日本はもちろん、全世界で熱狂的な人気を誇るブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』が、2025年春、日本に帰ってきます!
経営不振に陥った老舗の靴工場の跡取り息子・チャーリーが、ドラァグクイーンのローラに出会い、差別や偏見を捨て、ドラァグクイーン専門のブーツ工場として再生される物語。愛とハッピーに満ち溢れた『キンキーブーツ』ワールドは人気を集め、日本ではこれまで、2016年、2019年、2022年に上演され、チケットは全公演即日ソールドアウト。
4度目の上演となる今回は、メインキャストがほぼ一新。チャーリー、ローラ、ローレンの主要3役がWキャストになり、オーディションで選ばれた、これからの日本のミュージカルシーンを担う実力派俳優が集結しました。
今回は、チャーリーを演じる東 啓介さん・有澤樟太郎さん、ローラを演じる甲斐翔真さん・松下優也さんのスペシャルインタビューをお届けします。
言葉にできない何か、を表現したい
―キャストのみなさん、それぞれ『キンキーブーツ』を何かしらの意味で「憧れの作品」だと思っていたとうかがいました。改めて、今回自分がキャストに選ばれたときの心情を教えてください。
東さん 僕が最初にこの舞台を観たのは、実は韓国です。言語がわからなくても、歌やストーリーの素晴らしさを体感して、「いつかこの作品に出たい!」と思っていたので、チャーリーという役を自分ができると思うと嬉しくて。先日、改めて台本をすべて読み、魅力をより感じることができたので、これから作り上げていけるのが楽しみです。
有澤さん 僕も客席で観たとき「日本で、そして世界中にこの作品を愛している人がたくさんいる理由」を痛感したほど素晴らしい作品。そして、お客さんはもちろんなんですが、演じるキャストがこの作品を愛している力をポジティブなエネルギーにして、観客の僕らに突きつけているような…。歌、お芝居といろんな要素がありますが、何より、言葉にできない何か…心から湧き出るパッションのようなものが、なんて素敵な作品なんだと。それを表現すべく、頑張りたいです。
甲斐さん 『キンキーブーツ』は、歴史あるミュージカルでありながら、ポップで、ショー要素もたくさんあって見やすい、それでいてテーマも今の時代に刺さると、バランスの取れた非常にいい作品。日本の初演から毎回、いち観客、いちミュージカルファンとして観ていた特別な作品で、自分が出させてもらえる機会に恵まれるなんて、夢にも思っていませんでした。だからこそ、いち観客としての視点は忘れずに、自分なりのローラを作っていけたらいいな、と思っています。
松下さん 翔真くんと同じように、自分が出演するなんて夢にも思っていなかった舞台。自分がローラを演じると決まってから、さらに憧れの対象になったように思います。作品自体が持っているパワーと、描かれているローラの繊細さ、大胆さ、ユーモア…ローラの表現ができたら、新たな自分を発見できる気がしています。
「好きだからこそ、手が出せない」オーディションへの迷い
―皆さんオーディションで選ばれたとのことですが、オーディションのときの裏話などがあれば教えてください。
東さん チャーリーのオーディションは日本版演出協力の岸谷さんがいらして、稽古の一部のような感じで歌とお芝居をやり、それをビデオカメラで撮っていました。相手役のローラを演じてくださる方もいたので、すでに一緒に作品を作るような雰囲気でオーディションを受けることができ、とても楽しかったです。
有澤さん そうそう、歌唱とお芝居の審査で。印象的だったのは「服装は、チャーリーを意識したもの」という指定があって「チャーリーっぽい服、持ってないな…あまりカチッとキメすぎるのも違うかな…」といろいろ考えた結果、少しリクルートっぽいシャツとパンツを買っていきました。役を想像して服を選ぶ準備からオーディションが始まるのは初めてで。そして靴にまつわる舞台なので、自分がいちばん大事にしている靴を履いて、オーディションに挑みました。
甲斐さん 僕は…ローラのオーディションを受けないかとお話をいただいたとき、まず正直迷いました。好きだからこそ、手を出せないものってあるじゃないですか? 今まで僕は、やりたいことは「やりたい!」と言って、言霊で役を掴んできたこともあるんですが、今回に限っては…初演から観ていたファン心理のようなものもあって(笑)、自分でブレーキをかけていました。これまでローラを演じてきた(三浦)春馬くんも、(城田)優さんも素晴らしく、「これは、自分にはできない。僕の引き出しにはない」と思っていました。だからお話をいただいて「好きだから、この作品を裏切れない、崩したくない」と。でも、役についてディスカッションを重ねて、「万が一自分がローラを任せていただくことになったら、どうする」ということが自分の中で整理がついて。そこで受けさせていただいたらチャンスをいただけたので、今は迷いなく「やってやろう」という気持ちです。
松下さん 僕もオーディションどうですかとお話をいただいたときは驚いて、悩みました。日本でも世界でも人気で、ミュージカルに詳しくない方でも聞いたことがある作品。相当覚悟を持ってやらないといけない、簡単に「一回受けてみます」と言うのも失礼かなと考え、周囲にも相談すると「合っていると思うから、絶対に受けたほうがいい」と言われて、受けると決めました。
Wキャストはタイプが違う人が相方だからこそ面白い
―オーディションを経て、4人が決まり…Wキャストを演じるのがお互いだと知ったとき、どう思いましたか?
東さん 2022年に『ジャージー・ボーイズ』で、同じボブ・ゴーディオ役を演じたので「同じ役を演じる人なんだ、そういう星なんだな」というのも思いましたし、「やっぱり!?」という感じはあったかもしれません。
有澤さん 僕はあまり驚きはなかったです。でも、チャーリーで一緒になるとは思っていなかった。ボブはわかるけど、お互いにまだチャーリーの要素はまだこれからだと思っているので。
東さん Wキャストって、バチバチなライバルっぽくなる人もいれば、寄り添い合って自分に足りないものを相方から吸収することもあるし、人によって違うと思います。でもやっぱり僕たちふたりは、前に同じ役を一緒に作り上げていたこともあるので、今回も楽しみながら切磋琢磨していけるんじゃないかと。
有澤さん 前回は実はまったく別のスケジュールで稽古をしていて、稽古中に会うことがなかったけれど、今回は同じスケジュールで進行していくんじゃないかなと思うので、そこもどんな感じになるのか楽しみです。
―ローラを演じる甲斐さん&松下さんコンビはいかがでしょうか?
松下さん 翔真くんといえば、「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」も観に行かせてもらって、これからの日本のミュージカル界を引っ張っていくニュースター。そんな人がキンキーブーツのローラを演じることがまずインパクトがあるし、もうひとりが翔真くんだと知って「やっぱり、こういう人来るよね、なるほどね」と納得。今回の4人はそれぞれ個性もタイプも違うけど、Wキャストは絶対そのほうが面白い。以前、『ジョジョの奇妙な冒険 ファントム・ブラッド』で、(有澤)樟太郎とWキャストをやらせてもらったときもお互いが持ってるものがまったく違って、そういう人同士がWキャストを演じると、強い。楽しみになりました。
甲斐さん ハンサムライブで共演させていただいたときに「ひとりだけ、振りが違うんじゃないか?」と思うくらい体の使い方が素晴らしくて、「体を利かせるってこういうことなんだ」と思ったので、何より、ダンス習おうと思いましたね…。この機会に体の使い方を教えていただこう、くらいの感じで、ライバルと思うのもおこがましいというか…。
松下さん いやいや、お互い様! 自分の場合は稽古場でいちばんコミュニケーションを取るのはWキャストの人だし、Wキャストだと自分に持っていないものをお互いに見せ合って、いいところを取り合って、お互いにより良くしていけるから「2倍良くできる」と思いながら取り組んでいきたい、チームのような気持ちがあります。
自分が楽しまなければ、お客さんが楽しめるはずがない
―稽古スタートなどはこれからかと思いますが、演じるにあたり、このような努力を積み重ねていきたいなどありましたら教えてください。
東さん 『キンキーブーツ』はエネルギッシュな曲が多いので、歌を強化したいと思い、歌のトレーニングを続けています。改めて、頑張ります。
有澤さん チャーリーは、自分にも人にもまっすぐぶつかっていくタフな役なので、まずは体力が大事。そして自分自身の言葉にできないパッションなようなものをひとつひとつ大事にして、最後まで演じきれたらいいな、と思っています。
甲斐さん 楽しむ。そこに尽きます。自分が楽しまなければお客さんが楽しめるはずがない、と思っています。そして、自分が楽しめているということは、自分が納得できる状態に持っていけていること。だからこそ、楽しむためにはいろんな準備が必要。ローラを演じ切るべく、積み重ねていきます。
松下さん 僕も同じく、楽しむこと、そしてそのための準備。何よりいちばんは体調管理ですが、もうひとつ大事にしているのは「深く考えすぎない」こと。舞台は、稽古も本番も、毎日のように役と作品に向き合います。毎日やっていると、切羽詰まってくるタイミングが誰しも絶対に訪れると言っていい。だからこそ、考えすぎず、楽しむことを大切にやっていきたいです。
◆読者の方へのメッセージをお願いします!
<東さん>
<有澤さん>
<甲斐さん>
<松下さん>
『キンキーブーツ』東京公演のチケット一般発売日は1月11日(土)のAM10時。気になる方はぜひお早めにチェックしてくださいね!
東京公演:東急シアターオーブ
2025年4月27日(日)~5月18日(日)
大阪公演:オリックス劇場
2025年5月26日(月)~6月8日(日)
【東京公演チケット販売情報】
≪チケット一般発売日≫2025年1月11日(土)AM10:00~
≪チケット料金≫
【平日】S席:15,000円/A席:12,000円/B席:8,000円
【土日祝】S席:16,000円/A席:12,500円/B席:8,500円(全席指定・税込)
【大阪公演チケット販売情報】
≪チケット一般発売日≫ 2025年2月15日(土)AM10:00~
≪チケット料金≫
【平日夜】S席:15,000円/A席:12,000円/B席:10,000円/C席:8,000円/D席:6,000円
【土日祝・平日昼】S席:16,000円/A席:12,500円/B席:10,500円/C席:8,500円/D席:6,500円(全席指定・税込)
(有澤さん)スタイリスト/山田安莉沙 ヘア&メイク/池上豪(NICOLASHKA)
(甲斐さん)スタイリスト/山本隆司(style³) ヘア&メイク/木内真奈美(オティエ)
(松下さん)スタイリスト/村田友哉(SMB International.) ヘア&メイク/ASUKA(a-pro.)
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