Mrs. GREEN APPLE「青と夏」リリース直前インタビュー

■『ア・プリオリ』は″気持ち悪いもの″を目指した


 

――そして3曲目の収録曲『ア・プリオリ』。一聴してとんでもなく高度な演奏が求められる曲なんじゃないかと感じましたがどうでしょう。

藤澤 そうですね。メンバーそれぞれの担ってるメロディがかなり違います。それをどうにかマッチさせて曲として成立するところまで持っていくのに苦労しました。

若井 それぞれが違ったことをやっている中でも、曲全体を貫く骨子になっているリズムをどう表現するかというのが肝になりました。だからリズム隊は特に大変だったよね?

 

Mrs. GREEN APPLE

 

山中 うまく説明できないんですけど、音符では表せない、みんなが「いいよね!」ってなるようなニュアンスを出すのが難しくて。すり合わせて納得いくところまで完成させるのに、かなり時間がかかりました。

藤澤 聴いていてただ気持ちいいだけで終わる音楽ではなくて、いい意味で気持ち悪さが残るような曲にしようという話を最初にしていたので、メンバーそれぞれが少しずつ意識してそういう要素を盛り込んでいると思います。

 

 

――気持ち悪さ、というのは?

髙野 例えば、転調が一曲の中でいくつもあるところとか。あまり馴染みのない聴き心地に仕上がってると思います。

藤澤 歌詞に関しても、タイトルからして哲学の用語で、複雑な内面のことを歌っているので、しっかり読み解くためにいつも以上にじっくり4人で話し合いを重ねました。