WI こうしたインタビューのときって、もちろん事前にいろいろ調べさせていただくのですが、LIZAさんってSNSやブログなどでほとんど具体的な情報を出されていないですよね。雑誌の誌面か、基本的なプロフィールくらいで。
LIZA そうなんです。何をしているのかわからないですよね（笑）。私自身が、いま何をしていて、どこにいるかなどを出していくことに、心が震えないというか。そこで人に知られたいわけじゃないんですよね。きっともっと発信したほうが、たくさんの人が見てくれるとは思いますけど、いま私が何をしているかってどうでもいいと思っていて。これからもっと年をとったときにどんな人間になっているかが面白いわけで、まだ若い今のうちはどうでもいいんじゃないかって。本当はみんな、もっと知りたいって思ってくれているんですかね。
WI ファンの方々は少なくとも知りたいと思いますよ。
LIZA 隠しているわけではないので、聞かれれば、答えるんですけどね。数年前、まだSNSやブログが今ほど流行っていなかったころって、誰かに興味を持ったら、自分なりにあらゆる方法を駆使して調べたり、その人の空白の部分に興味を持ったりとかしていたと思うんです。知らないからこそ興味が湧いて、調べて、それでもわからなくて、試行錯誤して……そうすることが人をかしこくさせるし、それが楽しいはずだと私は思っていて。
WI 確かに昔は、誌面や数少ないイベントやテレビ番組などでしか情報を得られませんでしたね。
LIZA 私がモデルを始めたとき、当時お世話になっていた方に「お前はしゃべるモデルになるな。モデルは写真を通じて人に何を想像させるか、それが仕事だから」と言われたんです。でも今はテレビに出たり、SNSでプライベートを公開したりしないと、なかなか知ってもらえない時代じゃないですか。でも私は、それにあまりついていけてはいなくて。
WI 確かに最近のモデルさんたちはテレビのバラエティ番組でさまざまな話をしたり、SNSで自身のライフスタイルやファッションコーディネート、交友関係などを発信したりしている場合が多いので、“知る手がかり”があふれていますね。
LIZA 私は、私自身が毎日何をしているかよりも、どんなことを言うか、何を考えているかを知ってほしい。そのほうが、きっと人の心に残ると思うんですよね。昔からファンでいてくれている子が数年後思い返したとき、私がどんな考えを持った人かを思い出すほうが、印象としては強いんじゃないかなと。
WI ファッション誌の在り方や今後のメディアの在り方によって、モデルというお仕事がどう変化していくのかというのも、気になりますね。
LIZA 前回のインタビューでも「変わりたい」っていった趣旨の話をしていたと思うんですけど、環境がどんどん変わっているのに、自分が変わらないのは不自然だと思うんです。芯にあるものは変わっていないですが、ある程度人に合わせて変化していなければならないし、変化していきたいなとは思っています。
インターネット上にあらゆる情報があふれ、発信され、誰かを知る手がかりがこんなにも豊富な時代に、あえて自らの道をつらぬくLIZAさん。しっかりと芯を持つ彼女は、ファッションや美容などモデルとしての活動の面でも非常にストイック。その中身を次回は詳しく語っていただきます。（鈴木 梢）
★第1回はコチラ→ OggiモデルLIZA、父親を亡くし、自らも身体を壊した壮絶な1年間を告白
★第2回はコチラ→ モデルLIZA「このままモデルを続けていていいのか」26歳の葛藤を語る
【取材協力】
「Les Grands Arbres（レ・グラン・ザルブル）」
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※祝日前の日曜日は月～土と同じ営業
休：不定休
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