「雨だから休みたい」が連絡ナシでOK!出勤も帰宅も完全自由な会社が、うまくいっている理由

雨の日やちょっと体調が悪い日。もしくは、なんとなく気乗りしない日。今日は仕事に行きたくないなぁ……。なんて気分になる朝、社会人なら誰にでも一度はありますよね。そんなとき、気兼ねせず自由に休める会社があるとしたら、そこで働いてみたいと思いませんか?

 

雨降ってたからゆっくり過ごす
(c)Shutterstock.com

リクナビNEXTがこの2月に発表した『第4回GOOD ACTION』では、驚くほど柔軟な働き方を実践している企業がいくつも紹介されました。

CanCam.jp編集部はその表彰式に潜入。「好きなタイミングで休める会社」「社員同士がプチボーナス(賞与)をプレゼントし合える会社」「社内通貨でクラウドファンディングができる会社」など、面白い働き方ができる会社を発見しました。

 

中でもとくに印象的な会社を、3回に渡りご紹介していきましょう。まず1社目は、「好きなタイミングで休んでOK、事前連絡必要なし」という職場での働き方。そんな夢のような会社が、なんと日本にあったんです。

 

▼「なんとなく休みたい日」には、連絡なしで休める職場


えびを使った加工食品を扱う、株式会社パプアニューギニア海産(大阪府)。こちらの工場で働くパートスタッフのみなさんは、驚くほど自由なシフトで勤務しています。

働きたいときだけ出勤し、好きな時間に帰れる「フリースケジュール制」がこの職場の特徴です。シフトは完全に自由で、なんと事前申告も要りません。「急に用事が入っちゃった」「今日は雨で行きたくないな」という日には、会社への連絡なしで休めます。

どうしてそんなことができるの? 仕事はちゃんと回るの? と、ちょっと心配になってしまいそうなこのシステム。一体どうやって実現できたのでしょうか?

 

▼完全自由なシフトでも、職場はちゃんと回っている!


ときは2013年にさかのぼります。経営者の武藤北斗さんは従業員の人間関係に頭を悩ませていました。というのも、その頃パートスタッフ間でのトラブルや派閥争いが絶えなかったため。せっかく新しい人を雇っても短期間で辞めてしまうことが多く、慢性的な人手不足に陥っていたのです。

人が辞めていく原因は、会社や他のスタッフに対する不満なのではないかと気づいた武藤さん。「どうしたら人が定着してくれるのか?」と考え抜いて出した結論は、「個人の生活を中心にした働き方」の実現でした。

働き方に不満があるから、仲間に対する見栄や嫉妬などマイナスの感情が生まれる。だから争いになり、それが元で人が離れていく。それならば「職場の誰もが自分の時間を優先できる」そんな環境をつくれば変わるのではないか?……そんなふうに考えた武藤さん。

工場では加工食品をつくっていますが、原料は冷凍えびなので1ヶ月くらいストックしても問題はありません。そこで武藤さんは、パートスタッフのシフトをきっちり管理するのをやめました。
「週(または月)に最低◯日は出勤してほしいけど、あとは好きな日に休んでください」とお願いして、出勤日はスタッフ個人の裁量に任せてみました。その日どれだけの商品を製造するかは、毎朝の出勤状況を見て考えます。すると、問題なく工場はきちんと回ったのです。

「出勤日を自由にしても、スタッフたちは働きたい分だけちゃんと出勤してくれる」そう実感した武藤さんは、最低出勤日を定めることもやめて、完全なフリースケジュール制へと踏み切りました。今では休憩時間・出勤時間・帰宅時間すべてを自己判断に委ねてフリーとしていますが、問題は起きていません。

 

 

▼やらされ感がなくなると、職場の雰囲気も良くなる


フリースケジュール制の導入で、物理的にも精神的にも自由度が増したスタッフさんたち。やらされ感が消えたためか、お互いに協力し合う雰囲気が自然に生まれ、定着率もぐんと向上したそうです。

「自分の生活を中心に、自由に働けるようになったことで、周りの人を気にする煩わしさからも解放されていったのだと思います」と語る武藤さんは、今もスタッフが気分よく働けるにはどうしたらよいかと考え続けています。
作業についての好き嫌いアンケートをとって好きな作業だけ担当できるようにしたり、パート長などの役職をなくして待遇をフラットにしたり、画期的な取り組みも次々と実現しています。

退職者は激減し、この4年間で求人にかけたコストは0円。武藤さんは「食品を扱う会社でできたのだから、(腐らないものを扱う)他の職場でも導入できるはず。それに重要なのは私たちの取り組みを真似することではなく、それぞれの会社に合った形で社員が働きやすい職場を会社が考え実行することです」と語っています。

 

最近は、技術の進歩で多様な働き方が可能です。「雨で出社したくないなー」という日には自由に休める。そんな働き方が当たり前の時代も、いつか訪れるかもしれませんよね。

 

次回は「社員同士がプチボーナス(賞与)をプレゼントし合える」という、ワクワクできるシステムを持つ会社についてご紹介します。(豊島オリカ)

 

取材協力:リクナビNEXT「第4回GOOD ACTION」

 

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