もう何年も前の話だけど、なんだか妙に忘れられない出会いの話がある。
ものすごく印象的だったとか、イヤな思い出だったとか。「あんまりリアルタイムの話をするのは良くないなぁ」と思っていたけれど、何年も経った今振り返ると、なんだか他人事のようで笑えたり、学びになることがある。
そんな「時効」になった婚活話に迫ります。
今回お話を聞いたのは、ゆかりさん(33歳・仮名)。
「本当に私のことを想ってくれているような気がしていました」
マッチングアプリを始めて1週間ほど経った3月上旬。なんとなく自分の中の「こういう人はいいな、イヤだな」という基準が見えてきたり、男性たちからのメッセージで本気度合いがわかってくるようになってきた頃、「いいね!」をくれたのがKさんでした。ほどなくして、LINEを交換するようになります。
「同じ業界で仕事をしている方で。毎日LINEが来たり、旅行に行く話をしたら写真を送ってねと言われたり…会うことになったときも、私の会社から行きやすい場所を選んでくれて、嬉しかったのを覚えています」
3月中旬、1回めのデートで訪れた店は、偶然にもゆかりさんがよくお昼で訪れる大好きな店の2階に入っている居酒屋。ゆかりさんも相手の彼もお酒好きで、3杯くらい飲めば単品よりも安いということで、平日のど真ん中なのに日本酒飲み放題プランを選択。「緊張するとお酒を飲みすぎる癖がある」ゆかりさんは、暴飲。
「今思えば平日ど真ん中、初対面で日本酒飲み放題ってなんやねんって感じですが(笑)、美味しいお店でした。…ただ、Kさんが突然刺身についてきたわさびに『これはチューブのわさびだね』と言っていたのが妙に気になって…。食通なのかな、と思いつつ、なんか細かい欠点が気になる人なのかな、もし付き合ったらいろいろ大変そう…というのが正直な印象でした」
とはいえ、それ以外は特に気になる点もなく好印象。つつがなく1回めのデートは終了しました。
「帰り道、もっと甘えてほしい、と言われて。もともと歴代の彼にも甘えるのがあまり得意ではなかったので、『甘えるのが苦手なので、これからですね…!』とお伝えして駅でバイバイしました。その後も甘えてほしいとか、頼ってほしいとか、たくさんLINEがきましたが、具体的に何をしたらいいのかわからず、ちょっと困っていました」
おはようからおやすみまで毎日のようにLINEが届き続け、2回めのデートも3月下旬にすぐに日程が決められていきました。
2回めのデートの日。でも、ゆかりさんはその数日前に人生で3回めのお酒の席での失敗をして体調が本調子ではなく、さらに仕事も忙しく疲れているタイミングでした。前日にやんわりと「リスケをしてほしい、いついつなら忙しくないので大丈夫」と伝えたものの、Kさんが「それでも会いたい」ということで、強行。
「普段リスケをほとんどしないように頑張っているので、私からすると、リスケをお願いする、って、結構甘えたつもりなんですけど、それは求める『甘える』とはやっぱり違うんだなって…『甘える』って難しいなと思いました」
会ったのが2回めだったからか、ゆかりさんが疲れていたからか、会ってみると「なんか違う」が大量にボロボロ出てきました。
「まず、前回の私がすごく飲んでいたから良かれと思ってかもしれませんが、結構何回も『飲まないの?』と。数日前に飲み過ぎて体調不良であることをちょっとお伝えしていたのに、です。そして相手にも自分にも厳しい人で、プライドが高い。お酒が進むにつれて、偉い人に態度を変える人がイヤだ、媚びる人がイヤだなど『どんな人がイヤか』という話になり、人間関係にまつわるNGがかなり多そうでした。友人があまりいなくて休日はトレーニングがひとり映画という話で、まあそれはそうだろうなと…。途中からちょっと何を話したらいいのかわからなくなってきました」
「明日も早いのでそろそろ」と終わりにしようとしても、「もう少し」となかなか帰してもらえない。
疲れてきてしまった23時頃、ゆかりさんは、Kさんが「イヤだ」と思いそうな人間関係に関するNG項目を立て続けに踏むような話をしてみました。
すると、Kさんの態度は一変。
「じゃあまた4月中旬くらいに飲もう」
と、急に中途半端な空気のまま解散を提案してきました。
そして、あれほど毎日きていたLINEはぴたりと止み、二度と連絡がくることはありませんでした。
「今振り返れば、全体的に私の事情は考えていなくて、自分の事情で全部進めたい人だったんだなって…。リスケを提案しても応じない人は、きっと付き合ってもそうなってしまうだろうから、要注意ですね。あのチューブのわさびのときに感じた違和感が、大当たりでした」
- 細かいところに気がつきすぎるのも大変
- 体調不良や忙しさによるリスケに応じず「会いたい」を突き通してくる男は要注意
- わかりやすい好意を示してくれるとついドキッとしてしまうが、「本当に私のことを想ってくれているか?」を考えよう
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