慣れてきた頃だからこそ……ミスをしないためのテクニック
新しい環境にも少しずつ慣れてきてひと安心。でも、そんなときこそ大きなミスをしてしまうもの。重要な提出物を忘れてしまったり、大切なスケジュールを失念してしまったり……。本来“忘れる”ということは、人間が生きていくうえで大切なシステムですが、実際困ることも多いですよね。そこで今回は、「慣れてきた頃にミスしないためのテクニック」をご紹介いたします。
■出かける際は鏡の前で5秒思い出す
出かける前はバタバタしているかもしれませんが、そこで5秒だけ時間をつくってみて下さい。やることは、鏡の前で持ち物とスケジュールを思い出すこと。これは警察学校でも取り入れられているほど、効果的な方法です。認知心理学の観点でも、鏡を用いて出かける前に「5秒」チェックするというのは、忘れ物やミスを減らす上で有用だと言えます。これは持ち物だけでなく、スケジュールの確認をする上でも、出かける前に一呼吸置くことによって、一日の流れを適切に把握することが可能になると言えます。
■カテゴリー化してメモを取るとミスが消える
忘れ物や予定忘れを防ぐ上で「メモをとる」ことは誰でも知っている効果的な方法ですが、さらに効果を高めるためには、“カテゴリー化”してメモをとることをお勧めします。例えば、会社などに持っていく物なら「持ち物」の項目だけをピックアップし、予定なら「スケジュール」の項目だけを書き込んでいくのです。認知心理学の観点において、記憶は同じカテゴリー化の中でまとめておくと忘れにくいため、メモの取り方を少し変えるだけで効果UPだと言えます。
■必ず決まった場所にモノを置いておく
人には“空間認識能力”というものが備わっています。これは目にするものを立体的に捉える力のことで、心理学の研究においては、一般に女性よりも男性の方が優れているとされます。ただ、これを最大限に活用すれば男女関係なく忘れ物を防ぐことが可能に。そのためには、外出から帰宅したあとは、持ち物をすぐに決めた場所に置いておくようにしてみましょう。置き場所をあらかじめ固定化しておき、空間として持ち物が全て揃っている状況をつくっておけば、毎回の外出の際の忘れ物はほぼ無くなるはずです。
■一日の段取りをポジティブに口にする
「今日も会社かぁ……」「だるいなあ」などネガティブな言葉を口にしていると、自分で言ったその言葉がきっかけでますます悪循環に陥るような結果になってしまうことってありますよね。逆に、嫌いなものでも好きだと言っているうちに本当に好きになるのもよくあること。心理学ではこれを“公表効果”と言います。これを応用することで、目的やタスクの達成に役立てることが可能に。そのため、一日の段取りを前向きに口にしてみましょう。「今日は社内会議か、がんばるぞ!」「〇時に営業、よし!」など、ポジティブに確認すれば流れを掴めるだけでなく、上手くいくこと間違いありません。
終わりに
良くも悪くも“慣れ”は、私たちの行動様式を変化させます。新しい環境に置かれたときは、緊張とやる気で感覚も研ぎ澄まされ集中力もありますが、だんだん馴染んでくると肩の力が抜けると同時に集中力も散漫になってしまいます。そんなときこそミスが起こりやすいため、自分でコントロールする必要があるということなのですね。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。
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