CanCam編集長が振り返った2014の流行アイテムは……「○○靴」「○○ストッキング」「○○アクセ」etc.

2014年、女性誌各誌の編集長はどのような流行を生み出し、どんな時代を見てきたのか。女性誌編集長インタビュー、今回は『CanCam』井亀編集長の第2回です。

前回は、現在の『CanCam』読者像についてうかがいましたが、「プチバブル世代」「ファッションの優等生」といった注目のキーワードがすでにいくつも登場しています!

そして今回は、2014年の『CanCam』の振り返り。今年はどんな出来事があり、どんな流行が生み出されたのでしょうか。

★1回目のインタビューはコチラ→CanCam編集長が語る、いまどきの”プチバブル世代”。その正体とは!?

CanCam井亀編集長3

Woman Insight編集部(以下、WI) 2013年のインタビューの中で「2014年は黒髪美少女の時代が来る!」というお話がありましたが、いかがでしたか?

井亀編集長(以下、井亀) 2013年の春から一気に黒髪ブームが到来し、2014年も流行するかなと思っていたのですが……今秋に実施したアンケートで、現在の髪の色について調査したところ、6割以上が「暗めブラウン」と回答したんです。みんな一時は黒髪にしたのですが、「やっぱり暗めブラウンが誰でもかわいく見える!」と思うに至った子が多かったようです。みんな、黒髪を経てから再認識したんですよね。『AneCan』の1月号でも「“モテ”より“ウケ”の時代です!」という特集がありましたが、暗めブラウンは大学でも勤め先でも、男性にも女性にも、ウケがいいんですよね。

 

WI もうひとつのキーワードだった「フレトー女子(=フレンチトースト女子)」はかなり話題になっていた印象があります。

井亀 そうですね。「フレトー女子」はファッションやライフスタイルも含めた呼び方ですが、わかりやすく言えば、「女の子シンプル」なファッションテイスト。その中にもいろいろあるのですが、春から夏は「甘めカジュアル」が流行りましたね。

「フレトー女子」って、どんな女の子?その魅力を大解剖

WI 夏には「Tシャツ×ぺたんこ」特集ということで、甘めというか、かなりカジュアルに振り切っていたように思うのですが。

井亀 夏は、ファッションよりもアクティビティが優先される季節なんですよね。それに暑いから、おしゃれかどうかよりも楽かどうかなどが重視されて、それこそ夏はファッションアイテムが毎年あまり売れなかったりします。

 

WI ファッションよりもアクティビティ……その後、秋のファッションはどうなるのでしょうか。

井亀 夏にアクティビティ優先になって適当な格好をしたから秋に「ちゃんとしよう」っておしゃれが再燃します(笑)。春と秋に関しては、大抵の子が、おしゃれに気が向くんです。そして冬はブーツやコートが登場して消費が動くんです。

 

WI 2014年始めの冬は、どんなアウターが流行したのでしょうか。

井亀 『CanCam』的にいろいろな研究の結果辿り着いたのは、秋冬は「ファー付きミルクティーコート」。ここ5年くらいの好きなコーディネートに必ず入ってくる鉄板アイテムなんです。あとは、「バニラホワイトショート丈ダッフル」。これは、春先に人気ですね。12月22日発売の『CanCam』2月号は「本当に使えるCanCam的ベーシックはコレ! CanCamかわいいもの事典」と題した特集なので、『CanCam』が考えるそういった鉄板アイテムをそろえて詳しく解説しています。

 

WI それではこの流れで、2014年の『CanCam』読者の流行を教えてください!

井亀 「ぺたんこ靴」「空前のスカートブーム」「生脚ストッキング」「ミニサイズバッグ」「ヘアアクセ」「寒色」「赤リップ」ですね。

 

WI ひとつずつ詳しく解説していただきたいと思います。まずは「ぺたんこ靴」のブームについてお願いします。

井亀 若い子たちの考え方が面白くて、「がんばってヒール靴を履くのはおばさんっぽい」と思っているんです。ヒール靴がスタイル良く見えることは本人たちも理解しているんですけど、ぺたんこ靴のほうが単純に歩きやすいので行動範囲が広がり、自分らしくかわいくいられるので良いそうです。とは言っても日本人って飽きっぽいんで、そのうちまたヒール靴を履くようになるとは思いますけど(笑)。

 

WI 「スカート」については、常に『CanCam』読者に大人気な気がするのですが……。

井亀 この1, 2年の『CanCam』では、誌面での好きなスタイルのアンケートを見ても、ほとんどすべてがスカートやワンピースのコーデ。パンツスタイルが見当たらないんです。それほどスカートやワンピースが大人気でした! これもまた面白くて、若い子たちは「パンツはおばさんっぽい、主婦っぽい」と思うらしいんですよね。最近の若い子って、“おばさんっぽい”と思うポイントがすごく面白いんです。たとえば「生脚を出すのはおばさんっぽい」と思うらしいんです。20人読者を呼べば、20人がストッキングを穿いていますからね!

 

WI え! 若いのに、脚を隠してしまうんですか。

井亀 そうなんです。それこそバブルの時代は、「ストッキングを穿いているなんておばさんっぽい」と言われていて、生脚にヒール靴のスタイルがカッコいい時代でした。でも今はそんな格好をしている子はひとりもいないんです。夏でも。素肌を人様に晒すことが恥ずかしいのだそうです。だから、「生脚見えストッキング」が流行りましたね。きれいに、かつ、素肌っぽく見せてくれるストッキング。

 

WI 脚を隠す傾向があるということは……今年新しく登場した「ミモレ丈」スカートは流行りましたか?

井亀 あくまで『CanCam』読者の反応ですが、「ミモレ丈」はあまり人気がありませんでした。「『ミモレ丈』はモデルしかはけない、『ミモレ丈』はいらない」とまで言われました。長いならマキシのほうが良いらしいです。ちなみに常に人気があるのは、ひざ上10cm、ひざが見えるくらいの丈感ですね。

 

WI ほかに今年流行ったアイテムがあれば教えてください。

井亀 アイテムとしては、ミニバッグとヘアアクセが流行りました。ペーパーレスの加速化でA4サイズの書類を持ち運ぶような子が少なくなって、バッグは小さくなりました。あと人気だったのがヘアアクセ……というかヘッドアクセですね。カチューシャとか。それも、1万円超えするような高いヘアアクセが目立ちました。

 

WI アイテム以外の流行はいかがでしたか?

井亀 色は、寒色がとても流行りました! 特に、水色とラベンダー。大抵鉄板はピンクなんですが、2014年はどこのブランドも寒色が動いたようです。「アナ雪パステル」って呼んでます。メイクに関しては「赤リップ」が爆発的にヒットしました。それこそバブル世代にはベージュや青みピンクなどのリップが流行りましたが、今の若い子たちは「はっきりと色があるのがかわいい!」と思っているようです。モデルは2013年に引き続き山本美月ちゃんが人気で、あとは今年の春、専属になった堀田茜と、今年の夏に入った、まいまい。この3人がダントツです!

CanCam_1501_078

WI さまざまな流行があったわけですが、『CanCam』の特集としてはどんなテーマがヒットしたのでしょうか。

井亀 若い子は「食もカルチャーも全部含めてファッション」という考え方をするので、11月号の「朝食女子」特集は当たりましたね。「フレトー女子」も好評でした。あとは、12月号の「イケメンBOOK」も大好評だったので、要はみんな、食べ物とイケメンが大好きなんですよね(笑)。

 

2014年の流行を具体的に解説していただきましたが、総括すると「甘めカジュアル」が大流行! そして、そんなテイストを好み、ファッションもライフスタイルも自然体で自分らしくいる「フレトー女子」が女の子像として浸透してきました。「甘めカジュアル」人気が続きつつも、まいまいの登場や景気の回復傾向により、秋冬の時点ですでに2015年の流行るだろうテイストの傾向が出てきているそうなのです。

果たしてその流行とは何なのか。2015年の『CanCam』大予想は……2015年1月1日の記事をお楽しみに!(鈴木 梢)

 

★1回目のインタビューはコチラ→CanCam編集長が語る、いまどきの”プチバブル世代”。その正体とは!?

 

【編集長インタビューシリーズ】

※AneCan編集長が語る2014年ファッションの変化「先取ることの難しさ」とは!?

※Oggi編集長が2014年を振り返り。「キーワードは”ネイビー”そして”エフォートレス”」

※ヒット企画連発、Domani編集長が予測する2015年春夏ファッションの行方

※「メンズの2014年は”○○○”一辺倒」MEN’S Prescious編集長インタビュー

※『和樂』編集長が的中させた2014年の大ブーム「○○文化」とは!?

※価値観激変!SAKURA編集長が見た、ママ読者の新トレンド!

※NO.1美容誌『美的』編集長が語る、読者が求める”大人の色っぽさ”とは

 

【昨年(2013年)のインタビューはコチラ】
※2013年を総括!CanCam編集長が考える「かわいい」の現在

※CanCam編集長が語る!2013年の3大キーワードは「黒髪、コミュ力、リア充」

※CanCam編集長が仕掛ける!2014年は「黒髪美少女」と「フレトー女子」の時代!

【あわせて読みたい】

※男性で初めてCanCamの単独表紙を飾ったのは、今も輝くあのスターだった!

※CanCam世代のXmasデータ公開!プレゼントの平均予算は、なんと○○円!

※22歳になったモデル堀田茜、夢はCanCamで〇〇すること!

※ニヤつき必至!CanCam別冊付録『イケメンBOOK♡』の豪華すぎる中身!