よりよい習慣を身につけるための心理的アクション4選

苦しまずによい習慣を身につけるための心理的アクション4選

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人は習慣の生き物であるといわれます。そうだとすれば、なるべく悪習慣をやめてよい習慣を身につけていきたいものですよね。でも、よい習慣を形成するには、大変だったり苦痛だったりすることも多いもの。どうすれば、苦しまずに身につけられるのでしょう。そこで今回は、「苦しまずによい習慣を身につけるための心理的アクション4選」をご紹介いたします。

■よい神経回路をつくればよい習慣、ひいてはよい人生が創られる

脳の神経細胞同士はシナプスで繋がっています。この神経細胞同士がどう組み合わさるかは、その人の経験によって変わり、この世に1人として自分と同じ組み合わせの人はいないそうです。また、この神経細胞の組み合わせは、同じ行動を繰り返すことで太くなっていきます。鍛えるのがよいものならよい回路が、悪いものなら悪い回路が強化されていきます。そのため、人の考え方や行動をよいものに変えていくには、日々の行動つまり「習慣」をよいものにすることが、一番効率がいいと言えるのです。

■自分への期待値を見直して正しい目標設定を

私たちは、多かれ少なかれ自分自身に期待をしています。それをモチベーションとして、自分以上の実力を発揮することもありますが、逆にプレッシャーを感じて萎縮することもありますよね。これは、心理学における「ゲインロス効果」という心的傾向によるものです。このゲインロス効果とは元々の印象が基準となり、その後の印象を決定するという法則のことです。元々のイメージがよければその分マイナスに裏切られる可能性は高く、期待値が高ければ高いほど、現実とのギャップにイライラしてしまうのです。そこで、正しい目標設定をして維持できる習慣を課せば、心はスッと楽になるはずです。

■できないことを“織り込み済み”にしてメンタルロスに備える

毎日生活をしていると、よいことだけでなく悪いことも起こります。でも事前に“ネガティブ情報”を知っておけば、それを“織り込み済み”にしておくことで、心の平穏を保つことができます。心理学においては、ダニエル・カーネマンが発見した「損失回避の法則」というものがあります。これは、人は「得をすること」よりも「損をしないこと」を選んでしまうという心理傾向のことを指します。損した時の恐怖は喜びよりも2.25倍も大きいのだとか。もしもネガティブな出来事を事前に把握できれば、「そういうもの」と認識して過ごすことで、本当は「こうあるはずなのに……」という心理的ショックを回避することが可能に。できない事実に振り回されず、余裕をもって習慣を維持することができるはずです。

■人事を尽くしたら、あとは天命に任せる

仕事でも試験でも、そして人間関係でも準備をして挑んだとしても、やはり継続できるか不安なものですよね。でも、自分なりに努力をしたその後は、未来のことを心配して心を疲弊させるのは勿体ないと言えます。また、習慣の維持には運の要素や理不尽な事情も考えられます。人事を尽くした後は、思い切って結果への期待も不安も手放して、そのシーンを楽しんでみることも大切です。そうしないと、萎縮して行動力が損なわれてしまう場合も。習慣化ができた未来の自分に目を向けることが、継続のための秘訣なのかもしれません。

おわりに

習慣をものにするためには“66日の壁”を乗り越えなくてはいけないとされます。これは人間の神経細胞の回路が強化されるために必要な、最短の繰り返しの時間なのだとか。習慣を継続するにあたっては、短時間でも構わないので継続するうえでのモチベーションを損なわない工夫が必要です。例えば手帳をつけるなど1日10分でもいいので、自分のシナプスを強化する時間をつくってみてはいかがでしょう。きっと66日経った頃には、新たな自分に生まれ変わっていることでしょう。(脇田尚揮)

(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。