人の心を動かす心理アクション4選
人は自分を変えることはできますが、他人を変えることはできません。でも、人の心を動かすことはできますよね。ただ、そのためには何か心の琴線に触れるようなアクションが必要。では一体、どのような心理アプローチをとればいいのでしょうか。そこで今回は、「人の心を動かす心理アクション4選」をご紹介いたします。
■相手と自分との共通点をアピールする
人というのは自分と相手との共通点を見つけると、好感を抱く傾向にあります。逆に、その人と自分の差異が目につきすぎると、敬遠してしまうことが多いでしょう。とは言え、相手との差異を無理矢理直すのは難しいもの。そこで、相手の性格の良い面や自分との共通点を探してみましょう。これだけで、相手の心を動かすことができるはず。これを心理学では、“ポジティブシンキングのフレーム効果”と言います。そうすることで、自然と心を動かすことができるのです。
■予測不可能なアクションをとってみる
あなたが心を動かす人間像を想像してみて下さい。きっと普段は温厚なのに、キレるとすごく怖い人などが挙げられるのではないでしょうか。周囲を驚かせるほどの変化は、予測できないという意味で最大の振れ幅となるのです。逆を言うと、予測できすぎると相手の心を動かすことはできないのです。そのため、人の心を動かすには、あなた自身が予測のできない人になってみましょう。具体的には、普段はちょっとやそっとのことでは怒りを見せず、相手の責任で何か問題が起きた際に、内に秘めた怒りを見せギャップを演出するといいでしょう。
■大多数の意見を自分の味方につける
アトランティック大学の心理学者ビブ・ラタネの実験によると、“サクラ”を仕込んで好きな色を選ばせるようにすると、約31%もの人がサクラと同じ色に同調したという結果が出ています。たったひとつの要因で3割もの人の心が動くというのは、心理学的には高い数値であり、これを“同調効果”と言います。そこで心を動かしたい相手に対して、「みんなが言ってるよ」と多数意見であることを強調してみましょう。そうすれば、相手の心の琴線を震わせることができる可能性が高まるはず。
■相手も気づいていない性質を指摘してあげる
クセに関する心理学実験によると、いつも無意識に行っている行為を指摘して、意識的に行うように命じると、今まで無意識に行っていたクセをしなくなったとされます。これを“習慣指摘の心理的効果”と言います。人のほとんどは、無意識的にその時の自分の感情で行動している傾向にあります。ある意味それは、行動のクセと言うこともできます。そこで、相手も気づいていない性質を指摘してみましょう。きっと心動かされ、あなたの言いなりになってしまうかもしれません。
おわりに
人を思い通りに動かすと聞いて思い浮かぶのは、「不安」や「恐怖」を与えるというやり方かもしれません。確かに一定の期間はそれで動かせられるかもしれません。しかし心理実験によると、リスクを伝えるという“おどし”を与えたグループのほうが意図する行動をとらなかったという結果が出ています。真っ向から相手を制圧しようとしても、人の心は動かないということなのでしょうね。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。