皆さんは占い、好きですか? 誰でも一度は雑誌や朝のテレビの星座占いをチェックしたり、気になる人との相性占いで盛り上がったりした経験があるのではないでしょうか。
今回の女子マンガ部では、そんな女子の大好きな「占い」がストーリーに深く絡み合い、独自の雰囲気を醸し出している『サングリアル〜王への羅針盤〜』(小学館)をご紹介します!
時は中世。王位継承権のために暗殺が横行する“血塗られた王族”の王女として育てられたアンが、偶然会った下町の美しい占い師・キルケと一緒に、自分自身が王になるために戦っていく物語です。
王族たちの戦いは水面下で熾烈な争いを極め、登場人物の誰が味方なのか全くわかりません。王位継承したいと表明したとたんにアンは暗殺者に命を狙われはじめ、とても仲が良かったはずの従者でさえ、この冷たい笑顔。
「入れてませんよ、毒なんて…」
しかしながらどのページも緻密な描きこみが美しく、陰惨になってしまうはずのシーンでも、どこかミステリアスで華やかな印象があります。
中世のお城やドレスは、王道ファンタジーが好きな方にもたまらないはず。
信じられるものが少ない中、アンはキルケのタロットリーディングを味方に自分の運命に立ち向かっていきますが、この漫画のタロットカードは何でも未来を見透かせる魔法のアイテム……ではありません。ただ、視るだけ。
しかも占い師のキルケは最初に「占いは救いじゃない」と言い放ちます。
「私に縋る前に、自分がどうしたいのか考えてから来い。」
この漫画では、占いは道を指し示すのみ。実際に決断し、行動するのはアンなのです。アンは最初「無理だよ……」とうじうじしたり決断に迷ったり。一人ではとても弱い……そんな人間の臆病さと、背中を押してくれる頼もしいキルケとともに、少しずつ強くなっていくアンの成長。この2つがストーリーの中で巧みに描写されています。
「私は、この扉を開く手伝いしか出来ない。歩くのは自身の足で……今のあんたの心のままに――
そうでなければ…… 前に進んだことにならない――!!」
占いやファンタジーが好き!という方はもちろん、人生に少し疲れぎみの方。迷いながらも自分の決めた道を確実に進んでいくアンから、元気をもらってみませんか。(たきたて玄米)
『サングリアル〜王への羅針盤〜 1集』
寺山マル・監修協力/田波有希 596円税込(小学館)
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