断られてもダメージを受けにくい誘い方
どんな人でも、誘って断られるとショックを受けてしまいますよね。自分が否定されているように感じる人もいるでしょう。もしかしたら断れるかも…… という不安を乗り越えて、勇気を出して声をかけるので、なるべくならダメでも傷つきたくないもの。そこで今回は、「断られてもダメージを受けにくい誘い方」をご紹介いたします。
■断られても自分に非がないと言い聞かせて誘う
誘って断られるようなことがあれば、たいていは自分のどこかに問題があり、それが原因で振られたと考えてしまうことが多いと言えます。しかし、心理学者のジェレミー・ニコルソンは、このようなときは「自分を責めてはいけない」と伝えています。なぜなら、相手があなたに興味を持たなかった理由のどれもが、あなたの努力次第でどうにかできるものではないためです。相手はあなたのことをよく知らなかったかもしれませんし、他に予定があったのかもしれません。考えても仕方がないことに頭を悩ませるのは、非生産的なこと。断られても自分には非がないと言い聞かせてから誘えば、ダメージも少ないはず。
■楽観的な気質をつくり上げて誘う
誘う直前にネガティブな考えに取り憑かれていると、誘うまでの時間を鬱々と過ごすことになります。楽観的であることは、お誘いを成功させるために必要な要素ではありますが、断られるかも…… と思うとなかなか気持ちを切り替えるのが難しいですよね。そこでやってみてほしいのが「思考停止法」。気持ちを切り替えるのが難しいなら、一旦止めてみましょう。これはネガティブな考えが頭に浮かんできたら指を鳴らしたり「よし!」など掛け声を出したりして、身体の合図とともにその考えをストップして思考をスイッチする習慣をつけること。これを繰り返しているうちに、心を切り替えるのが上手になり、楽観的に誘うことができるようになるのです。
■プラスの公表効果を用いて誘いの成功率を高める
「どうせ誘っても……」「もう誰も誘わない!」といったネガティブな思考に基づく言葉を口にしていると、自分で言ったその言葉がきっかけでますます悪循環に陥ってしまうもの。逆に、断られても「すぐに次の機会があるでしょ!」と口に出して言っているうちに、本当に新たなチャンスがやってきます。心理学ではこれを“公表効果”と呼びます。誘う直前こそこれを応用することで、目標達成つまりお誘いの成功に近づくことができるのです。
■フレームの変換効果で自己イメージを逆転させる
結果だけに注目するのではなく、フレーム(考え方)を使い分けることで自分の心理を操作するという手法もあります。ミラノ大学のケニー博士は、2種類以上のフレームを有効に使うようにすることで、自分の行動をコントロールすることができるという実験結果を明らかにしました。そのため誘う時には、相手から断られると考えるよりも、さらに素敵なチャンスのために自分が身を引いたと考えることで、あなたの自己イメージを好転させることができるのです。そうして誘えば、怖くなくなるでしょう。
叶うことが難しいものほど、人は欲しくなるという心理傾向があります。これを「ハード・トゥ・ゲット」と言います。こちらから誘って断られるれると、自分にとって相手は手に入れられない存在のように感じられるかもしれません。でも、それは断られたからこそ感じるものであり、実際はどうでしょう。それほど価値あることかどうかはわかりません。むしろ誘って断られることで、あなたはまた誘えるチャンスを手に入れたとも言えるのです。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。
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