おこもり中に美肌になりたい♡皮膚科医に聞いた、乾燥肌の原因と対策の基本

うるおい美肌になりたい♡皮膚科医に聞いた、乾燥肌の原因と対策の基本


スキンケア

肌の悩みとして、一年中気になるのが乾燥。そもそもなぜ乾燥が起きるのでしょうか? 皮膚科医でアンチエイジングドクターの日比野佐和子先生に、乾燥肌の原因と対策を教えていただきました。
日比野先生は、自宅で美容医療さながらのケアを行う「おうち美容医療」も推奨している医師でもあります。そこで、おうちでできる乾燥肌におすすめの美容医療さながらのケア方法についても教えていただきました。

■乾燥肌の原因は?


まずは乾燥肌の原因から。日比野先生によると、年齢と共に肌の乾燥は進んでいくのだそうです。

「肌の水分保持能力は、生まれたときを100%とすると、30歳代で65%、40歳代で半分をきります。つまり、老化ともに皮膚の乾燥は進んでいきます。乾燥肌の人はもともと皮脂量と水分量が少ないのです」

乾燥肌の人の肌はどのような状態で、どのようなリスクがあるのでしょうか。

「乾燥肌は、小ジワができやすく、そのまま放置すると深いシワに変わります。また、このようなシワは皮膚の老化、紫外線予防不足、肌の水分量の低下、マッサージなどの物理的動作などによってもできます。

また、乾燥肌では角質層が破壊されていて、バリア機能がかなり低下していることから、紫外線のダメージも受けやすく、シミもできやすくなります。肌の弾力を保つために、重要な働きを持つコラーゲンも減少しています」

■乾燥肌を改善するには


乾燥肌は、放置していていいことは何ひとつないようです。乾燥肌を改善するにはどうすればいいのでしょうか? 日比野先生によると、乾燥肌改善には、「1.正しい洗顔」と「2.十分な保湿」の2つが欠かせないといいます。

洗顔
(c)Shutterstock.com

1.正しい洗顔

「洗顔時は、体温に近い36度から38度くらいのぬるま湯で優しく洗うことが重要です。温度があまり高すぎると、皮脂を余分に取られてしまうため、乾燥肌がさらに悪化する可能性があります。また、できれば泡タイプの洗顔料を使い、ごしごしとこすり洗いをするのは避けましょう。洗顔後に拭くタオルも、ガーゼの様なキメの細かいタオルで、押さえつけるようにやさしくふき取るのが理想です」

2.保湿

「洗顔後はすぐに保湿します。保湿剤は、肌のハリが気になる方にはセラミド配合、カサカサをすぐにでもなんとかしたい!というときは尿素配合、みずみずしさをもっと出したいという場合はヒアルロン酸配合のものがおすすめです。
清潔にした手のひらに十分な化粧水を取り、肌に押さえつけるにして、しみこませるように、十分にいきわたらせましょう。その後、乳液やクリームを塗って、水分が蒸発しないようにフタをすることが大切です。シワやシミを改善するには、コラーゲンを含むものや、ヒアルロン酸を含むものがおすすめです」

●紫外線対策も重要

「紫外線も肌の角質層にダメージを加えて乾燥につながるため、紫外線対策自体が乾燥肌対策につながります。日常のUVケア対策も乾燥肌対策のためには重要です。このとき、UVケアの化粧品も、刺激が少ない、アルコールや防腐剤、鉱物油などが無添加のものを選ぶ必要があります。UVB(紫外線B波)を防ぐ効果指数である『SPF』値は1~50+までありますが、30で十分です。
また、30を超えたUVケア化粧品については、紫外線吸収剤が過剰に含まれるため、肌への負担が強くなります。屋外に長時間いるときにはSPF50+を使用しても良いですが、普段の化粧下地などはSPF30がおすすめです」

■外出しなくてもOK!「おうち美容医療」が当たり前になる日がくる?


近年、美容医療を受けることについての抵抗がなくなってきている背景もあり、日比野先生は将来的に、人々が自宅で美容医療が行えるようになるよう、働きかけています。

実際、最近では美容医療で使われる美容成分を含む化粧品もぞくぞくと開発されており、そうした化粧品を通して、今後「おうち美容医療」が実現するのではないかと述べています。

外出を控えたい今、自宅でおこもりしていても美容医療ができる……って気になりますよね。もし乾燥肌を「おうち美容医療」でケアするなら、どんな方法があるのでしょうか?

●イオン導入機による美容成分の導入

「保湿ケアとして、加湿器を使いながら、イオン導入機を使った美容成分を導入する方法があります。もちろん同時に、基本となる化粧水、美容液、保湿目的の美容クリームによるケアもしっかり行うことが重要です。肌の状態を整えるためにも、保湿成分を含む洗顔料で正しい洗顔を行うことも必要です」

●「マイクロニードルパッチ」の利用

「美容皮膚科のヒアルロン酸注射など、肌の奥まで効率よく保湿効果を届けるテクニックに似たことができる『マイクロニードルパッチ』も、近年では浸透してきていますね。
これは、ヒアルロン酸をニードル状に固めたものがパッチになっていて、それを目元やほうれい線に貼って、一晩過ごすようなものです。肌表面に塗るだけよりも即効性が期待でき、力強くうるおわせてくれると感じる方も多いのではないでしょうか。
マイクロニードルパッチはいろいろなブランドから発売されていますが、例えば資生堂『NAVISION』のマイクロニードル技術搭載の『HAフィルパッチ』などは、ドクターズコスメを医療機関で展開しているブランドが手掛けているということもあり、高い機能や安全性に期待ができるので安心です」

●防腐剤の少ない化粧品の使用

「乾燥肌において、化粧品はできるだけ防腐剤の含まれていないものを使用することが重要です。その点では、美容医療クラスの化粧品は防腐剤が少ないです。いまは信頼できるブランドの、自宅でできる美容医療クラスの化粧品が多様に発売されています。
皮膚科クリニックでも処方されているものがメーカーの通販サイトで購入できるようにもなってきているので、安心のブランドで選んでください」

すでに美容医療クラスの化粧品が市販されていると聞くと、おうち美容医療が浸透する日は、そう遠くないのかもしれませんね。

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乾燥肌は、基本的に正しい洗顔と保湿を心がけ、紫外線対策を徹底して行うことが大事だとわかりました。また、加湿器やイオン導入、美容医療クラスの化粧品などを用いて、自宅で美容医療さながらのケアを行うのも視野に入れてみるのもいいのではないでしょうか。

教えてくれた人…日比野 佐和子(ひびの・さわこ)先生
日比野先生

医療法人康梓会Y’sサイエンスクリニック広尾統括院長、大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学特任准教授、医学博士。内科医、皮膚科医、眼科医、アンチエイジングドクター(日本抗加齢医学会専門医)。同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、森ノ宮医療大学保健医療学部准教授、(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部アンチエイジング医科学研究室室長などを歴任。
中医学、ホルモン療法、プラセンタ療法、植物療法(フィトテラピー)、アフェレーシス療法(血液浄化療法)などを専門とする。アンチエイジングの第一人者として国際的に活躍するほか、テレビや雑誌などにも数多く出演。

 

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