奇抜で大胆で魅力的!あれもこれもすごすぎる「浮世絵」の奇跡の技法を徹底解説!

◆リアルを超えた自然表現

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歌川広重の風景画では多彩な趣向と技巧が凝らされていますが、自然をわかりやすく描く方法においても、群を抜いた技を見せています。

自然をそのまま写生しながら、そこに印象的な気象や人を描き加え、詩情あふれる情景をつくり上げています。

広重の風景がを見ると、誰もがつい郷愁を覚え、人の心に染み入るような印象を受けるのは、写実を超えたわかりやすい表現方法にあったのです。

◆圧倒的なスケール感!

小島のような黒い塊は、なんとクジラ! この破天荒とも言うべき大胆な構図に、歌川国芳の豪快な持ち味が余すところなく表現されています。

大判錦絵三枚続は本来、一枚ずつ完結した絵を並べるという約束事があるのですが、自ら面白い作品を求める国芳は「そんなこと知ったことか」とばかりに軽く無視。

三枚続を横長のパノラマ画面としてとらえ、画面いっぱいの大胆で奇抜な構図の絵を描くスタイルを打ち立てました。