【夢占い】夢だと気づいてはいけない夢とは?明晰夢をみる理由や対処法を紹介

夢だと気づいてはいけない夢の意味

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私達が眠っている時の状態は、レム睡眠とノンレム睡眠に大別されます。眠りにつくと、初めにノンレム睡眠が現れ、眠りが時間とともに段々と深くなり、深いノンレム睡眠状態がしばらく続きます。このレム睡眠とノンレム睡眠が交代で現れるという、およそ90分の睡眠サイクルが起床するまでに何度か繰り返され、一般的な人の睡眠時間である6〜8時間の睡眠では、4~5回の睡眠サイクルが起きていることになります。

レム睡眠中は、一般的に浅い睡眠といわれています。しかし、一見浅い睡眠のように見えますが、レム睡眠中は外からの刺激を遮断する機能が働いているため、ちょっとした物音で簡単に覚醒するということはあまりありません。レム睡眠は、身体を休めるための睡眠であり、一日の記憶を整理し定着させたりする重要な役割があるとされます。

一方、ノンレム睡眠は、身体も脳も休んでいる状態です。ノンレム睡眠の時には脳の機能が低下するとともに、体温を下げて脳を休めるタイミング。レム睡眠に対して、ノンレム睡眠は脳を休める眠りと言えるでしょう。また、深いノンレム睡眠時、特に最初にやってくる深いノンレム睡眠時には、成長ホルモンが活発に分泌されます。

ここで、夢だと気づいてはいけないというのは、「明晰夢」のことを指します。明晰夢は、夢の最初もしくは途中から「これは夢」と気づきながら夢を見ている状態のこと。この明晰夢は、眠りが浅い“レム睡眠”の時に見るものです。自分の意識が覚醒している状態で、ありありとリアリティある夢をみるため、夢の中での出来事、特に怖い夢を見た時の印象がネガティブに残りやすく、また、夢だと気づいているのに目覚めることもできず、そのまま夢を見続けることになるため、身体が休まらないという結果になるのです。

 


脇田尚揮
占心行動学創始者(株)ヒューマンライフ出版代表取締役社長、ミンストレールCEO、大学・高校講師。経営コンサルタント、心理カウンセラー、権僧都職僧侶。会社顧問契約による占い鑑定を業とする。社外取締役・顧問30社担当、経営・占術にまつわる資格80種保有。メタバース世界SUN.ファウンダー・運営。
公式サイト https://wakita-naoki.jp/
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【解説】夢だと気づいてはいけない夢

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夢の中で夢だと気づいたら「明晰夢」

明晰夢は意識と無意識のはざまにありながら、意識だけは明確であるという特徴があります。よく金縛りにあったり、自分の身体がふわりと浮き上がるような浮遊感を覚えるのは、この明晰夢の意識状態のときに起こりやすいとされています。自分で自分を客観的に把握できているのに、身体の自由が利かないため焦りや恐怖を感じる人も少なくありません。呼吸を整えてもう一度眠り直すような気持ちになれば、自然と入眠状態に入れます。しかし、何とかして起きようとすると、そのままずっと緊張状態となり睡眠不足になってしまう恐れもあります。

「明晰夢」を見やすい人の特徴

明晰夢は狙ってみることができるものではありませんが、明晰夢を見やすい人の特徴はあるようです。まずは身体を酷使する人、アスリートや身体を動かす仕事についている人などは、身体は疲れを休めるのに意識が覚醒することが多く、眠りが浅いレム睡眠状態になり明晰夢を見やすいのです。また、神経過敏な人も意識が覚醒しやすく、眠りが深いノンレム睡眠になる前にちょっとした物音などで意識にスイッチが入ってしまい、そこから明晰夢をみてしまうことがあるでしょう。また、2度寝をするタイプの人も、深い眠りに入る前の浅い覚醒状態の眠り(まどろみ)の中に在ることが多いため、明晰夢をみやすいでしょう。

「明晰夢」のメリット

明晰夢のメリットとしては、自分で好きな夢を比較的選んでみることができるという点にあるかもしれません。夢の中での行動を自分の意思で選択できたり、見たい夢を意識的に再現できるのが、この明晰夢の状態だと言えます。そのため、好きな相手と愛し合う夢をみたり、夢が叶って大喜びしている夢をみて充実感を得たりすることも。非日常を映画のようにありありと体感できるというのは、明晰夢をみることの醍醐味の一つと言えるでしょう。

「明晰夢」のデメリット

ただ、明晰夢にはデメリットも少なからずあります。最も大きな点は、脳を休ませることができないということかもしれません。眠りの浅いレム睡眠時に覚醒状態でみる夢であるため、そこからノンレム睡眠に移行できず、疲れが蓄積されたままで起床することになるでしょう。何だか頭がぼーっとする状態で活動する結果になることも。また、とてもリアリティのある夢であるため、悪夢を見た際の記憶も残りやすく精神的にダメージを受けやすいというのも良くない面かもしれません。

【対処法】夢だと気づいてはいけない夢

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夢の中で夢と気づいたら起きた方がいい?そのまま寝るべき?

夢の中で夢と気づいたら起きた方がいい?そのまま寝るべき?

もしも明晰夢を見ているという自覚がある場合は、大きく分けて二つの対処法があると言えます。ひとつは、心地いい夢をコントロールしながら見ている場合。このときはそのまま夢に身を任せてまどろみの中で明晰夢を満喫しましょう。なかなか狙って意図した夢をみることは稀なので、欲に身を任せて思いきり楽しむくらいが良いかもしれません。一方で悪夢を見て緊張状態にあるときは、無理して起きようとしない方が良いと言えます。覚醒しようとすればするほど意識は明確になり、恐怖を感じてしまうことも。「ああ、これは夢だ」と自分に言い聞かせ、冷静に呼吸に意識を向けましょう。呼吸をゆっくり深くしている内に、通常のレム睡眠~ノンレム睡眠へと移行するはずです。

夢の中で夢と気づくが起きれないとき

夢の中で夢だと気づいても覚醒できない時がありますよね。そんなときは、上記明晰夢の中で悪夢を見ているケースと同じだと言えます。起きようとすればするほど意識ばかりが冴えて焦ってしまうので、全身の力を抜いて脱力しましょう。そして、眠りに逆らわないことが重要です。楽しむくらいの気持ちで自分の見たい夢を、まぶたのスクリーンに映し出しましょう。きっと夢が心地良い内容へと変わっていくでしょう。

夢の中で夢と気づいて金縛りにあったら

金縛りは意識が明確なのに、身体が休息に入っている状態の時になりがちです。何とも言えない恐怖感を覚える人も少なくないかもしれません。金縛りを解くためのポイントは①肛門を締める、②おへその下(臍下丹田)に意識を向ける、③肩の力を抜く。この手順で呼吸を整え全身のこわばりをとることで、意識のたかぶりを沈めることができるでしょう。これを「クンバハカ法」(ヨガの呼吸法)と言います。霊的な干渉があるという説もありますが、あまり気にせず心身を落ち着けることが大切です。

まとめ

明晰夢はよほど訓練しない限り、意識してみることができるわけではありません。もしも明晰夢を見るようなことがあれば、楽しもうという気持ちを持つことが大切です。無理して睡眠に逆らおうとしても、心身に負担がかかってしまいます。ただし、金縛りや悪夢の明晰夢にさいなまれてしまった場合は、呼吸を整えて通常の睡眠へと移行した方が良いでしょう。あなたの起床時からのコンディションを整えるためにも、明晰夢について正しい知識を持っておくことは大事なことなのです。

(脇田尚揮/ライター)