「仏像はアイドルだ!」仏像とアイドルの類似点を本気で考えてみた

和樂2015年11月号P39

【2】「かっこいいとか、もっと気軽に楽しんだらいい」byみうらじゅん氏

いとう「仏像は知識で見るんじゃなくて、基本、感覚派でいいと思う。国宝だからという情報先行ではなく、自分が今日はこう見えた、ってことが大事なんですよね」

みうら「かっこいいとか、もっと気軽に楽しんだらいいはずだよね」

 

これはまさにアイドルのライブです。

友人をライブに誘うと、「曲を知らなければいけないのかな?」「なんにも知らないのに行っていいのかな?」とよく言われます。確かに、曲や、背景や、歴史を知っていると、楽しみ方はまた増えます。でも、何より大切なのは「かわいい! かっこいい! この曲なんか好き! 楽しい! 好きかも!」という感覚。

ときに、知識が「感覚」を邪魔してしまうことがあります。たとえば「このレストランは美味しい気がするけど、口コミサイトで評価が低い……」と知ると、途端に美味しくなく思えてしまうのと同じ。何よりも信じるべき「自分の感覚」が知識に邪魔されてしまうことはままあります。

仏像も「これはこの時代のものでこの作者のものだ、この様式で作られておりこの時代のなんちゃらを反映している」ということを知っていると、確かに楽しみ方は増えることでしょう。でも、それだけではなく「えっこの仏像なんかかっこいい! いい顔してる!」……とか、そんな「感覚派」で楽しんでもよいのだと思います。

 

和樂2015年11月号P47

【3】「絶対にふたりかそれ以上で見ることをおすすめします」byいとうせいこう氏

いとう「お互いの意見が違うから面白い。それが“見仏”の効果なんですよね。だから、絶対にふたりかそれ以上で見ることをおすすめします。気持ちが偏りすぎないというか、より深く心のことも考えるし、反対により深く考えるべきじゃないことも教えてくれる」

 

やっぱりアイドルのライブだ!(そろそろしつこい?)

アイドルのライブも、もちろんライブそのものも楽しいんですが、見た後に友人とお互いの意見をぶつけあうのが楽しいじゃないですか。あのアイコンタクトにはこんな意味があった、だとか、いや気分だ、だとか。歌い方を変えたのはこうだからじゃないか……とか、ただただ、ひたすらにかわいかったとか。同じライブを見ていたはずなのに、全然感想が違う……そういうことって、よくあること。

きっと仏像も同じです。同じ仏像を見ても、それを歴史からひもとく人もいれば、ただ単純に「かっこいいなぁ」で終わる人もいる。見方なんて、そんな風に自由で、たくさんあっていいのです。

 

と、『和樂』を読みつつ、ついつい「見仏」と「アイドルのライブ」の類似点を発見して興奮しまくってしまったのですが、どうでしょうかね。アイドルのライブを観に行く気持ちで友人と仏像を観に行くって、なんだか楽しそうじゃないですか?

そもそも、仏像ってまさに、何百年、または千年以上の時間、さまざまな人に見られ愛され、さまざまな角度から研究されてきた、最強の国民的アイドルと言ってもいいのではないでしょうか。

ちなみに『和樂』11月号では、「新薬師寺に仏像はまさにメリーゴーランド」「十二神将は典型的なロック」など、「見仏」を楽しむためのさらなる名言が多数紹介されています。気になった方はお早めにチェックしてみてくださいね!(後藤香織)

★如来、菩薩、明王…違いをご存知ですか?仏像基礎知識の基本の「き」

『和樂』2015年11月号表紙『和樂』2015年11月号(小学館)

 

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