国民的ダークヒーロー漫画『闇金ウシジマくん』の公式スピンオフ作品として、マンガワン&裏サンデーで連載中の『少年院ウシジマくん』。闇金融に出会う前、15歳の頃の丑嶋 馨の姿が描かれています。
そんな『少年院ウシジマくん』の最新刊発売に合わせて、俳優・アーティストの宮世琉弥さんにスペシャルインタビュー! 以前、ウシジマくんスピンオフシリーズの、ドラマ『闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん』に出演経験もある宮世さん。『少年院ウシジマくん』の話、宮世さんの少年時代の話、人生で大切にしているポリシーについて…さまざまなことを語ってもらいました。
ヤンキーモノからジョジョ、オバQまで! 20年間のマンガ遍歴
―まずは、本日の撮影を振り返ってみていかがですか?
いろいろなパターンで撮っていただいてすごく楽しかったです! ヤンキー座りのポーズなども撮っていただきましたが、実は体育座りが苦手でして(笑)。成長期の頃、お尻が痛くなったことをきっかけに体育座りを避けていたら身体が硬くなってしまったみたいで、いまだにうまく座れないんです。
―体育座りにも挑戦されていましたが、確かに苦戦してましたね(笑)。宮世さんはドラマ「闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん」で硲悠斗役を務めるなど、マンガの実写化作品に出演されることが多いですが、普段からマンガは読まれますか?
たくさん読みます。「ビー・バップ・ハイスクール」のようなヤンキーマンガや、「北斗の拳」「グラップラー刃牙」「ジョジョの奇妙な冒険」といった長編名作に、「プロゴルファー猿」や「オバケのQ太郎」「パーマン」などの藤子さん作品……。父親がマンガ好きなので、その影響もあって親世代のマンガをよく読んでいます。あと、マンガといえば、僕の地元の宮城県には石ノ森萬画館という石ノ森章太郎先生のマンガミュージアムがあるのですが、幼い頃に家族みんなでよく遊びに行った思い出の場所なんです。「サイボーグ009」に登場するサイボーグ戦士たちの等身大フィギュアが展示されていたり、石ノ森章太郎さん作品の世界観を楽しめるんです。
「少年院ウシジマくん」は正義の心が芽生えてしまう、不思議な作品
―そんなマンガと近い距離で育った宮世さんですが、初めて「少年院ウシジマくん」を読んだときどんな感想を抱きましたか?
もともと「闇金ウシジマくん」を読んでいたので、「まさかあの丑嶋たちにこんなバックボーンがあったなんて!」と驚きました。若かりし丑嶋が少年院で仁科をはじめとするいろいろな境遇の少年たちと出会って成長して、だんだんと現在の丑嶋馨が形成されていく……。大前提として、丑嶋は罪を犯したから少年院にいるので肯定できるものではありませんが、その成長過程に胸を打たれると言いますか、なぜか彼に正義を感じてしまうような不思議な作品でした。
―特に印象に残っているシーンはありますか?
仁科が出院するシーンが一番好きです。掃除中の丑嶋がこっそり仁科を見送りに来て、何か言葉をかけたいけど、少年院では教官の許可なしに会話をしてはいけない。それで、丑嶋は送別の言葉の代わりに五訓(※少年院に入所すると読まされる教訓のこと)を叫ぶんです。2人の内に秘めた友情に思わず胸が熱くなりますし、ここで丑嶋に自分の芯が芽生えたように思うんです。ようやく丑嶋馨のスタートが切れたみたいな感じでとても印象深いシーンです。
―お気に入りのキャラクターを挙げるとすると誰でしょう。
仁科が大好きです! 彼の少年院内での振る舞い、そして出院後に選んだ道。そのすべてに筋が通っているように思うんです。仁科は自分の考えに強い信念を持っていて、それを絶対に曲げない。作中の細かいシーンで彼のそういった一面を垣間見るたびに、すごくカッコいいなと心を打たれます。
少年時代に大きな影響を受けた、父親の存在
―本作は、丑嶋の人間性を形成した少年時代のお話でもありますが、宮世さんが少年時代に出会って影響を受けた人や出来事はありますか?
父親です。幼い頃、父に会社の会食に連れて行ってもらったことがありました。家族でいるときと仕事をしているときの父の姿がまったく違うことに衝撃を受け、同時にすごく勉強になったんです。例えば、正座の仕方や会食でのマナーなど、ビジネスシーンでの礼儀や振る舞いを父の姿を見て学びました。
―宮世さんが人生において大切にしているポリシーをあげるとしたらなんですか?
筋を通すことです。これも父親の影響からくるものなのですが、父はやるといったことは必ずやり通す、絶対に曲げない人です。
―なるほど、だから仁科が好きなんですね。
そうなんですよ。筋を通す人が大好きです(笑)。あと、筋を通すというポリシーはお仕事の面でも活きていると思います。幼い頃、両親から「やりたいことをやりなさい」と言われて育ち、自分の意思で芸能界に入りました。両親も応援してくれて毎日事務所のレッスンに励んでいたのですが、いろいろあったときに「たまにはレッスンを休んで友達と遊びたい」と言ってしまったんです。そしたら父から「自分からやりたいと言った活動なのにそれを曲げるな!」と怒られました。この言葉がいまだに染み付いていて……。それ以来、どんな状況でもこのお仕事を辞めたいなんて思ったことは一度もありません。
―そんな宮世さんの今のご活躍を見てお父様も喜んでいますか?
実は僕も驚きだったのですが、父は僕が言わずとも出演しているドラマや番組を全部録画してくれていたり、解禁されたばかりの情報もいち早くチェックしているんです。ドライブするときは、僕や同じく芸能活動をしている妹の楽曲でプレイリストを作成して流してくれたり……。日常のふとした瞬間に、全力で応援してくれていることが伝わってきますね。
どのルートから入っても「闇金ウシジマくん」という世界に沼る
―最後に、CanCam.jpの読者に「少年院ウシジマくん」を未読の方にオススメするとしたら、どんなところでしょうか?
「闇金ウシジマくん」を読んだことがある人なら、丑嶋たちの知られざるバックボーンに触れることができるこのうえない展開が待っています。反対に「少年院ウシジマくん」から読み始める人は、これから彼らのその後である「闇金ウシジマくん」を知れるというお得感があると思います。どのルートから入っても「闇金ウシジマくん」という世界に沼る未来が見えますね(笑)。あと、本作で描かれる世界は、馴染みがない人の方がほとんどだと思いますが、この物語に触れることで今まで知らなかった世界を見つめる……。視野が広がっていくような感覚があります。ぜひ、1つの人生体験として「少年院ウシジマくん」を読んでみてほしいです。
宮世琉弥(ミヤセリュウビ)
2004年1月22日生まれ、宮城県出身。2019年、ドラマ「パーフェクトワールド」で俳優デビュー。出演作はドラマ「恋する母たち」「村井の恋」「君の花になる」、映画「恋わずらいのエリー」「おいハンサム!!」など。8月29日世界配信開始のNetflixシリーズ「恋愛バトルロワイヤル」にも出演している。またアーティスト・Ryubi Miyaseとしても活動中。2025年1月に国立代々木競技場第一体育館で2Day公演が控えている。
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