妥協したくない!引っ越しで絶対知っておきたい、理想の部屋を探すコツ

絶対知っておきたい、理想の部屋を探すコツ


お部屋探しってなかなか難しいもの。一度決めたら数年は毎日そこで暮らすことが多いのに、急かされるがままに勢いで決めてしまい、いざ引っ越してから「こんなはずじゃなかった……」と後悔したら悲しいですよね。

というわけで、自分に合ったお部屋を探すコツを、全国の不動産情報を検索できる「不動産情報サイト アットホーム」を運営するアットホーム(株)で広報を務める三留香澄さんに根掘り葉掘り聞いてきました。

三留さま

理想に物件に出会うコツ、予算がないけどどの条件も諦めたくないときの対処法など、お部屋探しをするにあたって気になるあれこれ、早速チェックしていきましょう!

Q.「理想の物件」に出会うコツはなんですか?


A.何よりも、最初から絞り込みすぎないことです。

意外かもしれませんが、最初から条件をあれもこれもと絞り込みすぎないことで「理想の部屋」に出会える確率が上がります。

入れすぎ注意
条件入れすぎて検索結果0件。あるある。

最初は「家賃」「駅から徒歩何分か」に加え、設備は絶対に譲れない1つ2つ、たとえば「バス・トイレ別」「オートロック」だけで見てみるなど、本当にごく少ない条件で探してみてください。決め込みすぎずに多くの物件を見ているうちに「やっぱりこの条件はないとイヤだな」「この条件はこだわっていたけどなくてもいいかも」と自分の傾向が見えてきます。

 

他にも「築年数」は、最初はこだわらなくてもいい条件です。たとえば「築20年以内がいいな」と思っていたとしても、実は築30年ではあるけれど内装はリフォームがかかっていて新築同様になっている物件もありますし、「築10年以内」にすると「築11年」になった時点で出てこなくなってしまいます。でも、実際築10年も11年もそこまで差はありません。

「なんとなく1階は怖そう」と「なんとなく」で入れている場合は、一度その条件を外して探してみるのも手です(もちろん、過去に1階に住んで怖い思いをしたので1階は絶対NG、などの場合は最初から条件に入れて問題ありません)。

▼さらに知りたい!実際「1階で女性のひとり暮らし」ってどうなの?

データ上で見ると、18~29歳女性の約3分の2は2階以上に住んでいます。つまり約3分の1は1階を選んでいるので、実際はそう珍しいことではありません。私自身も「大家さんが同じマンションに住んでいる」「1階が道路から一段上がったところにあるので、ベランダに出ても通行人と目が合わない構造になっている」という1階の部屋に住んだことがありますが、特にまったく問題ありませんでした。他にも「警察署が近くてセキュリティばっちり」など、1階であっても安心感のある物件はたくさんあります。ただ、エリアによっても異なると思いますので、これも迷ったら不動産会社さんに相談してみるといいと思います。

Q.予算がそんなにないけどどの条件も諦めたくない……どうしたらいい?


A.まずは不動産会社さんに相談してみましょう!

お部屋

予算、条件に加え、ご自身の「ライフスタイル」を不動産会社さんにお話ししてみてください。
生活スタイルは人によってまったく違います。朝何時に起きて何時に仕事に行き、何時に帰ってくるのか。自炊が多いのかほとんど外食なのか。どんな家具を持っているのか。今までどんな部屋に暮らしてどんなところが良くて、どんなところがイヤだったのか……。そういったご自身の生活スタイルを不動産会社さんにお話しすることで、「ここは妥協してもそこまで問題がなく、家賃が少し下がるかも」といったアドバイスをしてもらえることがあります。

たとえば女性は「2口コンロがいい」とこだわる方も多いですが、週1~2くらいしか料理をしないなら、そこは妥協してもいいかもしれない(今は電子レンジで調理できる道具も増えているので、アイディア次第でレンジを2口めのコンロ同様に使うこともできます)。
他には「日当たりは譲れない、絶対南向き」という条件をお持ちの方が、話をよく聞くと、日中にはほとんど家にいないため実はそこまでこだわる必要がなかったり、南向きにしぼったところで近隣に高い建物があると日当たりはそうでもないということがあります。さらに、朝だけ日当たりが欲しいなら、南向きではなく東向きを選んだほうが朝の日ざしが入ってくることも……。

Q.「いい部屋」って、どんな部屋ですか?


A.1~2か月物件情報を見ていると勘所がつかめるはずです

その人にとってどんな部屋が「いい部屋」なのかは異なりますが、だいたい1~2か月見ていれば自分の中に勘所ができてくるはずです。
私自身、物件を探すときは条件を設定して、新着物件がメールで来るように設定します。1~2か月くらい新着物件を見ていると、相場観がわかってきます。物件がひと回転して入れ替わるのがだいたい3か月くらいなので、そのぐらいの期間ずっと見ていると、自分が住みたい部屋の相場観がわかって「この家賃でこの条件はコスパがいい!」と見えてきます。
どうしても急を要する引っ越しでない限りは、自分の中に相場観を作るために2~3か月前くらいから住みたいエリアの物件を見続けるのがおすすめです。

Q.ふたつの物件でものすごく悩んだら、何を決め手にしたら良いですか?


A.それぞれの「イヤなところ」を比べて考えてみましょう。

悩む
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・「よりイヤなほう」をやめる

「何がいいか」は変わりますが、「何がイヤか」が変わることはありませんし、普段「いいところ」はそんなに気にならなくても「イヤなところ」は気になります。物件のデメリットは不動産会社さんに聞けば教えてくれるので、並べてみて「こっちのほうがイヤだな」と思ったほうをやめましょう。

▼ちなみに「重視していなかったけど、よかったこと」TOP3

アットホームで2019年の10月に全国の18~29歳約2000人に調査した結果によると「重視していなかったけど、良かったこと」のTOP3は「コンビニが近い」「スーパーが近い」「日当たり・風通しが良い」です。現時点で重視していない方はそこも考えてみると良いかもしれません。

・手持ちの家具が入るかを計算する

これは私自身の経験ですが「6畳くらいあれば十分かな」と思っていたら、不動産会社さんが手持ちの家具を置いたらどうなるかその部屋でシミュレーションしてくれて「ここにベッドを置いて、この本棚を置いたらほとんど生活スペースがないですよ」とアドバイスしてくださって7畳の部屋にしたことがあります。しかも同じ「7畳」の部屋でも、正方形か長方形かでまったく変わってくるので、とにかく少しでも迷っていることがあったら、どんどん不動産会社さんに相談してみると良いですね。お話すればするほど、「もしかしたらこちらのほうがお好みかもしれませんよ」とぴったりの物件を紹介してくれる確率が上がります。

家具が入らない
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Q.複数の不動産会社さんが同じ物件を出している……どこにお願いするのがいい?


A.どう探しているかで使い分けましょう

どんな不動産屋さんが向いているかは、人によって変わってくると思います。

不動産会社さんは大きく分けて「多くの支店を出している多店舗系」と「地域密着の不動産会社さん」がありますが、どちらもいいところがあります。

・広いエリアで多くの支店を持っている多店舗系の場合は、契約のスタイルが定型化されていたり、たとえば今希望しているエリアの他にも、実は安くて通勤しやすいような他エリアの物件も紹介してくれるメリットがあります。

・一方、地域密着型の場合は「このエリアにどうしても住みたい」と決まっている場合に向いています。オーナーさんと直接やりとりされている不動産会社さんが多かったり、地元の周辺環境をよくご存じであることが多いです。

そのため「絶対この駅!」と決まっている場合は地域密着型、悩んでいる場合は多店舗型がでまず見てみるのが良いと思います。あとは不動産会社さんごとに「初期費用をクレジットカードで分割払いができる」「以前も利用してくれたリピーターさん特典がある」「VRで内見ができる」などのさまざまなサービスがあるので、それもチェックしてみてください。

インターネットに掲載していない物件も紹介してくれる可能性があるので、実際に不動産会社さんに行って聞いてみるのがいちばん良いですね。

Q.内見に行くときに何を見たらいいですか?


A.自分の生活ときちんとリンクさせて見てみましょう。

メジャー
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・メジャーを持っていく

まずは定番ではありますが、やっぱりメジャーを持って行くのがおすすめです。実際の家具の配置を考えながら内見したほうが、生活のイメージがわきます。
間取り図上ではこの家具の配置でいけそうと思ったものの、実際見てみるとコンセントの位置などでこの家具はここに置かないと……というものが出てきます。

・自分がよく出歩く「夜」の時間帯にちゃんと見る

昼と夜でその街の様子が異なることがあります。
できれば、夜、自分が普段学校や会社、アルバイト先などから帰ってくる時間に、駅から物件までの道のりを歩いてみてください
昼は明るくて人通りが多いけど夜は暗かったり、逆に夜は交通量が多く寝るときにうるさいかもしれない……ということが見えてきます。

・郵便ポストやゴミ捨て場、自転車置き場などの「共用部分」を見てみる

ゴミの日でもないのにゴミが出ていたり、ポストの近くにチラシが散らかっていたりする物件は管理が行き届いていない可能性があります。意外とそういった部分を見ると直感的に、やっぱり違う物件にしたほうがいいかな……と感じ取れることもあります。そういう場合は、不動産会社の方は百戦錬磨なので、このような理由で迷っていると正直にお伝えすると良いですね。

Q.相場に比べてやたら安い部屋がある……何か問題ある部屋なの?


A.大家さんのご意向の場合が多いです

これも一概には言えないものではありますが、実は部屋になんらかの欠陥があるよりも「大家さんのご意向で安くされている」パターンが多いです。家賃を上げたまま長期間空室にしておくよりも、少し下げてでも早めに入居してもらって毎月の家賃収入があったほうが得、ということが多いので、周りよりもちょっと相場を安くして、早く入居してもらう、ということを狙っているんです。でも、理由が気になったらやっぱりこれも不動産会社さんに聞いてみてください。
ちなみに繁忙期を過ぎたらいきなり相場が下がる、ということはそこまでないので、2~3月のもっとも物件が出回る繁忙期に探すのが物件の数自体は多いです。
私自身がお部屋を探しているときに、周りの相場よりも1~2万安い部屋があって、正直に不動産会社さんに理由を聞いたことがあるのですが、そのときは「今すぐ部屋を埋めたほうが結局得だとオーナーさんが考えているからですよ」と言われたことがあります。

 

Q.パッと見致命的な欠点がなさそうなのにずっと空室になっている部屋が……どうして?


A.募集の開始時期・物件の完成時期の問題が考えられます。

特に、学生さんばかりのエリアやひとり暮らし向けのアパートなどは、3月で学生さんの動きはほぼ終わってしまうので、4月に空きが出てしまうと、そこから致命的な欠点は特にないのに長く空いてしまう……ということが多くあります。

他にも新築物件は基本は3月まで建つように日程を組んでいるのですが、工事が遅れてしまって4~5月に完成して、新築のまま数か月空いてしまった、どうしよう……と不動産会社さんから相談されることもたまにあります。

基本的によっぽどの欠点があって空室になっている場合は、不動産会社さんはきちんと告知されるので、特に理由がないのであればそういう時期やタイミングが重なって、ということが多いです。たまに不動産会社さんも「どうしてこの物件は特に欠点がないのにこんなに空いているんだろう?」と不思議に思っているような掘り出し物物件もありますよ。

今お部屋探しをしている方も、これから引っ越しを視野に入れている方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
次回は「1SLDKのSって何?」「定期借家って何?」など、お部屋探しをしているときの気になるキーワードを引き続きうかがいます。お楽しみに!

 

取材協力/アットホーム(株) 

構成/後藤香織

 

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