仕事をしていると、「これは楽しいかも!」と思うものもあれば、なんだか気が進まないものもありますよね。人によって、得意や苦手が違うのは当たり前。できれば得意なことだけをやっていきたいけれど、「どうしても逃げられない苦手な仕事」は多かれ少なかれ発生しがち。そんな「苦手な仕事」と、どう向き合っていますか?
この「あるある」なお悩みを解決する方法について、「おおざっぱに笑って健康に生きる」をモットーに活躍する「ラフドクター」、精神科医・産業医の井上智介先生にうかがいました。
井上智介先生
精神科医&産業医
「おおざっぱに笑って健康に生きる」をモットーにした「ラフドクター」として活躍中。書籍多数。近著に『がんじがらめの心がラクになる 「呪いの言葉」の処方箋 』など。
◆「苦手な仕事」への向き合い方
Q.どうしても心の負担になる仕事があります。他の仕事は「仕事早いね!」と言われるのですが、「ある苦手な仕事」だけは、いくらやっても人より3倍くらい時間がかかる上になかなか上達せず、ストレスです(これでも早くなったほうです…)。かといって、今の職業を続けるにあたり、その仕事を回避するのはなかなか難しいです。苦手な仕事とはどう向き合っていけばいいですか?
「苦手な分野」は、誰にでもあるものです。
人前でプレゼンするのが苦手、値段交渉が苦手。ひとりのプレイヤーとして働いているときは問題なかったけれど、管理職としてマネジメントをするようになったら、部下の評価やフィードバックが苦手なことに気づいた…。
組織としてのパフォーマンスが上がる原則は、それぞれが「苦手を伸ばす」より「得意を生かす」です。日々の業務に直結した「苦手なこと」は、可能であれば誰かにお願いして、自分の得意分野を伸ばしていくことをおすすめしています。
とは言っても、この方のように、どうしても回避できないものが出てきたら、時間をかけながらなんとか少しずつ上達していくしかありません。
きっと、悩んでいるあなたは、「自分以外に、この仕事をさらっとこなせている人がいる」からこそ、できない自分に不甲斐なさを感じてしまっているのではないでしょうか?
もしそうであれば、「できている人」を観察して真似しましょう。そして、コツを聞きましょう。それがいちばんの近道です。
聞き方に迷うとしたら、「どうしてもこの分野が苦手なんです。見ていてすごいなと思っていたので、コツを教えてもらえませんか?」と、素直に言ってみるのはどうでしょうか。褒められた相手もきっと悪い気はしないはずですよ。
「そんなこと聞けないよ、苦手だなんて言えないよ」と思うあなたは、プライドが邪魔をしてしまっているのかもしれません。でも、「自分はこれが苦手」ということをさらけだせる関係性を作るのは、組織で誰かと働く上で大事なこと。大丈夫です、一度コツを聞けるようになってみると、仕事がスムーズに進み始めるのを実感できるはずです。
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