漫画『サングリアル』の監修をされている田波有希さんへのインタビュー。後編では『サングリアル』のみどころと、マンガ制作における考え方をお聞きしてきました。
★前編はコチラ→人気占い師が監修する漫画「サングリアル」がすごい【インタビュー前編】
◆最終的に決めるのは自分という思想
Woman Insight編集部(以下、WI) 『サングリアル』の中には田波さんの占い思想が入ってらっしゃるとお伺いしました。どのような思想なのでしょうか。
田波有希さん(以下、田波) 「決めるのは自分だ」という大きなメッセージが入っています。占うのは占い師だけれども、最終的に決めるのは自分という。
WI 占い師ではなく、自分ですか。
田波 それは占いの扱い方として大事な部分なんです。例えば占いで悪く言われたから転職や結婚をやめちゃったとか、言われたことに左右されて自分の人生曲げちゃうのは良くない。キルケの役割として、「背中を押す」という役割がすごく多くて。アンが悩みがち、落ち込みがちなので(笑)、結構厳しく押しているんですけど、普段からそれは私もそうです。進んだ方がいいときは結構強めに押したり、とりあえず動かないとダメでしょみたいな。
WI 後押ししてもらえるような占いは嬉しいと思います。
田波 ダメならダメって占っちゃうともうそれで終わっちゃう。
★お疲れ女子必見!占いに頼る前に知っておくべきこと【漫画「サングリアル」】
WI ダメと言われて終わりだと、救いがないですよね……。
田波 できるだけ可能な限りの未来を見せるという感じですね。占うって自分で自分についてる嘘をなくす、本来望んでいる本質的な望みを明らかにしてゆく作業だと思うんです。
◆女性の方が選択を迫られる。
WI 「サングリアル」の見どころはなんでしょうか。
田波 占いの綺麗なカードだったり、建物や服が美しくて魅力的なマンガです。また、人間の弱さとか人間のダメさ、でもその中でも進んでいく本質的な強さみたいなのがわかりやすいかなと思っています。また、女の人の方がやっぱり選択を迫られることが多いと思うので、さっき言っていた「決めるのは自分」というメッセージが占いに来ない女の人も読んで届くといいなあと思っています。
WI 女子って、出産とか結婚とかいろいろ決めなきゃいけないですもんね……。
田波 自分で決めるんだっていうメッセージと、誰かを頼ってもいいんだみたいなメッセージが両方あると思うんです。本当に一人っきりでただ自分でがんばるっていうと辛くなっちゃうんです、人生って。結構女子は頼り下手なんですよね。でも例えば、寺山先生が占いを受けて連載が決まって人生が変わっているみたいに、頼ったことで人生変わることも出てきて、頼ることと、自分で決めることはまた違うんだっていうのがストーリーの中に複層的に入っています。
WI 結構女子は一人で抱え込んじゃうことが多い気がします。
田波 そう、だからがんばりやさんの女子に読んでもらいたいですね!
「辛い思いして作ったものって、絶対人に辛い思いが通じるとわたしは信じてるんですよ。辛い思いでものをつくると、相当きつかったんだね〜とか言われちゃって。やっぱり自分自身があっけらかんとした楽しい気持ちで作ったもののほうが、あたたかく人に通じるんじゃないかなって思っています。」とお話されていた田波さん。
カードの説明からストーリーの思想まで、ひとつひとつの文章やエピソードにもいろんな想いを深く込めて作品を作られていることが印象的でした。占い好きな方もそうでない方も、楽しんで読める『サングリアル〜王への羅針盤〜』。ぜひご一読してみてくださいね! (取材・文/たきたて玄米)
『サングリアル〜王への羅針盤〜 1集』
寺山マル・監修協力/田波有希 596円税込(小学館)
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