「乾燥」は、ほぼ全ての肌トラブルの原因となる怖いもの。ひどい乾燥が続くとかゆみや赤みを引き起こすことも。ここでは、皮膚科医に肌の乾燥の原因や対策、入浴中・後の肌ケア、夏場の肌ケアについて教えてもらいました! また、肌の乾燥対策におすすめのアイテムもご紹介します。肌の乾燥に悩まされているという方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
なぜ肌は乾燥する?その原因や対策
そもそもなぜ肌の乾燥が起きるのでしょうか? 皮膚科医でアンチエイジングドクターの日比野佐和子先生に教えていただきました!
教えてくれたのは…日比野 佐和子(ひびの・さわこ)先生
中医学、ホルモン療法、プラセンタ療法、植物療法(フィトテラピー)、アフェレーシス療法(血液浄化療法)などを専門とする。アンチエイジングの第一人者として国際的に活躍するほか、テレビや雑誌などにも数多く出演。
まずは乾燥肌の原因から。日比野先生によると、年齢と共に肌の乾燥は進んでいくのだそうです。
「肌の水分保持能力は、生まれたときを100%とすると、30歳代で65%、40歳代で半分をきります。つまり、老化とともに皮膚の乾燥は進んでいきます。乾燥肌の人はもともと皮脂量と水分量が少ないのです」
乾燥肌の人の肌はどのような状態で、どのようなリスクがあるのでしょうか。
「乾燥肌は、小ジワができやすく、そのまま放置すると深いシワに変わります。また、このようなシワは皮膚の老化、紫外線予防不足、肌の水分量の低下、マッサージなどの物理的動作などによってもできます。
また、乾燥肌では角質層が破壊されていて、バリア機能がかなり低下していることから、紫外線のダメージも受けやすく、シミもできやすくなります。肌の弾力を保つために、重要な働きを持つコラーゲンも減少しています」
乾燥肌を改善するには
乾燥肌を放置していていいことは何ひとつないようです。乾燥肌を改善するにはどうすればいいのでしょうか? 日比野先生によると、乾燥肌改善には、「1.正しい洗顔」と「2.十分な保湿」のふたつが欠かせないといいます。
1.正しい洗顔
「洗顔時は、体温に近い36度から38度くらいのぬるま湯で優しく洗うことが重要です。温度があまり高すぎると、皮脂を余分に取られてしまうため、乾燥肌がさらに悪化する可能性があります。また、できれば泡タイプの洗顔料を使い、ごしごしとこすり洗いをするのは避けましょう。洗顔後に拭くタオルも、ガーゼの様なキメの細かいタオルで、押さえつけるようにやさしくふき取るのが理想です」
2.保湿
「洗顔後はすぐに保湿します。保湿剤は、肌のハリが気になる方にはセラミド配合、カサカサをすぐにでもなんとかしたい!というときは尿素配合、みずみずしさをもっと出したいという場合はヒアルロン酸配合のものがおすすめです。
清潔にした手のひらに十分な化粧水を取り、肌に押さえつけるにして、しみこませるように、十分にいきわたらせましょう。その後、乳液やクリームを塗って、水分が蒸発しないようにフタをすることが大切です。シワやシミを改善するには、コラーゲンを含むものや、ヒアルロン酸を含むものがおすすめです」
紫外線対策も重要
「紫外線も肌の角質層にダメージを加えて乾燥につながるため、紫外線対策自体が乾燥肌対策につながります。日常のUVケア対策も乾燥肌対策のためには重要です。このとき、UVケアの化粧品も、刺激が少ない、アルコールや防腐剤、鉱物油などが無添加のものを選ぶ必要があります。UVB(紫外線B波)を防ぐ効果指数である『SPF』値は1~50+までありますが、30で十分です。
また、30を超えたUVケア化粧品については、紫外線吸収剤が過剰に含まれるため、肌への負担が強くなります。屋外に長時間いるときにはSPF50+を使用しても良いですが、普段の化粧下地などはSPF30がおすすめです」
入浴中・入浴後の保湿ケアも大切
入浴中や入浴後のスキンケアにはどのようなことに注意すべきか、皮膚科の先生に詳しくお話を伺ってみました。
教えてくれたのは…シロノクリニック銀座 副院長 笠井 美貴子先生
美容クリニックでの豊富な経験を持つ。親身なカウンセリングで肌
ボディタオルの素材・洗い方・お湯の温度が重要!
当たり前のように使っているボディタオルですが、実は乾燥肌の方は使わない方が良いこともあります。
特に、ナイロンタオルなどでゴシゴシ肌を擦ってしまうと、皮脂が落ちすぎて乾燥が強くなってしまったり、背中が肌あれしてしまったり、ニキビの原因にもなる可能性があります。ボディソープや石鹸をよく泡立て、泡で優しく肌をなでるようにして洗うのが基本。ボディタオルは肌の刺激とならないようなものを選ぶようにしましょう。また、最近では保湿成分の入ったボディソープなども数多く出ています。セラミドなどの保湿成分の入ったものを選ぶようにしてみましょう。
シャワーの温度も冬は少し冷たく感じるかもしれませんが、38度くらいと熱すぎないのがおすすめです。
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入浴後の水のシャワー&できるだけ早く保湿はウソ!?
熱すぎる温度での入浴は必要以上の皮脂を落としてしまうのでぬるめの温度38度くらいの入浴がおすすめです。冷水でも乾燥が増悪することがわかってきているので冷水シャワーなどは必要ありません。
入浴後はボディクリームなどを塗りましょう。以前は入浴後、できるだけ早く保湿したほうが良いとされていましたが、実際は時間はあまり関係ないことがわかってきました。ただ習慣づける意味では入浴後の保湿がいいでしょう。できるだけ早くなどと焦る必要はないということです。乾燥を感じる前に保湿できれば問題ありません。
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保湿のタイミングはいつでもOK!1日2回は保湿して!
肌の乾燥を防ぐには、ボディクリームをこまめに塗ることと必要以上に皮膚をこすらないことに限ります。クリームなどの保湿剤を塗るタイミングは問いません。乾燥を感じる前に塗るのがポイントです。また、一般的
保湿は基本的に、1日1回という方がほとんどだと思いますが、乾燥が気になる季節は1日2回くらいクリームやオイルなどを塗ることを目標にしてみましょう。
夏も手抜きはNG!ベタつきの原因は「隠れ乾燥」
空気が乾燥する冬は乾燥対策をしている人も多いと思いますが、実は夏の肌トラブルにも乾燥が関係しているのだとか。美容皮膚科医の貴子先生に聞いてみました。
教えてくれたのは…美容皮膚科医 貴子先生
日本形成外科学会認定専門医 帝京大学医学部卒業
京都大学付属病院など大学病院を経て、 都内美容外科クリニック院長など歴任。日本形成外科学会認定専門医の知識を活かして正しい美容医療を行う。
夏の肌のベタつきは、実は「肌の乾燥」が根本的な原因のようです。
「夏は保湿ケアをすると余計ベタつきを感じるため控えめにしているという人も多いですが、実はその行為が『夏の隠れ乾燥肌』を生んでしまっています。夏の方がエアコンによる室内の乾燥に加え『冷え』を原因とした代謝の低下により肌の乾燥が生じやすくなります。さらに、夏場は気温が高く、汗が出るため肌がしっとりしていると勘違いしてスキンケアがおざなりになりやすいことや、たくさん汗を流すことによって肌の水分や保湿成分が一緒に流れ落ちてしまうこと、冬と比較して紫外線が強くなることなど、様々な原因で実は乾燥というダメージを受けやすくなっているのです。
加えて、夏の乾燥によって引き起こされるトラブルとして1番注意したいのが『ターンオーバーの低下』です。メラニンができやすい夏場に肌のターンオーバーが低下すると、秋冬にくすみやシミができやすくなります。夏の間にダメージを回復させる保湿ケアをしておけば抑えられるので、エイジングケアのためにも夏場の保湿ケアが重要です」
夏は発汗後のケアが重要!
貴子先生に聞いた「発汗後におすすめな夏の肌ケア」はこちら。
肌に化粧水を浸透させる
汗には体温を調整する役割がありますが、汗が蒸発すると肌の潤いまで奪われてしまいます。その上、乾燥してしまった肌に、汗に含まれる塩分や尿素、雑菌などが浸入すると様々な肌トラブルが起こりやすくなります。そのため、しっかりと汗を拭いてから、乾燥を防ぐために肌に化粧水を浸透させることが大切です。そして、化粧水の後は必ず乳液などの油分でフタをする、また、日焼け止めで紫外線ダメージを回避するといったケアも効果的です。
保湿ケアでメイク崩れを防止
夏は化粧崩れに悩む人も多いと思います。化粧崩れを防ぐにはしっかりとした「保湿ケア」が重要です。皮脂は肌を外部刺激から守ったり水分の蒸発を防いだりしていますが、多量に分泌されるとお化粧崩れの原因になり得ます。肌が乾燥すると、肌を外部刺激から守るために皮脂が過剰に分泌されますので、保湿をして事前に皮脂や汗の過剰分泌を防止することがメイク崩れの防止につながります。夏は化粧水ミストを活用するのも効果的です。
週1~2でディープクレンジング
汗でドロドロになったメイクは1回のクレンジングだけでは落ちにくいため、夏のクレンジングはとても重要です。また、夏は皮脂の分泌量が増えますが、余分な皮脂が肌に残ると、皮脂が酸化して肌荒れや毛穴の黒ずみ、肌の炎症などの原因になりかねません。そこで、週に1~2回はスチーマーなどを活用しながらディープクレンジングを行い、日々のスキンケアにおいても角質層まで浸透させる保湿ケアを行うことが「夏の隠れ乾燥肌」を防ぎ、美肌を目指すためには欠かせないお手入れ方法です。
乾燥対策におすすめのスキンケアアイテム
ちふれ 保湿化粧水 しっとりタイプ
ちふれ 保湿乳液
ちふれ 保湿クリーム
性別・年齢問わず幅広い層から支持され続ける、ちふれのロングセラースキンケア「保湿シリーズ」。使用感のタイプも豊富で、好みや季節によって使い分けできるのも嬉しい♡ 水分を「たくわえる」、「かかえこむ」、「とじこめる」という、肌のうるおいメカニズムと同じ3要素に着目した新処方を採用。肌に溶け込むような心地よさでじんわり角層へ浸透し、しっかりとうるおいを感じる肌に仕上げます。
資生堂・アクアレーベル スペシャルジェルクリーム N (モイスト)
オールインワン市場で圧倒的な人気を誇るスキンケアブランド「アクアレーベル」、9年連続売上No.1*の「スペシャルジェルクリーム」。こちらは、資生堂の創業150周年を記念した限定パッケージで30%増量タイプ。
*インテージ SRI,SRI+ セルフオールインワンスキンケア市場(洗顔・メーク落とし除く)2013 年 1 月~2021 年 12 月 推計販売規模(金額) ブラ ンドランキング
1品5機能で、エステのような心地良さをもたらすオールインワンジェルクリーム。シリーズ内最高濃度コラーゲンGLを配合した高保湿タイプ。みずみずしい感触で素早く浸透して、ベタつきのないしっとり感が長続きします。しっかりうるおい補給したい時には、たっぷり重ねてマスクとして使うのもオススメ。
フーミー モイストバーム
センシティブ肌のためのしっとり保湿バームクリーム。約20種類の美容保湿成分配合し、ミネラル成分で肌あれの要因である炎症を抑えます。紫外線吸収剤、合成色素、動物由来成分、石油系界面活性剤、パラベン、アルコール、香料を使用しない、6つの無添加処方。これなら毎日使うのにも安心!スキンケアの最後に塗ることでうるおいを密閉。お肌の水分蒸発を防ぎ、乾燥が気になる肌をみずみずしくキープします。
イプサ ザ・タイムR アクアオイル
イプサのベストセラー化粧水「ザ・タイムR アクア」から誕生した、マルチに使える全身用オイル状美容液。オイル状なのに、まるで化粧水のようなみずみずしいテクスチャー。肌にすーっと浸透してベタつきません。肌表面に人工的な水の層をつくることで、角層を水分で満たし、うるおいを蒸発させずに抱え込みます。ボディだけでなく、髪、手、爪、顔など全身マルチに使えます。
ByUR(バイユア)スキニークリームマスク3種
「毛穴管理」に着目した韓国生まれのナチュラルコスメブランド、ByUR(バイユア)のシートマスクは、クリーム約1個分に相当する30mlをたっぷり含ませた贅沢なマスク。水分と油分をバランス良く配合しているので、パックしただけでも、トナーと乳液で整えたような高保湿を叶えてくれます。忙しい時はこれだけでスキンケアを完結させてもOK。時短としても頼れる逸品です。
ゆるみ毛穴・乾燥ハリ不足が気になる肌のための「プランプハニー」。皮脂毛穴・ベタつくゆらぎ肌のための「スージンググリーン」。カサカサ毛穴・乾燥くすみ肌を明るくする「ビタルーセント」。3種類から、その時の肌状態に合わせて使い分けしてみて。
乾燥対策におすすめの保湿クリーム
花王・キュレル バスタイム モイストバリアクリーム
入浴直後から乾燥を感じるお肌のための、お風呂場でぬれたままの肌に使える薬用クリーム。タオルでふいても取れにくく、お風呂場を出た時から、しっとり保湿されたなめらか肌を叶えます。肌荒れを防ぐ消炎剤、セラミド機能成分を配合した濃密クリーム。濡れた肌にピタッと密着し、水分を与えて閉じこめます。ベタつきがないので使いやすく、お子様からお年寄りまで家族みんなでシェアできるのも嬉しい♡
RMK Wトリートメント オイルインクリーム
数種類のオイルをたっぷり抱え込んだオイルインクリーム。うるおい成分とエモリエント成分のこだわりのふたつの保湿力を、独自のブレンドでバランスよく配合。肌を保護しながら、うるおい、ハリツヤのある肌へと導きます。肌の上で水分の蒸発を防ぐモイストラッピング処方でうるおいを閉じ込めて、ふっくらやわらかい弾力感のある肌に。オイルがじわっと溶け出す感触は、心地よくってとろけそう♡
資生堂インターナショナル・d プログラム バイタライジングクリーム
敏感肌特有のハリ低下に着目した薬用エイジングケア クリーム。敏感肌研究50年のd プログラムは、誰の肌にも存在し、美しい肌の鍵である「美肌菌」に着目。ハリ保湿成分を厳選配合し、ハリ低下の要因にアプローチします。抗肌あれ有効成分で肌あれを防ぎ、美白有効成分 m-トラネキサム酸でメラニンの生成を抑制しシミ・そばかすを予防。低刺激設計でありながら、本格的なエイジングケアを叶えてくれます。
アドバンスド クリニカルズ レチノールクリーム
ラストは、CanCam.jp美容ライターおすすめのクリームをご紹介!
「美容系インスタグラマーが紹介していた、“アドバンスド クリニカルズ”のレチノールクリームがおすすめ。オーガニックコスメやサプリなどが揃うアメリカの通販サイト“iHerb”の人気商品なのですが、常に完売でなかなか入荷されず…たまたま見つけた楽天サイトで購入しました。
レチノールとはビタミンAの一種で、ヒアルロン酸やコラーゲンの生成を助けて、肌の水分量を高めてくれるエイジングケアに必須の成分。ハリ感がUPしたり、シワを改善したり、シミ予防やニキビケアにも効くと言われてます。このクリームは、顔・首・体など全身に使ってOKで、私は主に体に使っていますが、塗ると肌の質感がふわっふわに♡ 個人的には肌色もワントーン上がるような気がして、使用感もいいので気に入っています。
こっくりとしたテクスチャーで保湿力はあるものの、オイルやボディクリームと混ぜて自分好みにアレンジして使っても◎。ただ、レチノールの注意点として、中には肌に赤みが出たり、火傷をしたような状態になってしまう人もいるため、パッチテストのように少しずつ肌の様子を見ながら使うのがおすすめです。あと、塗ったあとは肌の角質がはがれてノーガード状態になるので、必ず日焼け対策はするように! 私は朝は塗らず、夜だけ塗るようにしています。(CanCam.jp美容ライター齋藤奈々)
※ご紹介した内容は2022年10月30日現在のものです。時期によっては、お取扱いが終了している商品もございます。
※取材にご協力いただいた方の肩書等は取材時点のものです。