我の強い相手に自分の意見をうまく伝えるテクニック
自分の芯をはっきり持っている人は魅力的ですが、我が強すぎる相手はときとして付き合いにくいもの。こちらの意見を伝えたいのに、なかなか聞き入れてもらえずに自分の主張ばかりしてくる……そんな相手とどう付き合っていけばいいのでしょう。そこで今回は、「我の強い相手に自分の意見をうまく伝えるテクニック」をご紹介いたします。
■ヘタに理屈を通さず愛嬌を大切に
人と人が会話をするときは、言葉の内容だけでなく表情やしぐさ、服装などの視覚的要素なども含めて、相手が伝えたいことを認識しています。これを心理学では、ノンバーバル・コミュニケーションと言います。言語は左脳に働きかけるのに対し、非言語は右脳に働きかけるとされ、なんと5,000倍もの効力があるとされています。そのため、表情・リアクション・衣服を心がけるようにすると、相手は説得されやすくなるのです。表情は豊かに、リアクションは大きく、衣服は小綺麗にすることを心がけてみましょう。我が強い相手も毒気を抜かれるはず。
■どんなことでも目で見て触ることには勝てない
データや会話で相手をごり押しする手法はいろいろとありますが、実はそういった理屈とは全然関係ないことが一番効果的な場合があります。それは、実物を直に見せるということ。アステルダム大学のバン・デン・プッテ博士は、一番好意的に反応する広告としてただ行為を見せることがいかに重要かつ効果的であるかを実証しています。そのため、我の強い相手にこそ、目で見て触れられるもので対抗するのが確実なのです。
■ドラマ性のあるトークで相手を引き込む
我の強い相手は、自分の意見が正しいと思い込んでいる節が少なくありません。そんな相手に対しては、話の運び方を考えてみましょう。トークがおもしろい人は、話の展開がドラマチックでストーリーに抑揚があるもの。この話術の効力を、心理学ではドラマ効果と言います。カナダのシュバット博士の実験によると、ドラマ仕立ての方が相手の共感を得て説得効果が上がったとされます。そのため、ドラマチックな話法で相手を引き込むのが有効なのです。
■ゆっくりよりも早口の方が説得力が高い
人に自分の意見を通そうとするとき、ゆっくり丁寧に話す方がいいのか、それとも矢継ぎ早に早口で話す方がいいのか、どちらなのでしょう。南ジョージア大学のステファン・スミス博士は、1分間に220単語で話した方が180単語で話すよりも相手に信頼されやすいというデータを発表しています。早口には熱意がこもっていると捉えられるわけです。この情熱が、我の強い相手すらも納得させることになるのでしょう。
「柔よく剛を制す」という言葉がありますが、我の強い相手に対してムキになるのはNG。あなた自身が正面から向かっていっても、おそらく平行線になってしまうでしょう。そこで、愛嬌をもって相手を畳み込みましょう。反論ができない内容を集めて、ドラマ性をもって相手に自分の意見を伝えれば、きっと他意がない限り納得してくれるはずです。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、現在テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。