フジテレビアナウンサー宮司愛海さんが教える「2度目まして」を楽にする方法

初対面よりしんどい「2度目まして」の乗り切り方を賢人たちがアンサー!

実は「初対面」よりも「2度目」のほうが苦手という人が、意外に多いことが判明! そこで、コミュ力を生かしてバリバリ活躍する先輩たちが、実際にやっていることや意識していることを調査。フジテレビ夕方の顔、宮司愛海アナウンサーにも秘訣を教えていただきました!


はじめましてのときに、次に会うことを意識しておくと“2度目まして”が楽になります

宮司愛海さん(フジテレビアナウンサー)
みやじ まなみ 2015年入社。2018年から週末のスポーツニュース番組『S-PARK』を担当、東京五輪ではメインキャスターを務めた。現在はフジテレビ系報道番組『Live News イット!』(月~金曜、午後3:45〜)のメインキャスターを担当する。Spotify『宮司愛海のすみません、今まで黙ってたんですけど…』も配信中。意外な人柄が垣間見られる本音のトークプログラムで必聴! インスタグラム(@manami_miyaji

2度目ましてが苦手な気持ち、私も共感できます。アナウンサーはコミュニケーションを仕事にしているので、先輩に学びながら今は苦手意識をカバーできるようになりましたが、本来の自分の性格を考えると、会話を続けるのはそんなに得意ではないです。でもだからこそこの10年間、どうコミュニケーションをとればいいか、テクニカルに考えてきました。

まず、はじめましてのときに2度目を意識することがいちばん大切だと思います。基本的に仕事では2度目があることのほうが多いと思うので、はじめましてのときに相手から2度目3度目のコミュニケーションのヒントをつかんでおくと楽になります。そしてその場を楽しむ気持ちを持つことも大事。事前に質問のストックを自分の中に用意しておくことも必要ですが、その場で得た情報を元に話したほうが会話は広がるのかなと思います。

入社してすぐは精神的にも大変なことが多い時期。それを人間として大きく羽ばたくために必要な痛みだと思って踏ん張れるのなら、1年後、2年後に違う景色が見えていると思います。でもどうしても無理だと思うときは、それ以上頑張らなくてもいい。実は意外とそばにあなたを助けたいと思っている人がいると思うので、しんどくなる前に身近な先輩や友達に相談してみると気持ちが救われたり、違う自分の活かし方が見つかったりすると思います。

  1. 相手の目を見て話す
    新入社員の頃、先輩が私の目を見て話を聞いてくださっていかに安心するかを知りました。いい関係性を築いていきたい人ならば一度勇気を出してみて。
  2. 自分なりにまとめる
    その人についてまとめたり記録したりするのもテクニック。次の会話のときにそれを活かせば「あなたと仲よくしたい」という気持ちが伝わると思います。
  3. 素直な気持ちでいい
    等身大の素直な言葉を伝えたほうが先輩たちは「なんでも教えてあげたい」という気持ちになるはず!
Information

宮司さんがメインキャスターを務める『Live News イット!』が4月から新体制に。新キャスターに元NHKアナウンサー青井 実さん、スペシャルキャスターにパトリック・ハーランさんが就任!

距離感は2度目で詰めず、徐々にくらいの気持ちでいい

一番合戦 彩さん(Uné GARDEN 代表)
いちばんがっせん あや 2009年入社。2022年からUné GARDENの代表に。抜け感のあるヘアスタイル提案がおしゃれな女性たちから支持を得ており、1か月に200人以上が来店する。

お客さまと話すときは、こちらが一方的に話すのではなく、会話を引き出すようにしています。会話が弾むのは好きなものの話。例えばスマホケースって好きが詰まっているので、そこから話を始めてみたり、美容トークも鉄板! 相手の声のトーンや速さに合わせることも大事です。あと私の場合は、急いでいることがバレてはいけないとも思っていて。ハサミを持つ手元に集中すると口角が下がりがちですが、それだとお客さまは不安になる。だから忙しいときほど口角を上げて丁寧なトーンで話すことを意識しています。

コミュニケーションって無理をすると離れてしまうことが多いので、2回目にうまくいかなくても気にしなくて大丈夫。離れてしまったと思う方も、縁があれば戻ってきてくださるので、身構えず、徐々に仲よくなれればという気持ちで接するのがいいと思います。

  1. 得意なテーマがあると話しやすい
    五月雨式にいろんなテーマを話すのではなく、得意な話から広げていくのが大事。
  2. プライベートの話は相手がしたらする
    徐々にと思っているので、会話に出てきたら私もするようにしています。
  3. 仕事モードのスイッチを作る
    会話が苦手な人は、陽キャな自分を演じるスイッチを作るといいと思います。

相手に心を開いてもらうには自分から心を開くのが大事!

平井祐未さん(コーセーPR)
ひらい ゆみ 2012年入社。3年間店舗の営業をした後、PRに異動。現在はコーセーブランド(ONE BY KOSÉ・ヴィセ・エスプリーク・ファシオ・インフィニティなど)のPRを担当。

学生の頃はコミュニケーションが得意なタイプではなくて、入社してこの仕事についてから変わってきた気がします。PRの仕事は、コスメ開発に携わったチームの想いを代弁して多くの方に伝える仕事なので、私が緊張をしている場合ではない!と思ったことがきっかけです。

いい人間関係を築くには相手に心を開いてもらえるかが鍵なので、まずは自分から心を開いて接することを意識しています。私の場合はおいしいものや美容、旅行が好きなのでそういうお話をしたり、あとは相手のいいところを見つけることも大事です。2度目、3度目とこれから長く関係性を続けていきたいという前向きな気持ちで、相手と会話のキャッチボールが楽しめるといいのかなと思います。

  1. 相手のいいところを見つける
    相手へのリスペクトの気持ちにもつながるし、話のきっかけにもなると思います。
  2. 話したテーマの後日談を伝える
    例えば「この間話したお店に行きました」など前回の話につなげていくといいです。
  3. お話しした相手の特徴をメモする

    多くの方に会うので忘れないように名刺の裏に付箋を貼ってメモをすることも。

スマートに言おうと思うと緊張するので、等身大の言葉で話してみて

上野瑠衣さん(フリーランスPR)
うえの るい 2017年スタートアップ企業に入社、マーケティング業務に携わる。その後ネットビジネス関連会社に転職。現在は結婚しアメリカに在住。言語のハンデも持ち前のコミュ力でカバーし、フリーのPRとして活動中。

私の仕事は、2度目のみならず3、4、5度と面白いネタを提供し続けることが信頼につながる職種。だからクライアントと話すときは、その場で解決しようとあまり考えていません。答えを探しながらだとぎこちない会話になってしまうので、色んな話をして満足できる話ができなかったときは、次までに面白いネタを用意しようと考えています。そのために日頃から議事録を書いたり、考えをまとめる時間を作るようにしています。

話すときは等身大であることが大事。スマートにやろうと思うとかえってボロが出るので、緊張する相手には「緊張するけれど、一度話したかった」と素直な気持ちを伝えると空気が和らぐと思います。

  1. SNSで相手の人柄をチェックしておく
    公開アカウントがある方は事前に拝見して、会話のヒントを頭に入れておきます。
  2. 相手の名前を呼ぶ
    名前を呼ばれるのはうれしいと思うし、自分が忘れないためにも呼んでいます。
  3. 話したことを忘れないようにメモする感じたことや課題を忘れないよう、メモしたり相手へのメールに書き添えます。

相手の立場になって考えるために、雑談の時間を大切にしています

南 香菜絵さん(IT通信会社勤務/CanCam it girl)
みなみ かなえ 2021年入社。2年間人事部に勤務した後「もっと会社のことを知りたい」という思いから会社の顔として顧客と接する営業部へ異動。新規顧客開拓なども担当する。

私はもともとコミュニケーションが好きなほうなので、自分から希望して営業部に異動をさせてもらいました。営業は営業をしていると思われないように仕事をすることが大事なので、いつもお客さまの立場になって考えるように意識しています。お客さまの好きなものやイメージを共有することが、よりよい仕事の提案につながるので、いきなり本題に入らずにアイスブレイクも長めにとるように。

それでもときにはお客さまとうまくコミュニケーションがとれないことも。そういうときは悔しいけれど粘らずに、先輩に相談するようにしています。そのためにも日頃から社内でもまめに連絡をして、先輩や上司としっかりコミュニケーションをとることも大事だと思います。

  1. 相手の立場になって時間ピッタリを意識
    会話以外でもお客さまの信用を得たいので約束の時間ピッタリを意識しています。
  2. 沈黙の邪魔をしない
    沈黙は相手が想像している時間なので邪魔をしません。間を読んで話すように。
  3. ときには他の人に助けてもらう
    コミュニケーションって相性もあるので助けてもらうのもありだと思います。

コミュニケーション力を活かして活躍する賢人たちのアドバイスは、どれも役立つものばかり♪ ぜひ気軽に試せそうなものから取り入れて、「2度目まして」を笑顔で過ごしてくださいね!

CanCam2024年5月号「今年こそ「2度目まして」に強くなる」より
撮影/大靍 円(宮司愛海さん分/昭和基地) イラスト/沼田光太郎 構成/西村真樹 WEB構成/久保 葵