「趣味費は手取りの5~8%以内」…そんなの無理!なあなたに送る節約術【オタクのためのマネー講座 基本編】

「趣味」のことになると金銭感覚が崩壊する、なんらかの「オタク」の皆さん、お元気ですか!
私はアイドルが好きなので、元気に年間ウン十万を吹っ飛ばしています。

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最近気づいたんですが、趣味のことになると精神的物価が他の1/10くらいに感じてしまう気がします。

たとえばライブのチケットが7000円なら700円くらいに感じるからガンガン行く公演を増やしてしまうし、5000円のDVDもワンコインランチ感覚。それこそ500円以下で売っている、写真などのグッズなんて実質無料みたいなもんです。
2万円の服なんて高いからなかなか買わないのに、遠征のための交通費2万円は何も思わずポンと出す。

……とはいえ、いくら金銭感覚がそんな感じに崩壊しつつあろうとも、私たちは現実の物価の中で生きていかなければいけません。

今を全力で生きるのは楽しいけれど、ちょっとくらい貯金もしたほうがいい気がする。
そんな方のために、お金のプロに根掘り葉掘り「お金」について聞いてきました。

■オタクのためのマネー講座・基本編!趣味費がかかるあなたに送る節約術


 

「オタクのことはオタクがいちばん理解してくれる」ということで、自身も地下アイドルの経歴を持ち、なおかつ現役でアイドルのファンとして、好きなアイドルの限定ショップに朝から3時間並ぶ気概を持つファイナンシャルプランナー、横川楓さんに「オタクとお金」についてうかがいました。
(※ちなみに、オタク以外の人にとってもだいたいは通じる内容です!)

 

編集部(以下、編)本日はよろしくお願いします。まず、単刀直入にうかがいます。趣味費は、年収のいくらくらいにするのが妥当でしょうか。

横川楓さん(以下、横川)目安としては、ひとり暮らしの方の場合、手取りの5~8%です。
たとえば手取り200万の場合10~16万、300万の場合15~24万、400万の場合20~32万程度。食費や服飾費など、他の生活費を削れるのであれば10%でも大丈夫ではあると思いますが、貯金のことを考えると8%に抑えておくのがベターです。
実家暮らしの方の場合は、家に入れる金額で変動はありますが、それぞれその2倍程度、つまり手取りの10〜16%程度でしょうか。

 

 ……趣味費を年収の5~8%に抑えるのは、無理です。生活費を削るので、節約方法を教えてください。

横川 (笑)。まずは最低限、自分が月に絶対に払わないといけないお金を見つめなおしましょう。家賃、携帯代あたりは見直しやすいです。

・家賃

よく「月収の1/3が目安」と言われていますが、ひとり暮らしの方の場合は、実際には普通にちょっと良い生活をしたい場合は月収の1/4におさめたほうがいいです。月収の1/3でも生活費の全部をギリギリにしたらまかなえるとは思いますが、特になんらかの趣味を持っている人の場合は相当キツいと思います。

 

・携帯代

意外と安くできるのが携帯代です。普通に契約をしているとだいたい1万円くらい、という方が多いと思います。安くしたいならSIMフリーの携帯にしてみましょう。実際に私の親が月額3000円程度のSIMフリーの携帯にしているんですが、普通にLINEとちょっとインターネットができればいい、という場合は、【SIMフリーの携帯+家にWi-Fi】があれば困ることはないと言っています。

 

 なるほど。でも、オタクの場合、ジャンルにもよりますが、かわいい写真が載ったブログが公開されたとか、出先でなんらかの動画が公開されたとか、突然LINE LIVEなどの生放送が始まったとか、どうしても写真や動画を見る必要性に駆られる場合がありますよね?

横川 ありますね(笑)。そういう場合はポケットWi-Fiを持ちましょう。高くてもたいてい月3000〜4000円なので、現状月1万円くらいなら、2/3くらいに抑えられます。あとは、【電話のみで使うガラケー+キャリアと契約するiPadなどのタブレットのセット】という手も。タブレットの場合、私はApple Storeで購入したのでiPad代が月々9,000円程度ですが、家電量販店などをまわるともっと安く購入できる場合があります。節約は情報戦です。

 

 他に節約の上で気をつけるポイントはありますか?
横川 基本中の基本ではありますが、支払いはできる限りすべてカードにすべきです。

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(c)shutterstock.com

 その理由を教えてください。
横川 現金で支払うとそれだけですが、カードで支払うとポイントがついてきます。このポイントは、まさに「ちりも積もれば山となる」んです。

 

編 クレジットカード払いにするとお金を使っている感覚が薄くなってガンガン使ってしまい、あとから支払いが死ぬほど大変になった……という経験があるんですが、そういう人の場合どうしたらいいでしょうか。

横川 そういう方には、最近私もよく使っているんですが、「デビットカード」がおすすめです。クレジットカードは、たとえば今銀行口座に1万円しかなくとも2万円のものを買うことができますが、デビットカードは銀行口座とつながっていて即時に自動で引き落とされるので、口座に1万円しかないなら1万円のものしか買えません。そのため使いすぎることがないんです。

 

編 カードってたくさんありますが、どう選べばいいでしょうか?

横川 カードによってさまざま特典が違うので好みにはなりますが、「お金として使えるポイント」の還元率で選ぶのがおすすめです。たとえば私はLINE payを使っていますが、カードってたいてい1%ポイント還元のところが多いのに対し、ここは2%還元。スマートフォンの画面で簡単にチャージできますし、使った履歴もすぐに見れます。

 

 積み重なるとすごい金額になりますよね!

横川 そうです。ひとつひとつは微差かもしれませんが、積み重なるとかなりの金額になります。たとえば20万使ったときに現金なら何もありませんが、1%還元のカードなら2000円、2%還元なら4000円が実質戻ってくるようなものです。もちろん現金払いのみのところもあるので、完全に現金払いをやめるのはなかなか難しいですが、できる限りカードで支払ってポイントを貯める生活に変えるだけで、結構変わってきます。

 

 なるほど……。他に横川さんおすすめのお金にまつわるワザはありますか?

横川 まず、意外とできていない人が多いんですが、自分がお金をいくら使ったかをしっかり把握しましょう。把握せずに「なんだかお金がない!」という方が多いので、把握すると「あ、こんなに使っちゃいけないかも」「このくらいなら月2万は貯金できるな」とつかめてきます。

 

 使ったお金を把握……。家計簿ってつけるのがめんどくさい気がするのですが、楽にする方法はありませんか?

横川 そんなときはアプリの出番です(笑)。私は「マネーフォワード」という家計簿アプリを使っていますが、これは自分が持っているすべての銀行口座と連携できるアプリなので、アプリから今銀行の口座にいくら残っているかがすぐ見れます。だから、デビットカードを使うときも、残高を見て、どれくらいチャージするかを考える、ということが可能です。一度家計簿アプリで連携すると、バラバラで見るしかなかったすべての銀行口座の残高が一瞬で見れるので便利です。デビットカード払いを中心にすると、細かく家計簿をつけなくとも、銀行口座の残金でだいたいの自分の財政状況がつかめる上にポイントもたまると一石二鳥なんですよ。

 

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 アイドルであれなんであれ、なんらかのオタクの人って何にどれくらい使ったか……を管理しきれていない方が多いので、まずスマホで一括管理して、「自分はいったいいくらい使っていいのか」というところを認識するのが重要そうですね。私も実際CDや遠征代にいくら使ったのか把握しきれていないので、きちんと管理します……。さて、最後に、貯金はいくらくらい貯めておくのが目安というものはありますか?

横川 私たちのように「アイドルのファンである」など、猛烈にお金を使う趣味を持っている場合などは月に1万円でも貯金できていればいいと思うのですが(笑)、ひとりぐらしをしている普通の20代後半であれば月2~3万できていると良いですね。20代のうちに100万円貯められていればかなり良いと思います。「貯金して何に使うか」はそこまで考えず、まず「100万円貯める」を目標にして貯めグセをつけることをおすすめします。

 

 実家暮らしの場合は……。

横川 家賃や水道光熱費の分が丸々浮いているので、ひとり暮らし組より2~3倍貯めるべきです。年収にもよりますが、年間100万貯めることを目標にしてもいいと思います。ひとり暮らしの家賃に相当する分くらいはすべて貯金、と考えておくといいですね。

 

 貯金はどの方法で行うのがいいですか? 定期預金にして絶対下ろせなくするとか……?

横川 定期預金でももちろん構いませんが、利率があまり良くないので、積み立てをするのであれば、そしてある程度の余裕があれば「投資信託」がおすすめです。

 

とは言っても、「投資信託」はじめ、なんとなく「投資」と聞くと、お金が減るのでは……? という印象を持つ方が多いのではないでしょうか。しかし、ちゃんと聞いてみると、「投資信託」、とってもお得なようです。ちょっとでも足しにできる「投資信託」について、そして会社員でもできる節税方法について、次回【オタクのためのマネー講座 応用編】にて、詳しくご紹介します。(後藤香織)

 

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