ウエスト周りが気になり始めたら…。食前の「レモン水」がダイエットにいいらしい!

新型コロナウイルスが拡大したこの3年で、3人に1人は体重が増えた(※1)という調査結果が!しかも、その中で3キロ以上増えた人が約半数も!


そんな”コロナ太り”を解消する方法を、肥満や生活習慣病治療に詳しい工藤内科医院の工藤孝文先生にお話を伺いました。

工藤孝文(くどう たかふみ)先生(内科医)
糖尿病内科医・東洋医学医。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、自身のクリニックであるみやま市工藤内科で診療を行いつつ、全国で血糖値と肥満の関連についてなど生活習慣病の講演会などを行っている。専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など多岐にわたる。NHK「ガッテン!」では、2018年度の最高視聴率を獲得。

太ると同時に老け見えするらしい…本当!?

運動不足、食べ過ぎなど、コロナ禍では、内臓脂肪の増加で生活習慣病予備軍を増やす要因が重なっていますが、これは病気のリスクが高まるだけなく、見た目の老化にもつながるため美容的にも好ましくありません

内臓脂肪が増えると、病気のリスクが上がるだけでなく、体も顔も老けてしまうんだとか。お腹ポッコリになると背中がだらしなくなり、体型がオジサン・オバサン化。見た目も老けた印象に…。

内臓脂肪が増えるということは、腸を包んでいる腸間膜に脂肪がつくことです。すると腸全体の動きが悪くなり、便秘や下痢を引き起こし、肌トラブルの原因にもなります。
さらに、悪玉ホルモンによって動脈硬化が進むと、顔面の毛細血管が幽霊のように姿があっても血が通わない“ゴースト化”が進み、肌荒れ、シミ、シワ、たるみなど、顔への悪影響も。脂肪細胞から出る善玉ホルモンが増えれば糖や脂質の代謝も促進されますので、体の老化を防ぐには、年齢に関係なく内臓脂肪を増やさない生活が大切なのです

最近の研究から、生活習慣病予防に内臓脂肪が大きく関わっていることがわかってきているそう。内臓脂肪はただ脂肪を蓄積するだけでなく、病気を引き起こす悪玉ホルモンを出すことがわかっています。内臓脂肪を増やさないことが見た目の老化を防ぐポイント!


内臓脂肪の脂肪細胞から出るホルモン(アディポサイトカイン)には悪玉と善玉があります。脂肪細胞が中性脂肪を蓄えて大きくなると、困ったことに悪玉ホルモンが増加し、善玉ホルモンが減少します。悪玉ホルモンには、糖尿病・動脈硬化などのリスクが高まるレジスチン、TNF-αなどがあり、善玉ホルモンにはアディポネクチンといって、糖や脂肪の代謝を促進し、善玉コレステロールを増やし、中性脂肪を減らす働きをしてくれます。善玉ホルモンを増やすことが太りにくい体をつくること以外にも、見た目老化を加速させない方法でもあるんですね!

甘いものやパンが好きな人は気をつけて!

内臓脂肪を増やさないためには、血糖値コントロールが必要です。血糖値が高くなるとインスリンという物質がすい臓から出て、せっせと中性脂肪を蓄えてしまいます

甘いものやごはんやパンなど糖質を摂ると、分解されてブドウ糖になります。ブドウ糖は腸から吸収され血液の中に入り、血糖に。食後にこの血糖値が上昇するとインスリンが分泌され、ブドウ糖が細胞内に運ばれます。ブドウ糖は、エネルギー源として筋肉を動かしたり、脳を働かせたりするのに利用されますが、過食によって余ったブドウ糖は中性脂肪に合成され脂肪細胞に貯蔵されてしまいます。
内臓脂肪を増やさないためには、低糖質、低脂肪食を摂り運動をすることが一番ですが、それができたら太りませんよね!
無理なく内臓脂肪を抑えるには、食後の血糖値の上昇を緩やかにすることなんです。それがなんと、食前にレモン水を飲むだけで叶ってしまうというから驚き!!

(c)Shutterstock.com

お腹のお肉が気になったら!食前にレモン水・レモン炭酸水

コロナ禍でスカートやズボンがキツくなった人は、今すぐにでも血糖値の上昇を抑える食事に切り替えましょう。 しかし、ストイックに低糖質を行うとリバウンドが激しかったり、続かなかったりするので糖質を抑え気味にしながら、血糖値を急激に上げない食べ方をすることが大切です。肉や野菜を先に食べる、食物繊維を豊富に摂ること、そしてオススメは食前にレモン水を飲むことです。食前にレモン水を摂取すると血糖値の上昇を緩やかにすると報告されています。また、レモン炭酸水は、炭酸水の効果で血行がよくなり代謝が促進されるため、ダイエット効果も期待できます

レモン果汁を米飯より前に摂ると、食後の血糖値の上昇を抑えられることが、ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社の支援による、同志社大学生命医科学部 糖化ストレス研究センター(所在地:京都府 京田辺市)八木雅之教授らの研究(※2)により明らかになりました。


この研究では、健常な20〜30歳男女12名を対象に、米飯だけを摂取したときと、レモン果汁15gを米飯よりも先に摂取したときとの血糖値の推移を検証。その結果、米飯を摂取する前に、レモン果汁を摂ることで食後の血糖値の上昇が抑えられることがわかりました。

(c)Shutterstock.com

レモンの果汁や果皮には、ビタミン類だけでなく抗酸化物質など体にメリットがある成分が豊富に含まれています。しかも、レモン水は簡単に作れて、水筒に入れて持ち運ぶこともできます。最近は、フレッシュなレモンをそのまま冷凍したものや、保存料無添加の果汁100%のレモン果汁などの商品もあるので手間いらず♪

また、レモン水以外にも、先日ご紹介したオートミールのほか、もち麦なども血糖値をコントロールする食材として注目されています。普段のお食事にオートミールやもち麦、そして食前にレモン水を取り入れて、痩せ体質と美肌を手に入れてみてはいかがでしょうか♡

構成/鬼石有紀