WI おや「頼」のほうは……今年は今までより他の人に頼れるようになった、ということでしょうか。
もえ そうですね、いろいろな人を信頼できるようになったり、甘えられるようになった年だな、と思います。もともと私は甘え下手で、長女だからかもしれませんが「自分が面倒を見ないといけない」と思っていたり、甘えたり頼ったりするのって卑怯なんじゃないか……と思っていたんです。「自分が頑張ればどうにかなる、だから頑張ろう」って……。でも、確かにそれも大事ですが、頼られることが嬉しい人もいるし、できないときはきちんとお手上げしたほうが、周囲も「あ、これ以上無理なんだ」とわかって対応もできるんだな、とわかりました。
WI 頼れるようになったのは何かきっかけがあったのでしょうか?
もえ 「自分って本当に何もできないな」ということがわかって、ちょっと開き直れたんです。去年の末から小説を書き始めて短編を連載させてもらっていたのですが、それがすごく大変で! 書けば書くほどに行き詰まる瞬間があって、わからなかったら編集の人に頼りましたし、できないことはちゃんと「できない」と言えるようになりました。
WI 今年は結構、正直つらい……と思うことなどもありました?
もえ さまざまなことを同時進行していると、たまにそのピークが重なってしまうことがあるんですよ。「あれ、この締め切りは明日なのに、今日テレビのロケで一日いない……じゃあいつやるの?」って(笑)。今まではできない自分に葛藤して、自分を責めてしまっていましたが、今年はマネージャーさんにこれは無理だよー、と言って、どうにかずらしていただきました。これまではそういうことが言えず、ただただ頑張る道を選んでいましたが、意外と言ってみるとどうにかなるし、そのぶんひとつひとつをきちんとしていこうと思えますし、わかってもらえるんだなって思って……それから楽になりましたね。
WI 頑張りすぎて体調を崩してしまったら元も子もないですもんね。
もえ そう、「私、頑張りたいんじゃない、楽しみたいんだ!」って(笑)。誰にでも本当に体調を崩してしまうような限界ってありますし、それで迷惑かけちゃってもいけませんから(笑)。若いときは苦労しないと、って思っていたのですが、やりきったことで「これ以上やると自分がつらくなる、熱出る、仕事嫌いになっちゃう」というラインがわかりました。だから「これはできないけれど、ここまではできる」ということを冷静に分析できるようになったんです。
WI そのほうが生産性も高まりますよね。
もえ これまではただやみくもに「なんでできないの」という感じでしたが、今はもっと冷静に「今はこれが足りてないから、じゃあ次はこうしよう」と思えるようになりました。「初めてのこと」がすごく多い仕事なので、すべてが思い通りにいかなくてもしょうがない。その中でどうしたらベストを尽くしていけるか、ということを考えられるようになりました。
さて、次回は押切もえさんの2015年の重大トピックスを振り返っていきます。(後藤香織)
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