実はあなたも、誰かを傷つけてない?いじめ衝動、ネット炎上…無用な怒りを抑えるコツ

自分が人を傷つけてしまいそうなとき、どうすれば回避することができるのでしょうか。

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友人、職場、SNS。なんとなく気が合わない相手、神経を逆撫でする相手はいませんか? ついイライラをぶつけてしまい、傷つく相手の顔を見ては罪悪感、自己嫌悪……。もうそんな後悔、こりごりです。

そこでCanCam.jp編集部は、『ヒトは「いじめ」をやめられない(小学館新書)』という衝撃的なタイトルの本の著者、中野信子さんに独占インタビュー。

脳科学者ならではの視点で、「いじめる側に回らない」「過剰に人を傷つけない」ためのコツをじっくり伺いました。

【実はあなたも、誰かを傷つけてない?いじめ衝動、ネット炎上…無用な怒りを抑えるコツ】

▼仲が良いほど「いじめ」が生まれる!?


中野さんいわく、「いじめは、集団を守ろうとする本能から生まれます」とのこと。

「人間は社会性が強い生き物。集団の利益を守るため、規格外の個体を排除する本能が備わっているんです。つまり、みんなと違う人は排除しなければいけない。集団に悪影響が出てしまう、という危機感、正義感。

いじめとは、この本能がエスカレートしたもの。だから、団結力の強い集団、仲の良い集団ほど、じつはいじめが起こりやすいんですよ」

仲が良いほどリスクが高いとは! 大事な人と傷つけ合うのは避けたいですね……。いじめを生まない、せめて自分が人を無意識のうちに攻撃しないためのコツとは、どんなことなのでしょうか?

 

▼コツ1:対象へのアテンションを下げる

どうでもいい相手を排除したいとは思いません。いじめたい気持ちが沸き上がるのは、じつは相手に対する思いの強さ(アテンション)の裏返し。

相手への期待が大きいほど、些細なことにも腹が立ちます。感情をコントロールするには、いったいどうすれば?

「まずできるのは、物理的に距離を置くこと。相手に対するアテンションを下げ、さらに自分なりの趣味を持つなど、興味を分散させるのがおすすめです」

相手が親しい人なら、しばらく会わずに過ごしてみる。職場の人なら、できるだけビジネスライクに接する。そんなふうに距離をとり、別のことに夢中になっているうちに、自然と適切な距離に戻れます。

▼コツ2:「絶対正しい」は、とりあえず疑う

誰かに不満があるときや有名人のゴシップに腹を立てているときなど、人は「自分は絶対に正しい」という気持ちになりがちです。

でも「正しい」「正義」「叩いて当然」……そんなふうに思ったときこそ、いったん自分で「そうかなあ?」「本当に?」と疑ってみる。その癖をつけましょう。

「集団のための正義と、個人のための正義を分けて考えることが大切。集団のための正義感で『排除すべき』と突っ走ると、後悔しがちです。

『ちょっと待って。私個人の利益はどう?』と考えてみて。その人を排除することで、むしろ損することもあるはず。それに気づくと、冷静になれます」

「絶対」と思ったときこそ「?」を後ろにつけてみて。

▼友人のアカウントが炎上!そのとき、どうする?


SNSの発展で、多くの人が好きな意見を発信できる世の中になりました。でも裏を返せば「誰もが叩かれる可能性のある世の中」になったということ。

大切な友達がSNSで炎上してしまった! そんなときにはどうしたら良いのでしょうか?

「一番NGなのは、『友人』と『攻撃している人』との間に割って入ってしまうこと。

誰かを攻撃しているとき、脳の中では快楽物質ドーパミンが分泌されています。つまり、攻撃側の頭の中はドーパミンという燃料でいっぱい! 反論すればますます燃え上がってしまう。逆効果です」

この場合、じつは飽きるのを待つのが最も有効。ドーパミンはいつか途切れます。友達には裏でひっそり声をかけてフォローを。表では一切触らないのが一番です。

「ただし、全員顔見知りといった小さなコミュニティであれば、他の刺激を提供するのも効果的。アリの群れのそばにお砂糖を落とすように、みんなが興味を持ちそうな話題を提供しましょう。あくまでもさりげなくね」

これは、編集部のある女性が体験した話。小さなことで陰口の絶えない奥様集団が、同じタイミングで同じ趣味(K-POP)にハマったとたん、みんな好きなアーティストの話ばかりするようになり、そのご近所さんコミュニティはすっかり平和になったとさ……(めでたしめでたし)。

いずれにせよ「友達をかばいたい」という本音は見せず、あくまでも別の体裁を装うのがポイントですね。

▼えっ、いじめと夫婦喧嘩は似てる?詳細は……次回!


仲が良いほどいじめが起こりやすい。じつはこれ、ラブラブカップルが結婚すると喧嘩が増える法則にも繋がっているんです。

次回は、いじめ対策に共通する「カップルや夫婦がうまくいくコツ」について。最新の脳科学が明かす秘訣をお伝えします!

 

★詳しくはこちらの本もチェック

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ヒトは「いじめ」をやめられない
著/中野信子
780円+税/小学館

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中野信子
1975年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学工学部応用化学科卒業。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所にて、ニューロスピン博士研究員として勤務後、帰国。脳や心理学をテーマの研究や執筆の活動を精力的に行う。科学の視点から人間社会で起こりうる現象及び人物を読み解く語り口に定評があり、著書多数。また、テレビコメンテーターとしても活躍中。

(構成:豊島オリカ)

 

★前回の記事はコチラ→ 11月はいじめ増加の月!脳科学的に正しい「職場いじめ」への予防と、3つの対処

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