心の処女を卒業したとき|彼氏なし歴4年の26歳・ルーシーの婚活日記vol.53

今宵の「ルーシーの婚活日記」はちょいとキャラが違うの。場末のスナックママ風よ。最近、“人を本気で好きになれない気がするんです…”っていう悩みをよく耳にするわ。――ちょうどルーシーも22歳のときに同じ悩みを抱いたもの(遠い目)。その後「初めて本気の恋」をして、心のバージンを卒業したの

そんなエモエモエピソードを、小説風にお届けするので全国の恋する乙女たちに何かが伝わるといいな。ちょっとウザいと感じた人も最後まで読んでみてね。そうね、BGMは♪マカロニえんぴつの『恋人ごっこ』がおすすめよ♡ それではルーシー劇場、開幕~!


もうこの人以上に誰かを愛することができないと思った

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パナソニックの電動チャリを、国道246をまっすぐ家まで漕いだ。もう二度とこのオリジン弁当も、ガソリンスタンドも「ふたり」で来ることはない。朝マックだって明日からは「ひとり」の時間になる。彼が運転するアルファードの助手席で聴きすぎた♪JAY’ED 『また君と feat. Ms.OOJA』が鼻にものすごくツンときて、涙が止まらない。

 

ダレかを本気で「愛する」ことを知らなかった

22歳で出会った彼は、8歳年上のDJ。女心を熟知した口のうまい軽い人だった。六本木のクラブのVIP席で飲んだ、初めてのシャンパンとテキーラ。ふらふらで朝4時を迎えた私の耳元で「家まで車で送るから待ってて」と言った彼。実はすべての乾杯をジンジャーエールで切り抜けていた。アルファードの助手席で吐きそうになりながら初めて訪れた家。その日から2年半の半同棲生活が始まった。

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初めての「ちゃんとした」恋だった。体は処女じゃなかったけど、気持ちは処女だったのかもって思えてしまうほどだった。自分で言うのはダサいけど、学生時代にはそれなりにモテて、中学生も高校生も大学生も適当に「彼氏」を作っては女子会のネタ不足に備えていた。でも心から「好き」だと思える人は、振り返るとゼロだった。

 

「恋愛」と「依存」の境界で自分がなくなりそうだった

毎日23時ごろ「今どこ?これから飯」と来るLINE。彼の家まで電動チャリを20分漕いで、毎晩いっしょにご飯を食べて、深夜までYouTubeとNetflix。オムライス、カレー、ハヤシライス、親子丼、赤から鍋のルーティーン。味付けは薄味が好きだったのに、彼好みの濃いめ派になっていった。興味がなかった那須川天心もマーベルシリーズも、彼のせいで覚えた。

カレンダーから、友達や家族との予定が減っていった。友達との飲み会で2次会に行くことがなくなった。彼からの連絡がない日が不安で、23時になると「今予定終わった。これから行っていい?」ってLINEしていた。彼との日常だけが「すべて」で、結婚生活も想像できてしまうほどだった。

 

拝啓、あのころの私へ。

でも別れは突然やってきた。ファンの女とヤッてるという噂が耳に入って「話し合おうよ」と提案した。でも返事は「疑うならもういい。2度と関わらないで」とLINEが一通。2年半もの半同棲が“バイバイ”もなくあっさり終わった。すっぴんで、いびきをかいて寝て、泣いて、怒って、笑って、ここまで自分をさらけだせた人は生まれて初めてだった

ひとりの夜を過ごすたびに「もう2度とこんなにダレかを好きになれない」と号泣していた24歳の自分へ。自分を見失うほどの恋に傷ついたあのころは苦い思い出かもしれないけれど、勇気をもって“本気の恋愛”に飛び込んだからこそ、たくさんの感情を知ったよね。あれから2年経って、今は自分を愛しながら恋愛ができるようになったよ。ありがとう、26歳の私より。(ルーシー劇場・完)


いかがだったかしら。結婚したいと思った相手だったけど、今、心から言えるのは

結婚しなくて本当によかったな。恋は盲目ってマジ怖。

なのよ。まあ、DJのクズエピソードも順次この連載でお届けするわ♡ ご精読いただき、ありがとうございました。

ミッションリミットまであと232日!To be continued……

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【ルーシーPROFILE】今年のお正月、父親から「2022年12月31日までに入籍したら300万プレゼント」というミッションを与えられ、日々婚活に奮闘する26歳。フツー体型&顔面偏差値”中の下”♡ 父母兄全員が銀行員でありながら一人だけ突然変異。大学を中退後メディア系の会社を経てフリーランスのライターに。とにかく「書くこと」が好き!26歳の今だからこそ伝えたい、ライフイベントのアレコレを発信します。