◆デフォルメを極めたキャラクター
生き物を擬人化することは、はるか昔の『鳥獣人物戯画』以来なじみ深い手法ですが、自由で斬新な創造性を競い合っていた浮世絵師たちにとってもデフォルメは得意技。まさにキャラづくりの達人でした。
中でもユニークなキャラクターを多数残しているのが歌川国芳。大好きだった猫はもとより、金魚や鬼灯、こうもり、雀から道具や化物まで、あらゆるものを擬人化した濃いキャラクターを描いて人気を博しています。
風景画で知られる歌川広重も、若いころには面白いキャラクターをいくつも残しており、柔軟性に富んだものの見方がうかがえます。
本誌では、今回紹介した技法のほかにも5つの技法を代表的な浮世絵とともに紹介しています。ぜひ贅沢に使われた浮世絵たちとその技法に触れてみてください。(鈴木 梢)
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