今、大流行中のものと言えば……妖怪ウォッチ!
先日公開されたばかりの『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』も興行収入が新記録を樹立するなど、とにかく空前の大ブーム。
けれど、実は「ろくろ首」や「九尾の狐」など、浮世絵を中心とする日本古来の妖怪画と共通項もあるのです。
というわけで、江戸時代の妖怪と妖怪ウォッチのキャラクターを、『和樂』が徹底比較。その一部をご紹介します!
【1】江戸:化け猫、現代:ジバニャン
日本の妖怪アニメとして最も有名な『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズにも「猫娘」というキャラクターがいるように、「猫」は妖怪ものには欠かせない存在。夜に活動する、という猫の神秘性が、江戸時代から妖怪のモチーフとして扱われやすくなった理由のようです。
さらに、老いた猫は尾が2本に分かれて「猫又」になるという怪談も。あれ、『妖怪ウォッチ』のジバニャンも尾が2本なので、「猫又」に似ている……!?
【2】江戸・幽霊、現代・ウィスパー
『妖怪ウォッチ』の主人公、ケータといつも一緒にいて、ともに問題を解決していく、自称・妖怪執事「ウィスパー」。その見た目は足がなくて幽霊に近いです。
日本民俗学の祖・柳田國男は『妖怪談義』の中で、「幽霊は妖怪とは違う」と指摘しています。妖怪は出現する場所がたいてい決まっているのに対し、幽霊は恨みがある人など、狙った人のところに現れます。でも、そうなるとケータといつも一緒にいるウィスパーはやっぱり幽霊? でも妖怪執事? ムムム……。
【3】江戸・九尾、現代・キュウビ
尾が9本ある狐の妖怪「九尾の狐」は中国に由来しています。美女に化け、権力者を惑わせる力を持ち、神として祀られるようになりました。歌舞伎や人形浄瑠璃にも多数登場する人気の「九尾」は、『妖怪ウォッチ』でも伝説の妖怪、キュウビとしてかっこよく描かれる人気キャラです。
ところで『ポケットモンスター』に登場する「キュウコン」も9本の尾を持つ狐のポケモン。キュウコンも九尾の一種なのかしら?
『妖怪ウォッチ』の人気キャラクター・ジバニャンと、主人公・ケータのように、妖怪と人間が組んで展開していく物語は、江戸時代後期の歌舞伎の中でもよく見られたものです。当時の妖怪は「人間の生活を脅かす恐怖の存在」ではなく、「舞台の上で主役を引き立たせる重要な共演者」でした。
江戸時代から何百年の時を経て、なお同じようなモチーフが人気になるって、不思議。妖怪好きのDNAは日本人に組み込まれているのかもしれませんね!(後藤香織)
【あわせて読みたい】
※「妖怪ウォッチ」キャラ弁の本が発売!お手軽ジバニャンおかずレシピに感動
※【今日のインサイト】12/18池袋に限定OPEN「妖怪ウォッチランド」の全貌をスクープ!
※国宝がいちばんたくさんある都道府県はどこ?意外と知らない国宝雑学クイズ