「職場でのネイル」、実際どこまで許される?業種別にOK・NGラインを調べてみた

■「職場でのネイル」業種別にOK・NGラインを調べてみた


みなさんはネイルをしていますか? ネイルって女子の特権であると思います。キレイに整えられているネイルは印象もいいですし、ネイルサロンに行って自分好みのアートをしてもらったネイルは、ふと目に入った瞬間嬉しくなってしまうもの。

しかし、会社での印象はどうでしょう。

ネイルアート

今回は、日本ネイリスト協会が「女性職員のネイル」について、どの程度までなら職場で問題がないか、各業種で働く男女2,619人を対象にした意識調査を実施、その結果をまとめたものをご紹介します。
これから就職・転職をする方、ネイルをすると怒られるのではないかと心配している方は目安として利用してみてくださいね!

 

■あなたの職場では、女性社員のネイルのオシャレが認められていますか?


あなたの職場では、女性社員のネイルのオシャレが認められていますか?グラフ

はい 36.1%
いいえ 35.5%
分からない 28.4%

まず「職場でのネイルのオシャレが認められているか」について調べたところ、「はい」と答えた人は36.1%、「いいえ」と答えた人が35.5%でした。「はい」と回答した人の方が多いという驚きの結果になりました。ネイルの色や柄などにもよりそうですが認められているところが多いのは嬉しいですね!

業界別にネイルが認められている割合を見ていきましょう。

 

■業種別「ネイルが認められている」割合をチェック


ファッション・アパレル・繊維 75.8%
理美容 72.2%
メディア・エンターテインメント 69.2%
情報・通信・IT関連  56.8%
広告・出版・印刷 56.0%
土木・建設業  48.4%
不動産業  48.2%
インフラ(電気・ガス・水道)  47.8%
金融・保険  45.7%
学術研究・技術サービス  44.8%
農業・林業・漁業 44.0%
総合商社・専門商社 42.3%
その他サービス 39.4%
会計・法律系専門 38.5%
教育・人材 38.3%
製造 37.6%
娯楽・アミューズメント 37.5%
園芸 33.3%
運輸・物流 32.4%
その他 30.3%
流通・小売業 27.1%
ヘルスケア  25.0%
官公庁・自治体 25.0%
宿泊業 20.0%
介護・福祉サービス 17.4%
医療 15.1%
飲食業(外食産業)  15.0%

 

業界別に「はい(認められている)」の割合を見ると、「ファッション・アパレル・繊維(75.8%)」「理美容(72.7%)」などファッション関連や、「メディア・エンターテインメント(69.2%)」といった流行に敏感な業種で高くなっていました。ファッション業界は特にオシャレに気を配らなければいけないので、逆にある程度はネイルが義務と言っては過言ではないところもありそう。

一方、衛生面を重視する「飲食業(15.0%)」「医療(15.1%)」「介護・福祉サービス(17.4%)」は低い数字に止まっています。衛生面ももちろんですが仕事の内容的にもネイルをしているとやりづらい仕事は多いように感じます。

また「流通・小売業(27.1%)」が平均値に比べ10ポイント近く低い結果となりました。これは接客時、社員個人のネイルに自社の印象を委ねることのリスクを考えて企業側が認めていないということかもしれません。接客時にネイルをしていることはイメージを下げてしまう可能性もあります。

 

さて、ひとくちに「ネイル」と言ってもさまざまな種類があります。ほぼ塗っていないように見えるごく薄い色、肌になじむ色、ストーンをつけたものやアートを施したもの……。さまざまなデザイン別に「女性社員がネイルのオシャレを施す場合、どの程度なら問題ないと考えますか?」という質問の結果を見てみましょう。

■【回答者全体】あなたの職場で、女性社員がネイルのオシャレを施す場合、どの程度なら問題ないと考えますか?


あなたの職場で、女性社員がネイルのオシャレを施す場合、どの程度なら問題ないと考えますか?グラフ

1 ごく薄い色 89.0%
2 肌になじむ色 81.5%
3 フレンチネイル 64.3%
4 グラデーション 66.0%
5 グラデにラメライン 49.6%
6 濃いワンカラ― 46.7%
7 ストーン少 41.9%
8 ストーン多 31.1%
9 ストーンなし絵柄アート 32.4%

 

多くの業種で「ごく薄い色」「肌に馴染む色」が「問題ない」と捉えられています。つまりネイルのオシャレそのものを禁じているというよりも、派手な印象を与えない「身だしなみ」の範疇として考えられるものであれば許容されているということになります。

「1 ごく薄い色(89.0%)」「2 肌に馴染む色(81.5%」」は、「身だしなみ」の範疇と捉えられ、「ネイルのオシャレが認められていない」という業種でも許容範囲な結果となりました。

オシャレとしてやや目立つ「3 フレンチネイル(64.3%)」よりは、控えめな「4 グラデーション(66.0%)」の方を許容する傾向もみられました。同様に「8 ストーン多(31.1%)」より「ストーン無し絵柄アート(32.4%)」を許容する傾向は多くの業種に共通しています。あまり目立たないものであればストーンがついていたとしても約3人に1人は許容する結果となりました。女性からしたら嬉しい結果なのではないでしょうか?

 

■業界別の結果は?


業界別にみてみましょう。まずはかなり厳しめの印象がある「官公庁・自治体」から。

◆官公庁・自治体の結果はコチラ

あなたの職場で、女性社員がネイルのオシャレを施す場合、どの程度なら問題ないと考えますか?官公庁・自治体グラフ

まず官公庁・自治体の結果は、「グラデにラメライン(37.5%)」以降が平均に比べてやや低いことを除けば、全体回答とほぼ同じラインを描いています。「お役所は堅い」と思われがちですが、ネイルに関しては平均的だと言えそうです。これは驚きの結果でした。

 

次に製造業の結果をみてみましょう。今回調査した中では、ネイルが認められている割合「37.6%」と、全業界の中でもまさに中程度。ただ、同じ「製造業」の中でも、職種によって結果はまったく異なってくるようです……。

◆製造業の結果はコチラ

あなたの職場で、女性社員がネイルのオシャレを施す場合、どの程度なら問題ないと考えますか?製造業グラフ

許されている割合はそこまで高くないものの、実際は平均よりも寛容な職場が多いようです。「ダメなところはダメだけれど、OKの場合は案外なんでもOK」というのが製造業の特徴。

さらに製造業の中でも、「職種別」で調べてみたところ、このような結果に。グラフをご参照ください。

あなたの職場で、女性社員がネイルのオシャレを施す場合、どの程度なら問題ないと考えますか?製造業グラフ

管理・総務・人事などの事務系職種や、デスクワーク中心の専門・技術職では、「8 ストーン多」でも40.0%前後が「問題ない」と回答しています。

一方、工場などのいわゆる“現場”は、どのネイルも事務系を大きく下回り、「8 ストーン多」では事務系より10%以上低く20%を切り、事務系では40%以上がOKと答えた「7 ストーン少」は20%前後、事務系は過半数がOKの「5 グラデにラメライン」も30%程度……と、いずれも大きな開きが出ました。工場などではネイルの塗膜やストーンが、製品やラインに混入しないようにする安全意識がこの結果に繋がっているのでしょう。

 

 

さて、次は「情報・通信・IT関連」の結果をご紹介。イメージ的にもネイルについて寛容そうなBEST3「ファッション・アパレル・繊維」「理美容」「メディア・エンターテインメント」に次いで、「ネイルが認められている割合が多い業種」4位に輝いたIT関連。さて、どんなネイルが認められているのでしょうか。

◆かなり寛容!「情報・通信・IT関連」の結果はコチラ

あなたの職場で、女性社員がネイルのオシャレを施す場合、どの程度なら問題ないと考えますか?情報・通信・ITグラフ

「1 ごく薄い色」~「4 グラデーション」まですべて8割越え、最も派手な「9 ストーン無し絵柄アート」でも過半数越えという結果になりました。全体では46.7%しか許容されていない「6 濃いワンカラー」でも79.5%と約8割が認めているなど、かなり自由度の高い結果になっています。「仕事もバリバリしたいけどオシャレも妥協したくない!」と思っている人には最適な業種なのではないでしょうか。

 

最後に、今回ネイルが認められている割合が最も少ない業種である「飲食業(外食産業)」の結果を見てみましょう。

◆最も厳しい、飲食業界の結果は……

あなたの職場で、女性社員がネイルのオシャレを施す場合、どの程度なら問題ないと考えますか?飲食業グラフ

他の多くの業種の80~90%が「問題ない」としている「ごく薄い色」も、認める人は65.5%という結果に。飲食は衛生面を重視しなくてはならないので、ネイルに対しては派手なものはNGというわけではなく根本的にNGなよう。フレンチネイル以降の「ネイルをしていることがパッと見でわかる」ネイルから先はOKの数値がガクッと下がります。一方で「グラデにラメライン」以降はほとんど数値が落ちず、「基本的にNGではあるものの、OKなところはどんなものでもOK」という傾向が見えてきました。

今回の調査で、ナチュラルな色遣いのものなど、自然で身だしなみの一環として捉えられるレベルであれば、ネイルが許されている業界は多いように感じました。

春から新社会人となる方、別業界に転職される方は、まず身だしなみとして控えめなネイルで出社して、徐々に個性を出していくのがよさそう。

「でも、プライベートでは凝ったネイルアートをしたい!」と考えている方は、オンとオフをしっかり区別して、長期休暇に合わせてネイルサロンを予約するか、取り外しができるネイルチップ(つけ爪)を利用するのが良さそう。

楽しいネイルライフを♪ (ほんじょうみゆき)

 

情報提供元:NPO法人日本ネイリスト協会

 

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