がとれないのはデメリット。「ひとりになりたいときはトイレにこもるしかなかった」という人もいました。
なお一人暮らしを想定している1R・1K物件では、2人での入居が禁止されていることもあるので確認は必須。ひとりが住んでいた1R・1K物件にもうひとりが引っ越してきた場合、知らずにルール違反をしている可能性もあります。
1R・1Kでよかったこと
- プライベートスペースはなかったが、仲良くなれた(24歳 男性)
- 部屋がひとつしかないので、家賃が抑えられた(39歳 女性)
一人暮らし想定の物件なので、2人で住むと更に家賃が抑えられるというのはかなり大きいですよね。ただし、その分プライベートスペースがなくても大丈夫なのかがかなり重要。
1R・1Kで悪かったこと
- 部屋がひとつしかないのでひとりになれる空間がない。1Kで8.5帖あっても、家具などを置くとスペースを取られて結局狭く感じた(23歳 女性)
- 活動スペースとベッドが同じ場所にあったので、生活にメリハリがつけにくかった(25歳 男性)
置ける家具にも限りが出てきます。シングルベッドが限界!ということも少なくないので、使う家具なども考えたうえで決めるが吉。
<2位 1DK・1LDK>
家賃を抑えつつもダイニング(リビング・ダイニング)と寝室を分けられる「1DK・1LDK」。部屋がふたつあるので、ケンカしたときも別々の部屋で過ごせます。また個室がないので、いつも相手の存在を近くに感じていたいカップルにとっては嬉しいでしょう。
ただ寝室がひとつで、寝室とリビング・ダイニングが近いことも多く、生活リズムが違うと音や明かりなど気を使うかもしれません。
1DK・1LDKでよかったこと
- 寝室とリビングをわけることで生活にメリハリがでる。家賃が比較的抑えられる(25歳 男性)
- いつも一緒にいると感じられること(29歳 女性)
1DK・1LDKで悪かったこと
- 個室がないので、体調が悪い時にゆっくりできなかった(20歳 女性)
- 物が増えていくにつれ、狭さを感じた(24歳 男性)
寝室を一緒に使う分、病気など分けて部屋を使いたいときには少し不便さを感じるようです。
<1位 2DK・2LDK>
居室2つと共有スペースがある「2DK・2LDK」。ゆとりある生活ができるうえに、それぞれに個室があるのでケンカしたときや集中したいときに家の中でひとりになれるメリットも。また寝室が分かれていれば、「遅く帰ったり早出するときに、相手を起こしてしまうのでは」という心配も少なくなるでしょう。
一方、お互いが自分の時間を大切にするタイプで個室にいる時間が長いと、「同棲している意味、ある?」と感じるケースも。家賃も1DK・1LDKより高くなるので、収入に余裕があるカップルにおすすめの間取りですね。
2DK・2LDKでよかったこと
- 各自の個室があることで、仕事や勉強に集中できる時間をもてた(23歳 女性)
- 荷物が多かったので2LDKで良かった(27歳 男性)
2DK・2LDKで悪かったこと
- 別々の部屋で過ごすこともあり、同棲している意味が薄れた(23歳 女性)
- 広くて掃除が大変でした(27歳 男性)
■何を重視するべき?先輩に聞くポイント
恋人と同棲をしたことがある500人に「同棲開始時の間取り選びで重視すればよかったこと」を聞いたところ、最も多かった回答は「適切な部屋数(30.8%)」でした。
「プライベート空間が確保できるか」という回答も4位で、「同棲中でもひとりになる部屋・空間が必要」と実感した人が多いとわかります。それでは、なぜ重要なのかポイントごとに紹介していきます!
<7位 バストイレ別であること>
- トイレとお風呂が別でないときつい(21歳 男性)
- トイレとお風呂が完全に別になっている間取りを選べば良かった。トイレとお風呂が同じタイミングになると、トイレの音が気になったり、お風呂上がりが恥ずかしかったりする(23歳 女性)
お風呂とトイレが一緒になったユニットバスだと、ひとりがお風呂に入ってしまった時に、もうひとりがトイレに行きにくくなります。シャワーカーテンでお風呂側からトイレが見えない状態だとしても、「使いにくい」と思う人が大多数ではないでしょうか。
急にお腹が痛くなり「早くトイレに行きたい」というとき、トイレが使えないのはかなり辛いもの。お風呂に入っている側も、「早くあがりたいのに、パートナーのトイレが終わらない」「お風呂で癒されたいのに臭いが気になる」のはイヤですよね。ひとり暮らしでも懸念されがちなポイントゆえに、人と住むとなると更に厳しいものを感じます。
<6位 水回りの場所や動線>
- トイレの位置は、寝室やリビングと接しない場所にすること(25歳 女性)
- お風呂・トイレの場所。今は玄関の真横にお風呂があるので、「お風呂から出たら、帰宅した彼とバッタリ」ということがよく起きる(31歳 女性)
とくにトイレの位置を気にしている人が目立ちました。「トイレの音を相手に聞かれたくない」という気持ちがあるからでしょう。また脱衣スペースがないと、お風呂からあがるときに裸で廊下に出ることになり、恥ずかしいと感じる人も多いです。長く過ごす場所ではありませんが、ちょっとしたパーソナルスペースの確認も大事ですね。
<5位 部屋の配置>
- リビングと寝室が離れている間取りにすればよかった。生活リズムが違ったので、夜勤で帰ってきた彼が気を遣って音を立てないように生活していて、「悪いなー」といつも思っていました(22歳 女性)
- 個室は隣接していない方がよかった(29歳 男性)
「自分の部屋に行くために、相手の部屋を通るのはイヤ」「リビングと寝室は離れている方がいい」などの回答が寄せられています。とくに生活リズムが違う場合、リビングと寝室や個室同士が近いと、音や明かりが気になることも多いからでしょう。実際、それぞれの部屋でリモートワークする場合にオンライン会議や電話の声が漏れるのが気になる人もいます。
<4位 プライベート空間が確保できるか>
- どんなに大好きな相手でも見られたくないことがあるため、自分の部屋ではなくても、ひとりになれるスペースは絶対に必要だと感じた(28歳 女性)
- それぞれの個室とまではいかなくても、「絶対に自分しか使わない収納」など、完全にプライベートな空間があることは重視した方がよかった(29歳 女性)
「個室がないとしても、プライベートな空間は欲しい」というパターン。部屋の中でスペースを区切りたいなら、部屋を仕切るなどの方法もあります。「収納スペースを分ける」「相手が視界に入らないワークスペースをつくる」といった工夫をしてみてもいいかも。1DKや1LDKでも各部屋が広めの物件を借りれば、プライベートなスペースをつくりやすくなりますよ。
<3位 収納の多さ>
- 洗面台の収納の多さ。2人分を置ききれなかったため(20歳 女性)
- 自分の場合は、部屋数よりも収納スペースの多さ。2人で暮らすと荷物の量も増えます(25歳 男性)
- お互いの衣服をきっちりしまえるように、クローゼットは多めに確保すべきだった(30歳 女性)
2人で暮らすと、一人暮らしよりも荷物や日用品のストックが増えます。そのためワンルーム物件はもちろん、1DKや1LDKでも収納が足りなくて、苦労する可能性も。
お互いに荷物が少なければ収納方法の工夫で乗り切れるかもしれませんが、荷物が多いなら、収納が多い部屋を探すことをおすすめします。「同棲しているうちに、荷物がどんどん増えた」というコメントも複数ありました。お互いの荷物の量を事前に把握したうえで、部屋を探しましょう。
<2位 同棲に適した広さ>
- 全体の平米数だけではなく、LDKの広さを重視すればよかった(25歳 女性)
- 間取り自体は1Kでも案外大丈夫だとは思うが、広い部屋にすればよかった(26歳 女性)
- 間取りも大事だが広さも重要(30歳 男性)
狭いと家具を置いただけでゆとりがなくなってしまい、2人でいるとストレスが溜まりやすくなると考えられます。2人暮らしの場合、「最低で30平米、余裕をもって暮らすなら55平米必要」とされており、30平米だと「1DK」や「2K」、55平米だと「1LDK」や「2LDK」の物件が多くなっています。それぞれの部屋でどんな過ごし方をするのか、相談したうえで部屋数とともに部屋の広さの目安を持っておくと、住んだときに不便さ感じにくくなるかも。
<1位 適切な部屋数>
- 個人部屋を作れる部屋数(20歳 女性)
- ケンカしたときや息抜き時に逃げ場所ができるので、最低でもひとり1部屋は確保したいと思いました(24歳 女性)
- 2DKにして、個人の空間を確保すべきだった(30歳 男性)
「それぞれに個室を確保できる部屋数が必要だった」と感じた人が多数。同棲開始時は四六時中一緒にいたいと思っていても、しばらく経つと「ひとりの時間がないとしんどいな」と感じることも少なくありません。部屋を探す前に「個人の時間や空間を大切にしたいタイプかどうか」を話し合い、必要な部屋数がある物件を選びましょう。長く過ごすことになるからこそ、かなり重要なポイントです。
■二人でも、一人でも過ごせるほどよい間取り
「一緒に過ごしたい!」その思いがあって同棲を始めるとは思いますが、ただ一緒に住むだけではうまくいかないのも事実。生活を共にする上で、何が必要なのか、何が譲れないのか、お互いの普段の過ごし方も含めて話し合うとどんな部屋が住みやすいのか見えてくるかも。「こんな風に過ごせたらいいな」というように思い描きながら、楽しい同棲生活をスタートさせましょう!(岡美咲)