スマホの使用がギックリ腰や関節痛の要因に!理学療法士に聞く正しい姿勢のカギ

腰や関節痛にお悩みの人は要チェック! 正しい姿勢には「ボディイメージ」が大切!

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今や生活に欠かせないアイテムであるスマホ。しかし不自然な姿勢を長時間保ったまま使ってしまうと、体に思わぬ弊害が現れることも。
そこで株式会社心と体サプライズが全国の男女3,000名を対象に行なった調査を元に「スマートフォンと体の不調の関係」や理学療法士上田祐輝さんに聞く「正しい姿勢の保つ方法」をご紹介します!

1日にスマホを使う時間はどのくらい?

最初に1日にスマホを使う時間を聞いてみたところ、「4時間以上」が最多という結果に。現代人の生活にいかに欠かせないものになっているかがわかる結果となりました。

スマホを使うときの姿勢は?

スマホを使っている時の姿勢について尋ねたところ、最多の「寝た状態(就寝前、起床後など)」をはじめ、「通勤中の電車やバスの中で立って使う」「待ち合わせの際や駅のホームなどで立ち止まって使う」「オフィスや食卓など机がある状態で座って使う」など、いろいろなシチュエーションで利用していることが分かりました。危険な「歩きスマホ」ををついしてしまっている人という人も26.93%いることが判明。移動中通知などが気になることもあると思いますが、そんな時には道の端に避けてからのチェックを心がけたいですね。

スマホを使っていて不調を感じることはある?

続いてスマホを使うことによって不調を感じているかも聞いてみると、「不調を感じない」と答えた人が最多という結果に。ただ「肩が凝る」「目が痛い」などの不調を感じている人も同じぐらい多くいることから、体の凝りや痛みなどを感じた時にはスマホを使っている時の姿勢を正してみるのも良いかもしれませんね。

自分の姿勢や体勢は良いと思う?

自分の姿勢や体勢については、「悪い方」「どちらかと言えば悪い方」の合計が74.04%で、よくないと思っている人が多数派という結果に。きちんとするべき場所ではできていても、気を抜くと姿勢が悪くなってしまうとお悩みの人も多そうです。

理学療法士が解説! 最適な姿勢を保つために大切な「ボディイメージ」って?

人間には「ボディイメージ」というものがあります。ボディイメージとは、「これが自分の最適な姿勢」という脳の認識のこと。本来は「直立姿勢=最適な姿勢」なのですが、長時間スマホをしていると「頭が前に出て、背中が丸くなった姿勢=最適な姿勢」と書き換えられてしまうことも

こうなると、正しい姿勢を取る方が気持ち悪くなっていまい、常に悪い姿勢を好んで取るようになります。アンケートでは、多数の人が1日4時間以上スマホをしているという結果が出ました。このことからも、間違った姿勢でスマホを利用している多くの人がボディイメージを書き換えられていると思われます。
ボディイメージが崩れると、身体は書き換えられたイメージに沿ってどんどん効率の悪い動きをしていきます。そして、ある日負荷がかかってギックリ腰を発症したり、年を取ってから背中が丸くなったり、腰痛や関節の痛みに悩まされたりといった事態になる可能性も。今の時点で不調は出なくても、将来手遅れな事態になる可能性がありますので、日ごろからボディイメージを悪く書き換えられないよう、注意したいところです。

「ボディイメージ」を直して、良い姿勢を覚えさせよう!

マホの不良姿勢による「肩の凝り」や「巻き肩」は、ボディイメージを直すことで、自然と解消できます。もちろん、筋肉の問題も起きてきているのですが、より根本的なボディイメージへアプローチした方が、一発で解消されて再発もしにくいです。ボディイメージを直す方法としては、以下の3点がオススメです!

ボディイメージを直す方法

  1. 天井に頭を押し付けるつもりで、首筋を真っ直ぐにしましょう
    脳内で真っ直ぐのイメージの姿勢をつくる。
  2. その状態で、首の後ろにある背骨を触りましょう(首の付け根~頭の高さまで触ります)
    身体を実際に触ることで、身体認知をさらに高める。
  3. そのままスマホを持ちましょう
    スマホを持つことまでやることにより、脳にスマホ使用時のよい姿勢を覚えさせます。

(1)〜(3)をやってから、頭を前に出す不良姿勢にすると、気持ち悪く感じるはずです。そして、首筋を真っ直ぐにした方が、自然と気持ち良く感じられるはずです。ここまですれば、普段のスマホ姿勢は大きく変わることでしょう。筋トレではなく負荷もかからないアプローチのため、最低 1日1回~何度もやってもよいので安心です。こうやって良い姿勢のクセを付けていきましょう!

眼精疲労には「後頭下筋群」の指圧がオススメ!

眼精疲労には蒸しタオルなどで目を温めることが有効ですが、整体としてのアプローチとしては、頭の後ろにある「後頭下筋群(こうとうかきんぐん)」を指圧してほぐすと良いでしょう。
頭の後ろに手を当てると、頭蓋骨の大きな出っ張りに触れます。これは後頭隆起(こうとうりゅうき)と呼ばれる場所で、そこから下に手で辿ると、窪んでいるはずです。そこから指1本~2本分外側に左右それぞれ後頭下筋群の筋肉が2つあります。硬くて押すと痛い場所が後頭下筋群の目安となりますので、そこを1分ほどグリグリと指圧しましょう。首と眼球運動は連動していますから、後頭下筋群をほぐすだけで目も楽になる効果が狙えます。
何万年にも及ぶ人類の歴史の中で、スマホは最近誕生したもの。現代人が陥りやすい身体の欠点を補って、あなた本来の姿勢の良さを実現していきましょう♪

正しい姿勢で疲れが出やすい秋を乗り越えて

体に負担がかかる姿勢を続けていると、肩こりや腰痛などの不調が慢性化してしまったり、体調が崩れやすい季節の変わり目に凝りや痛みなどが出てしまうことも。また、正しい姿勢をキープすることができれば体の不調の防止だけではなく見た目にも美しく見えますよね。ぜひこの機会にご自身の「ボディイメージ」が歪んでいないかチェックしてみてくださいね。

今回お話を伺ったのは…

上田祐輝
理学療法士。整体師。「株式会社心と体サプライズ」代表取締役として、福井県福井市を拠点に整体業を行っている。体のことで深く悩む方を対象にし、3000名以上に施術。
自身の体験として、小学生の頃より突然つらくなって立てなくなる症状で悩まされる。病院に行っても原因不明と言われ、中学生時代までは勉強もスポーツもイマイチで学年成績最下位のどん底で過ごす。そんな時に、父親に「何事もやるなら世界一に会いに行きなさい」と言われ、以降は様々な第一人者に出会いながら健康になって克服していく。
高校卒業後はカナダに留学して、オリンピック選手たちと一緒に練習に励む。結果、自身もカナダのスキー大会優勝のスポーツ実績を残す(BC Freestyle Ski Series 2009 優勝、BC Freestyle Ski Championship3位)。
帰国後、理学療法士の資格を取り、解剖学・生理学・運動学など幅広く学びながら、全国の勉強会に参加し研鑽を積む。
現在は施術業として福井市で独立開業し、スポーツなどの人生経験を活かしながら、体のことで深く悩む方のための活動を展開。全国から家族連れでも多くの患者が来院している。

情報提供元/株式会社心と体サプライズ