WI Azumiさんは、初めての役作りなどはどうやって?
Az 自分の出番じゃない時もずっと現場にいたんですけど、ずーっと階段の上の佐和の部屋の前で体育座りをして、みんなの撮影している音を聞いていました。「きっと佐和はこうだろうな」と佐和は上からひとりぼっちでみんなの生活音を聞いていただろう、と思って。写真が残っているんですが、完全に座敷童のよう。
黄川田 よくいた。
Az 初めてだから、とにかく佐和である為の場所に身を置いていこうと思いましたね。
WI では初挑戦シリーズで、黄川田さん。歌は?
Az あ! 歌やりなよ!
黄川田 イヤ、イヤ、イヤ、イヤ。
Az Azumiプロデュースで!
黄川田 シンガーの人もそうだと思いますが、なぜ(自分が)俳優をしているかというと、人が考えて、人が書いてくれたもので、僕ではない人になるから、あんな恥ずかしいことができるわけで、黄川田将也で恥ずかしいことはできないんです。だからシンガーの強さはすごい。Azumiでそこに立てる。何万人の前で無言でも立っていられる。僕は何万人の前に立ったら「早くセリフを!」しかも“自分の意見ではないもの”と思っちゃうのが俳優なんです。だから「歌手はイヤです!」役だったらやりたい(笑)!
Az あはは。Azumiプロデュースって言ったのに。
黄川田 でもカラオケに行ったんですが、Azumiは意地悪だから(笑)、俺の動画を撮ってそれを送ってきました。
Az 楽しそうだったよ。
黄川田 うん。楽しかったんだけど……。へこみました。
Az なんで? とても楽しそうだったよ。私よりも歌っているんですよ(大笑)。
黄川田 プロのマイクを奪って、ただただ歌う。
Az 時には振りをつけて。“踊る将也”みたいなね。
黄川田 狭い世界で、発散するのは楽しい。
Az でも、今後なにかあった時に「踊れる奴がいる」って思い出す。
黄川田 怖い。怖い(笑)
WI もっとお話を伺いたかったのですが、時間になってしまいました。読者の皆さんにメッセージをお願いします。
黄川田 20代から40代って、勢いで動いて、周りの状況に敏感だったりすると思うんですね。でも周りがどういう状況でも、ふと立ち止まって、大きく深呼吸して、空気を吸って「私はどうなんだろう」とか「私はどうしたいんだろう」って、問題を横に並べていたものを、縦にするとクリアしやすくなっていくんじゃないかな・・・って。人によっては、一日なのか一週間なのかわかりませんが、人には止まっているように見えても、ちょっとずつ動いている変化があるので、ちょっとずつでもやってみるのは、いいんじゃないかと思える!そんな作品になっていると思います。是非劇場でご覧ください!
Az 20代から40代は、自分も周りも環境がどんどん変わっていく中で、人と自分を比べたり、迷いが生じやすい年代だと思うんです。感情に振り回され、翻弄されてしまったり。でも、自分だけが心にたくさん傷を負っているわけではなく、そこを人に見せるわけでもなく、人はその傷を抱えてどうやって生きていくかという気持ちが色濃く出ている映画だと思います。ぜひご覧になっていただきたいです。
ふたりとも作品について語り足りず、なかなか話が尽きなかった、笑いいっぱいのインタビューとなりました。インタビュー中に感じたのは、黄川田さんは俳優。Azumiさんは歌手と同じ質問でも、表と裏?のように、違った答えが返ってきて、お話を聞いていてもこちらも楽しめる時間となりました。。
公式サイト: http://www.hakodatecoffee.com/
おふたりのメッセージからも伝わる通り、誰もが持っている心の傷を、見直す物語になっている映画『函館珈琲』は、全国公開中。10月22日からはロケ地・函館のシネマ太陽函館、またイオンシネマ小樽でも公開が始まりまります。(平山正子)
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