【ダイエット講師・松田リエさん監修】ダイエットを始める前にすべき3つのステップ
食事とメンタルの間には、切っても切れない関係があるもの。極端な食事制限や栄養が偏った食生活を続けると、体調もメンタルも不安定になり、かえってやせにくい体になってしまう可能性大。ダイエットを成功させるためには、まず「目標設定」を正しく行うことが大切です!
ここでは、看護師、保健師をへて2016年からダイエット指導の活動をはじめ、のべ3,000人以上の食事指導をしてきた松田リエさんの書籍『食べるほど人生が変わるずぼらダイエット 瞬食マインドで自分嫌いを卒業』(小学館)より、「ダイエットを始める前の『目標設定』3ステップ」について一部抜粋してご紹介します。
Contents
ダイエットの究極の目的は…失われた「本来の自分」を取り戻すこと
食事改善によって得られる最大のメリットは「本来の自分を取り戻せること」。体重や外見だけでなく、性格、日々の気分、集中力、充実感、未来の可能性……人生のすべてに関わってきます。
では、自分を取り戻すとはどういうことなのか。たとえばスポーツの場合、その人が何らかの理由で5kg体脂肪が増えたら前と同じようにパフォーマンスができなくなり、逆に5kg減ってもスタミナやパワーに問題がでてきますよね。
このように、元々もっているポテンシャルを最大限に引き出すためには、体がその人本来の状態でなければなりません。体の材料となっているのは食事だけ。そのために、食事内容のコントロールが必要なのです。
幸せホルモン=セロトニンは食べることで得られる
“幸せホルモン”と呼ばれる脳内物質「セロトニン」は、食事でとったたんぱく質やビタミンB群・ミネラルなどを材料に体内で作られるもの。そしてセロトニンは、体内でさらに変換されて睡眠を司るホルモン「メラトニン」へと変わり、睡眠の質が向上することで翌日の集中力やパフォーマンスが上がるといった嬉しい効果も◎。
つまり、食事を材料にホルモンがお互いに影響し合いながら、集中力・脳のクリアさ・幸福感……といった脳やメンタルの状態を整えてくれるのです。
日中の眠気・イライラの原因は「血糖値の乱高下」
「いつも眠い」「体が疲れやすい」とモチベーションが上がらない人は、血糖値の乱高下が原因の可能性大。たとえば、食事をガマンしてお腹を空かせていたものの、耐えられずお菓子をつまんでしまうことってありませんか?
空腹なときにお菓子をつまむと、血糖値が上がって手っ取り早く脳が満たされます。でも、急激に血糖値が上がると眠くなったりボーっとしたりすることも。その後「インシュリン」というホルモンが分泌されて血糖値は下がりますが、今度は空腹感に襲われて、元気がなくなったりイライラしがちに。
こういった血糖値の急激な乱高下=「血糖値スパイク」と呼ばれる状態が1日のうちに何度も起きるような生活をしていれば、血管の老化を早めたり、眠くてモチベが上がらなくなったりします。性格やメンタルといった内面的なものも、食事によって大きく変わるのです。
ストレスがたまるほど“ニセの食欲”に襲われてしまう!
メンタルが落ちたりストレスを感じたりすると、むやみに食欲がわいたり、強烈に甘いものやジャンクフードを食べたくなりませんか? これは、ストレスを受けてツライ思いをしている脳が“報酬”を求めているんです。
ダイエットにおいても、たとえば…
・カロリーを控える
・食べる量を減らす
・1日に1~2食しか食べない
こういったガマンを強いたり偏ったりする食べ方は、最初はなんとかできていても、あるときを境にストレスが爆発! むさぼり食いが抑えられない! とくに甘いものは薬物以上に幸福感を与える効果があるともいわれているので、自分の意志ではコントロール不能になりがち。ダイエットの沼に落ちている人の多くが、間違った食事管理でストレスを溜める→食欲を暴走させる……といった悪のスパイラルに陥っています。
ダイエットは本来、ツラいものではない
ダイエットを“ダメな自分に与える罰”や“ツラいもの”“ガマンして耐えるもの”と捉えてしまっている人は、その思い込みを捨てるために2つのことを心に留めましょう。
【1】 ダイエットは自分を幸せにするために行うもの
本来ダイエットは、余分な脂肪がとれ、機能的で美しい体が手に入ることを嬉しい、と感じるべきなんです。そのために行う食事改善は、未来の自分へと送るギフト。すればするほど体が喜ぶ、それが正しいダイエットです。
◆体の不調と目指したい体
・太りやすい体質→代謝がよくて太りにくい体へ
・疲れやすい→エネルギーにあふれていて元気な体へ
・体が重い→スッキリとして爽快な毎日へ
・すぐにイライラ、クヨクヨする→メンタルが安定している状態へ
【2】 ダイエットは一生続けるもの
ダイエットに取り組むとき、ついつい「1か月で○kgやせる」「3か月先の○○に間に合わせる」など期間限定で物事を考えがち。でも、リバウンドせずに理想の体をキープしたいのならば、一度始めたら一生続ける覚悟が必要。そうなると、断食や過激な食事制限といった手段は選べないですよね。
人は楽しいことや嬉しいことしか続けられない。だから、きちんと食べて栄養をとる食事改善がおすすめ! 自分を喜ばせるために行えば(【1】)、楽しくてずっと続けられ、一生リバウンドしないでいられるのです(【2】)。
【実践】どんな自分を目指したい?ダイエットを始める前の3ステップ
ダイエットを始めようと決断したら、まずは「理想の体型になったあとにやってみたいこと」をなるべく具体的にイメージしてみましょう。
・どんなライフスタイルを贈りたい? そのとき側にいるのは誰?
・どんなファッションをしたい? 髪型、靴、アクセサリーは?
・どんなことが好き? 何に夢中になっている? 旅行? 習いごと?
ファッション、行きたい旅先、理想のインテリアなどはInstagramやPintarestなどを使って、好きなビジュアルを一覧で見れるようにするのがおすすめ。これが思い描けたら、次の3つの順番で「①目的→②目標→③行動」を言葉にしていきます。
①「目的」を決める
Q1.何のためにダイエットをしたいの?(目的はいくつあってもOK)
(例)
・スリムな体でおしゃれを楽しみたい
・旅先のプールでビキニを着たい
・健康で元気な体になりたい
・キレイな人でいたい、見た目のことで引け目を感じたくない
・いつも怒ったり、人を恨んだりすることをやめたい
・自分に自信をつけて婚活を始めたい
・夫婦関係を改善したい
将来なりたい自分、理想の状態を思いつくままにノートやスマホのメモ帳に書き出してみましょう。
「人間関係をよくしたい」「引っ込み思案な性格を直したい」「イライラ・クヨクヨしない人になりたい」など一見ダイエットと関係のないことでも大丈夫。その悩みの原因を深く考えていくと、「自信をもちたい→そのためには外見を磨く」「メンタルを安定させたい→そのために血糖値が乱高下しない食生活をする」など、実は食生活の改善で解決できる道筋が見えてきます。
②目的に届くための「目標=ゴール」を定める
Q2.そのためには、いつまでに何キロやせたい?(目標は、数字やサイズで表す)
・1年後に10kg減
・次の春シーズンまでにウエスト○cmになってMサイズの服を着る
・1年後までに、フルタイムで働けるくらい元気な体になる
\★目安は「1か月-1㎏」で充分。12か月続けたら…-12kg!/
短期間で急激に体重を落とすと、体が餓死状態だと判断して、失われたものを取り戻そうと“太らせる方向”へと体をコントロールしてしまうリスクが伴います。なので目安としては、1か月に体重の3%以下までの変化に抑えると◎。たとえば体重50kgの人はら、1か月で1~1.5kgくらいが目標数値。
③目標達成のための「行動目標」を立てる
Q3.そのためには、今から何をする?
・1日3食、バランスよく食べる
・間食をやめる
・主菜でたんぱく質を、副菜で野菜や海藻をたっぷりとる
・シンプルな味付けで、加工された調味料は使わない
何をするか決めたら、数週間ごとにチェックしてゴールに近づいているのか確認! 成果が出ていない場合は、その方法が自分に合っていないor行動が足りていないので、やり方を見直して。
詳しいダイエット方法が気になる方は、書籍も合わせてチェックしてみてくださいね。
看護師・保健師・ダイエット講師。Belle Life Style協会代表理事。看護師としてがん患者のケアを担当後、保健師として成人の健康教育、メタボリックシンドロームや糖尿病患者への保健指導を経験。自身も食事改善を行い、運動をせず自然に12kgのダイエットに成功。その経験から食べやせダイエット専門講師として起業し、誰でもすぐに取り入れられる食事メソッドを発信。YouTubeチャンネル登録者数は12万人を超え、Amebaダイエットブログなど、SNSでも活躍中。著書『ずぼら瞬食ダイエット』(小学館)、『やせ調味料ダイエット』(マガジンハウス)など数々のヒット本も生み出している。
Instagram:matsuda_rie8