「3年以内の転職は不利になる」ってホント?doda・マイナビ転職・エン転職の編集長3人に聞いてみた

「転職」を考えたときによく言われるのが「とりあえず3年働いてから転職したほうがいい」という「1社めとりあえず3年は必要説」。
とはいえ、働き方が大きく変わり、転職も副業も珍しくなくなっている今、この「3年説」は本当なのでしょうか?

(c)Shutterstock.com

転職サイト『doda』『マイナビ転職』『エン転職』3社の編集長に「実際、3年働いてから転職したほうがいいって本当なんでしょうか?」と直撃してみると…実は「YES」も「NO」も、どちらの回答もありました。
でも、それぞれの見解を聞くと、確かにどれも頷けるものばかり。早速見ていきましょう。

この記事でお話をうかがったのは…『doda』編集長 喜多恭子さん、『マイナビ転職』編集長 荻田泰夫さん、『エン転職』編集長 岡田康豊さん

Q.よく「1社めで3年は働いてから転職したほうがいい」という話がありますが、実際本当にそうなのでしょうか?

◆『doda』の見解:NO。ただし、理にかなっている点はある

「働き方が多様化している現代、3年以内の早期離職が転職の合否にネガティブに影響するかと聞かれれば答えは『NO』です。
ただし、早期離職の背景が『過剰にストレス耐性が低い』などだと、ネガティブに作用する可能性はゼロではありません。ただ『やりたいこと』『できること』がしっかりある方であれば、過剰な不安を持つ必要はありません。
とはいえ基本的には「NO」だとは思いますが、ある意味でこの説が理にかなっていると思う点もあります。やはり実際に仕事をした期間が短いと、職務経歴書でアピールできるような成果がなかったり、強みを見つけられていないことが多い…ということです。とはいっても自分では当たり前だと思っていることが、実は売りになる強みでもいくらでもあるので、迷ったら一度転職エージェントのカウンセラーや民間のコーチングサービスを受けてみて、自分の強みやできることを整理してみるといいと思います」(『doda』編集長 喜多恭子さん)

◆『マイナビ転職』の見解:NO。理由がきちんと説明できればOK

「実際には一概に何年いなければいけない、というものはありません。『3年以下だから』という理由で書類選考で落とすというケースはあまりなく、2年でも5年でもそこまで差はないと思います。
転職活動をするにあたり、きちんと転職理由が説明できて、それが転職先の企業も納得ができるようなものであれば、期間の長短はさほど問題ではありません。逆に言えば、理由が明確に言えない場合、短期間での転職は「忍耐力がない」と受け取られてしまう懸念はあります。
ただ、やはりコロナ禍の転職市場において、いわゆる『第二新卒』や『若手の未経験採用』はコロナ前と比較すると残念ながら減っているのが事実です。とはいえ中長期的に見れば、少子高齢化のこの時代に人口が少ない層なので、そのうち需要が回帰していくことは見えています。だから今は絶対に転職しなければいけない事情がない限り『仕込みの期間』と考えて、今の会社でできる経験をたくさん積み、転職活動を始めるときに武器になるものを身につけておくといいと思います」(『マイナビ転職』編集長 荻田泰夫さん)

◆『エン転職』の見解:YES。ただし例外はある

「さまざまな見解があると思いますが、YESかNOか聞かれると基本的にはYESだと思います。やはり1年目に任せられる仕事の幅と3年目に任せられる仕事の幅は違うため、その経験を積む前に転職してもいいかどうかはしっかりと考えたほうがいいです。

例外としては、『成長できる環境を用意してもらえない』『明らかなブラック企業』などのケースは3年にこだわらなくてもいいと思います。
今の会社が成長出来る環境かどうかを判断するには、直属の上司が『自分のキャリア・成長』を考えてくれているかはひとつの判断ポイントです。もちろん『やりたい仕事』だけではなく『そこまでやりたくないけれど、やらなければいけない仕事』は必ずあります。ただそれが、自分の成長・会社の成長と一致しているかは上司としっかりコミュニケーションを取ることをおすすめします。『やりたいこと』と『今やっていること』があまりにも乖離していて、その先に自分の成長がない場合は我慢してもいいことがありません。
もし考えてくれない上司が上についてしまった場合は、上司のさらに上司に相談してみてください。そこで自分の意見に正当性があるのかないのかも確認できます。上司との関係性を気にする方もいらっしゃるかもしれませんが、成長環境があるかを正しく判断をするためにも、一度相談してみることをおすすめします。
今の会社でいろいろあがいてみて、それでもうまくいかなかったときの最後の手段として転職を考えてみてください。」(『エン転職』編集長 岡田康豊さん)

 

これまで6記事にわたり、転職にまつわる気になるトピックスをご紹介してきましたが、次回は最終回。
「やりたいことがわからない」「転職サイトと転職エージェントって何が違うの?」「転職35歳限界説ってホント?」などなど、転職にまつわるあるあるなQ&Aをご紹介していきます!

構成/後藤香織