言いづらいことを伝えるための心理テクニック

言いづらいことを伝えるための心理テクニック


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言いづらいことを相手に伝えるって大変ですよね。気を遣いぼかして伝えると理解されない恐れがあるし、かといってハッキリ伝えるとカドが立ってしまいます。一体どうすれば、相手に言いたいことを不快な気持ちにさせずに伝えられるのでしょう。そこで今回は、言いづらいことを伝えるための心理テクニックをご紹介いたします。

脇田尚揮

占心行動学創始者(株)ヒューマンライフ出版代表取締役社長、ミンストレールCEO、大学・高校講師。経営コンサルタント、心理カウンセラー、権僧都職僧侶。会社顧問契約による占い鑑定を業とする。政治家・企業顧問30社担当、経営・占術にまつわる資格80種保有。YouTubeチャンネルにて2024年運勢公開中。
公式サイト https://wakita-naoki.jp/
YouTubeチャンネル 尚德の運・緑・法・心 – YouTube

■言いにくいことを伝える時間帯は夕方がベスト

言いにくいことを伝えるときは、言う側も言われる側も気が重たくなりがち。でも、心理学的には伝える時間帯に気を配ることで、相手に思いが伝わりやすくなるのです。その時間帯とは、夕方の15時~17時がベスト。日が落ちて心身ともにリラックスできる状態なため、もしも夕方にネガティブなことを言われたとしても受け止めやすいのです。また、通常その後にやるべきことが控えていないことが多いため、気持ちが切り替えやすいと言えるのです。言いにくいことを伝える場合は、時間帯も気にしてみましょう。

■誘われた際に断る場合はイエス・バット法を

もしもあなたが、上司などから飲み会などに誘われた場合、断りたくてもなかなか断れませんよね。相手はあなたが喜んでくれると思って提案をしているため、行けませんとだけ伝えるとカドが立ってしまいます。そこで、誘いを断るときはイエス・バットの法則を使うといいでしょう。これは、最初に肯定的な言葉を発し、後から断るという方法です。例えば、誘ってくれて嬉しいです! でも、せっかく誘ってくれたのですが今日は先約があって……などという断り方をすれば問題ありません。相手の気持ちを一度受け止めてから自分の気持ちを伝えることで、嫌な気持ちにさせず自分の意見を伝えられるのです。

■不快にさせないためにはサンドイッチ話法を

相手にとってショックなことを話さなければならないときって、かなり言いづらいですよね。そんなときは、その伝えたい内容の前後をポジティブな言葉で挟んで伝えれば、ショックが軽減されるとされます。これを心理学では、サンドイッチ話法と言います。例えばコンペで負けたことを伝える際は、「○○さんのプレゼン、すごく評判よかったんですけど、社内的な事情で時期的に難しく、今回は通過しなかったようです……。でも、私個人的には素晴らしい企画だと思っています!」というように伝えればOK。ポジティブワード→ネガティブワード→ポジティブワード、という流れで会話することで、相手を落ち込ませず言いにくいことを伝えられるのです。

■言いづらいことはアサーションが有効

もしも角を立てず相手に注意をしたいときは、アサーションという心理テクニックを用いるのがお勧め。これはまず原因を示し、結果を振り返り、感情を伝えるという3ステップを踏むことで、相手に嫌な気持ちをさせることなく言いたいことを伝えられるというもの。例えば、書類をいつまでも片付けない部下に対して、早く片付けて!というだけでは上手く伝わりません。そこでアサーションを用いてみましょう。すると、ここに書類をいつまでも置いておかれると(原因)、片付けられないから(結果)迷惑しているんだよね(感情)。となります。この順で相手に伝えることで、ストレートに相手の心に言いたいことが響くように。アサーションとは、相手に気づきを与える話法なのです。

言いにくいことを上手に伝えるのはなかなか難しいもの。ただ、誰もが言いづらいと感じていることを、自分から率先して伝えられるようになれれば、周囲からの信頼は高まり、一目置かれるようになるはず。誰もが言いたがらないことだからこそ、自分から伝えることができれば、誠実さを認めてもらえるのです。ときには、勇気を出してあなたからアクションを起こしてみてはいかがでしょう。(脇田尚揮)