オートミールで痩せるコツを医師に聞いてみた!
「やせたい!」でもダイエットが続かない、「せっかく減った体重がすぐ戻ってしまう」そんなダイエット3日坊主やリバウンドにお悩みgirlsに朗報。
やせ体質を持続可能にする方法を、腸内細菌の研究を行う薬学博士の國澤純先生にお話を伺いました。
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1日1食「オートミール米化食」に置き換えるだけ!?
ダイエットの失敗は、善玉菌の働きをうまく利用した食事ができていないからかもしれません。持続可能なダイエットを行うためには、善玉菌の働きを助ける食事をすることが有効な手段のひとつです。
おすすめは1日1食、主食をオートミールなどの食物繊維が豊富な食材に置き換えることです
昨年より、SNS上や関連書籍などで、オートミールのダイエット効果が注目されていますが、オートミールがダイエットに向いている理由は、豊富に含まれる食物繊維にあるんですね!
やせファイバー(発酵性食物繊維)って知ってる?
なぜ、オートミールが持続可能なダイエットに適しているのか。その理由はオートミールに豊富に含まれる食物繊維にあります。特にオートミールは、食物繊維の中でも腸内で発酵する発酵性食物繊維を豊富に含みます
オートミールに含まれている食物繊維は、漬物や味噌などで知られる発酵が腸の中で行われるんですね。何だか不思議な感じがしますが、微生物は自然界のあらゆるところにいて、私たち人間の腸の中でも善玉菌の大切な仕事として発酵を行っているそう。
善玉菌は、発酵性食物繊維を材料にして短鎖脂肪酸という、ダイエットに役立つ成分をつくりだしています。つまり、発酵性食物繊維は、“やせファイバー”としてダイエット環境づくりに役立つ働きをしているのです
1日1食程度、オートミールを食べて、やせファイバーを豊富に腸に送り込むことで、やせ体質の土台ができあがるということなんです。
発酵食物繊維がダイエットに効果的な3つの理由
発酵性食物繊維をもとに善玉菌がつくり出す短鎖脂肪酸が、ダイエットに有効ということがわかりました。その主な理由は3つあります。
(1)短鎖脂肪酸が腸のエネルギーとなり、腸の動きを活発にする働きがある。
(2)短鎖脂肪酸は脂肪細胞に働きかけて脂肪の蓄積を抑える。
(3)体のエネルギー代謝を高め、肥満を防いでくれる。
発酵性食物繊維は穀類に特徴的に多く含まれる食物繊維で、オートミール以外にも、玄米やもち麦、小麦ブランシリアルからも摂ることができます。即効的な効果は期待できないですが、習慣的に摂ることで、短鎖脂肪酸の効果が期待できると言われています。
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糖と油の吸収を抑え、”ドカ食い”防止にも!
オートミールなどの全粒穀物の食品は、炭水化物として食物繊維を多く含みます。食物繊維は胃腸の中で水分を吸収ながらゆっくりと移動することから、適度な満腹感を維持できます。
また、体内で使われなかった糖質は脂肪として蓄えられ、これが肥満の一因となります。糖質を多く含む白米や麺類などに代わって食物繊維を多く含むオートミールを食べることで、相対的に糖質の摂取量を抑えることができます。さらに食物繊維のうち水溶性のものは、腸での糖質や油の吸収を穏やかにして、脂肪を貯めこみにくくします
朝食にオートミールを食べていれば、空腹感による昼食の”ドカ食い”を抑制することもできそう。
さらに、食物繊維は水溶性と不溶性というカテゴリーがあり、やせファイバーである発酵性食物繊維は、水溶性と不溶性の両方の性質を持ち合わせているんです。
”腸内フローラ”は美肌効果だけじゃなかった!
みなさん、一度は聞いたことがあると思うのですが、腸内細菌は”腸内フローラ”と言われています。腸内で善玉菌、悪玉菌、日和見菌が、植物のようにそれぞれ群生しているからです。腸という土壌をしっかりと整えて、善玉菌の群生を促進し、お花を咲かせることがダイエットに適した環境を整えることにつながります。発酵性食物繊維はいわば、善玉菌がお花を咲かせて、短鎖脂肪酸という種をつくるためのお水や養分のようなものです。毎日、お水や養分をあげることで、善玉菌がすくすく育ち、ダイエットを助けてくれる環境が整います」
腸内美人は肌美人などと言われていますが、”腸内フローラ”が整うことで、肌がキレイになるだけではなく、太りにく体質にもなるんですね!まさに一石二鳥。
オートミールダイエット成功の鍵は?
オートミールを食べて痩せるコツは、善玉菌が発酵性食物繊維材料に短鎖脂肪酸をつくりだす環境を整えること。
さらに、短鎖脂肪酸は腸を酸性にして、善玉菌をすみやすくする好循環をうみだすそうです。この循環が整う環境を作り出すためには、日々の食生活で、オートミールなど、発酵性食物繊維が豊富な食品をできるだけ毎日継続的に食べることなんです。
今まで、いろんなダイエットをしてきたけど、続かなかったという方や、リバウンドに悩んでいる方は、1日1食オートミールを食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 ワクチン・アジュバント研究センター センター長
ワクチンマテリアルプロジェクト&腸内環境システムプロジェクト