秋は疲れが溜まりやすい時期。「秋バテになりにくい生活習慣」を医師が解説!
夏から秋への季節の変わり目は、体調を崩しやすい時期。夏の疲れが残ったまま秋を迎えると、「身体がだるい」「疲れやすい」などといった『秋バテ』の症状が出やすくなります。秋バテにならないためには、日頃から生活習慣を整えることが大切。
そこで今回は、医師・石原新菜先生の協力のもと、今の時期に注意したい「秋バテ」の正しい対策についてご紹介します。
教えていただいたのは…
石原 新菜先生
2006年3月卒業後、大学病院で2年間の研修医を経て、現在は父・石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。著書は 13万部を超えるベストセラーとなった『病気にならない蒸し生姜健康法』をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』、『研修医ニーナの731日』等30冊を数え、韓国、香港、台湾、ベトナムでも翻訳され出版されている。テレビ東京「主治医が見つかる診療所」レギュラー出演中。
全問解けたらスゴい!正しい秋バテ対策 ○×チェックテスト
さっそく、石原先生監修の「正しい秋バテ対策 ○×チェックテスト」にトライ! 以下の1~10までの質問について、○×で回答してみましょう。
【正しい秋バテ対策 ○×チェックテスト】
1. カフェインは適度にとった方がよい
2. 毎日腹巻きをすると身体が弱くなる
3. お腹が空いていなければ、食事は1日3食とらなくてもよい
4. 肉や魚より、野菜や果物をたくさんとった方がよい
5. 夏も防寒対策が必要だ
6. アルコールはできるだけ控えたほうがよい
7. 昼食後に昼寝しても、睡眠の質に影響はない
8. 下半身の筋肉を鍛えるとよい
9. 部屋の中に温度差があると身体を強くできる
10. 水は一日2リットル飲むとよい
さて、いくつ分かりましたか? ちなみに8問以上正解で「秋バテ対策優等生」に認定。それでは、チェックテストの正解と石原先生による解説を見ていきましょう。
1.カフェインは適度にとった方がよい
正解は…○
カフェインには交感神経を活性化する効果があります。一日にコーヒー2~3杯程度の適量を摂ることで、自律神経を整える助けになり、秋バテの改善にも効果的。さらに利尿作用があるため、むくみ対策にも役立ちます。
(正答率74.7%)
2. 毎日腹巻きをすると身体が弱くなる
正解は…×
腹巻きは、体調が悪いときや寒い季節だけでなく、普段から取り入れることがおすすめです。血流が多く集まるお腹を温めることで効率的に体温を上げられ、免疫細胞の約7割が存在する腸が温まることで免疫力アップ、病気予防にも効果的です。気温差が大きい秋、腹巻きを着用していれば急な冷え込みにも安心。
(正答率87.2%)
3.お腹が空いていなければ、食事は1日3食とらなくてもよい
正解は…○
現代は栄養過多の時代とも言われ、成人の多くが食べ過ぎています。食べ過ぎによって血液が消化吸収のために胃腸に集中すると、老廃物を排出する臓器に血液が流れにくくなります。そのため、体内の老廃物を排出するには、適度に空腹の時間をつくることが大切。たとえば、昼食を控えることで身体の調子がよくなる場合もあります。
(正答率45.7%)
4. 肉や魚より、野菜や果物をたくさんとった方がよい
正解は…×
体調が優れないときは、サラダやフルーツなどの軽いものを食べることが多いかもしれません。しかし、選び方に気をつけなければ身体を冷やしてしまう可能性があります。野菜は根菜類、果物は北の地域でとれるものを選びましょう。栄養豊富な旬の食材で夏の疲れをリセットし、体調を整えてくださいね。
(正答率43.0%)
5. 夏も防寒対策が必要だ
正解は…○
夏の冷えは油断大敵。冬はしっかり防寒対策をするのに、夏には冷たい飲み物や冷房に無防備な方が多いんです。秋バテは夏の冷えバテとも言えます。なので、夏でも温かいものをよく食べ、冷房の効いた部屋では上着を着るなど、身体を冷やさない工夫を心がけましょう。
(正答率72.1%)
6.アルコールはできるだけ控えたほうがよい
正解は…×
お酒は飲み方次第です。赤ワインや日本酒、焼酎、梅酒など、身体を温める効果がある「陽性食品」に分類されるお酒を適量楽しむとよいでしょう。
(正答率13.4%)
7.昼食後に昼寝しても、睡眠の質に影響はない
正解は…○
午後3時までの15~30分程度の短時間の仮眠であれば、夜の睡眠に影響しません。疲れたときは短時間の仮眠でリフレッシュしましょう。
(正答率46.7%)
8.下半身の筋肉を鍛えるとよい
正解は…○
体温を上げるためには筋肉量が必要。特に太ももには大きな筋肉があるため、効率的に鍛えることができます。燃焼しやすく血流の多い身体をつくるためにも、スクワットで筋力をつけるのがおすすめです。
(正答率77.7%)
9.部屋の中に温度差があると身体を強くできる
正解は…×
温度差があると秋バテを起こしやすくなります。冷房や暖房を使用する際も、なるべく室内外の温度差が小さくなるようにしましょう。
(正答率79.2%)
10. 水は一日2リットル飲むとよい
正解は…×
いくら水をたくさん飲んでも、身体が冷えていれば細胞まで水分が届きにくく、さらなる冷えを招いてしまいます。身体の冷えは秋バテによくありません。水はのどが渇いてから、飲みたいときに飲むのが一番。また冷たい水よりも、身体を温めたり水分代謝を促す「にんじんリンゴジュース」や「生姜紅茶」がおすすめです。
(正答率17.8%)
◆何問正解した?あなたの「秋バテ対策」知識レベルは…
8問以上正解:秋バテ対策優等生!
4~7問正解:合格点。もう少しで、より万全な体調で秋を過ごせるでしょう。
0~3問正解:秋バテしやすい生活をしている可能性大! 少しの工夫で解消できるかも。
◆石原先生のコメント
「身体が冷える原因はたくさんあります。運動不足やシャワーだけの習慣、食べ過ぎや水分のとりすぎ、南国のフルーツや夏が旬の野菜などでも冷えますし(陰性食品・陽性食品は漢方の考え方)、さらにストレスなども冷える原因です。
このことを知って、少し気をつけるだけでもかなり体調は変わってくるはず。冷えの原因と正しい冷え対策を知っていただけると、夏の冷え、そして秋バテ予防にもつながります」
夏の冷房や冷たい飲み物など「身体を冷やす習慣」が秋バテにつながるということは、あまり知られていないもの。石原先生がおっしゃったように、身体が冷える原因は日頃のさまざまな行動に隠れています。秋バテ対策として、まずは今回の「正しい秋バテ対策 ○×チェックテスト」の通りに、根本的な生活習慣を見直すことが大切です。
身体の外側から内側まで温めることを意識して、これからますます寒くなる季節に備えましょう!