Azumi目撃!黄川田将也「プロのマイクを奪って、ただただ歌う」。【インタビュー】

黄川田将也,Azumi,函館珈琲

WI 皆さんに思い入れがある作品なんだと思います。舞台挨拶は時間が足りなかったのでは?

黄川田  全然たりなかった。もっとたくさん話したかった。

Az  私も、話したいことがたくさんありました。

 

WI では、撮影エピソードを教えてください。

黄川田 ただただ、桧山として翡翠館の住人になることに必死で。スタッフの皆さんが“映画界の宝”と言われる素晴らしい方ばかりなので「作品の中で僕たちが肉体を使ってどうすればいいのか?」をみんなで手を合わせ、なるべく一緒にいて、なるべく会話をして。普段から「エチュード」に近い、役で“会話をする”とか…。でもそこにのめり込みすぎると自分が見えなくなる時があるので、役とは離れて違うAzumiと黄川田で会話したりと、そういうことを意識してやったという感じです。

 

WI 濃い10日間だったんですね。

黄川田 10日間ってすごく短期間でしたが、すごく長い間一緒にいたと感じました。密で“親友”や“家族”と思えるくらいの作品に出合えることって、なかなかないので。みんなで、同じ心持で臨めたというのがとても幸せな時間でした! 自分だけでなく「お前も!」っていう、「ワンシーンにワクワクする」ポジティブな方向に向かっていけたことが、本当によかったです。

 

WI Azumiさんはいかがでしたか?

Az とにかく私は映画という環境に身を置くのが初めてで、右も左もわからない状態でした。でも本当に皆さんがプロだったんです。プロフェッショナルで純粋な映画愛に溢れた現場でした。

 

WI 初めての撮影現場は緊張しますよね。

Az 私は音楽界にいて、「どこの馬の骨ともわからない奴が来たぞ」って思われても仕方がない。シンガーとしての私なんて必要のない現場なので、それは捨てて挑みました。お芝居をするのも初めてでしたし、本読みから心臓がバクバクしていましたね。素晴らしいキャストやスタッフの皆さんがいて、ありがたかったです。

黄川田  そういう風に言うんですが、全然感じなかった(笑)。そこがね。歌い手さんの強みというか、見せない。

Az わりと手が震えますね。ライブでいうと1曲目くらい緊張していたんです

 

WI では、その後はいかがでしたか?

Az お芝居をするのはこんなに楽しいんだっていうことを知ったし、映画愛にあふれている皆さんのプロ意識と情熱に触れて、もっとここにいたいと思いました。お芝居は、別の人格になるというところも、その人になるための集中力も、音楽の創り方に似ていましたね。黄川田さんともよくお話させていただいたんですが、例えばとあるシーンを撮った後「前のシーンがこうきたから次のシーンは変わるよね」とか、感情・ストーリーを構築していく作業が、本当に楽しかったです。だから、今後も続けていきたいなと目論んでいるんですが(笑)。

 

WI 初めての作品が、本当に映画の世界のプロの方というのは大きいですよね。

Az  そうなんです。恵まれていたんです。本当に恵まれていました。

黄川田  本当に運がいい!

 

WI 自分は翡翠館の住人になれると思いますか?

黄川田 どうだろう。まだ“翡翠館=桧山”になっていて、まだ桧山が離れていなくて。黄川田では、まだ考えられない気がする。あそこの蔵の部屋は「俺のものだし」とどこかで思っていて。でも“俺”っていうのは黄川田ではなく、桧山として思っているんです。

Az 役者さんって凄いよね。私はすぐ「私だったら、どうだろう?」って考えちゃう。

黄川田  だから、そこがうらやましい。

Az  う~ん。(黄川田さんに)あそこさぁ、お風呂とかどうなっているんだろうね? 共同だよね。

黄川田  う~ん。そうだね。共同だよね。

Az  なかなか、はずかしいよね。蔵のドアは開けっ放しじゃない。丸見えだよね。

黄川田  うん。丸見えだよね。

Az  それ、いやかな。(全員、大爆笑)

黄川田  いきなり、現実的に。ちょっとファンタジーだからね(苦笑い)。