花粉症対策っていつからするべき?医師が教える、今知っておきたい花粉症の原因と対策
2月に入り、花粉症の症状が出始めている…という人もちらほら。毎年辛い花粉症ですが、できる対策があれば何でもしておきたい…! と思っている人も多いですよね。
そこで株式会社ユーグレナが花粉症と診断された(または診断されていないが自身が花粉症であると思っている)男女200名を対象行ったアンケートを元に「花粉症対策として実行していること」をご紹介します!また、免疫バランスや栄養に詳しい医師の石原新菜先生に「花粉症の原因と対策」を解説いただきましたので、合わせてチェックしてくださいね。
花粉症対策、何をしている?
最初に花粉症の症状がある人にどんな対策をしているか聞いてみたところ、圧倒的に多いのが「マスクの使用」でした。次いで、「サングラス・眼鏡をする」、「部屋で空気清浄機・エアコンの花粉対策機能を使う」となりました。
予防のための習慣は、「手洗い・うがい」が最も多くなり、次いで「自宅に入る前に衣服をはたく」、「よく眠る」となりました。また、「顔を洗う」に次いで「シャワーを浴びる」と「鼻うがい」が並立となりました。
治療・薬などの使用に関しては、「花粉症の薬を服用する」、「目薬をさす」、「病院へ行く」、「鼻クリームを塗る」の順になりました。
食事での対策としては、「ヨーグルト・乳酸菌飲料などをとる」、「緑茶を飲む(カテキン)」、「キムチ・味噌などの発酵食品をとる」が上位となりました。
2022年春の花粉、いつから飛び始める?
2021年12月に日本気象協会が発表した「2022年春の花粉飛散予測 第2報」によると、花粉の飛び始めは早いところでは2月上旬から始まり、飛散量は東海から北海道では前シーズン(2021年春)に比べて多くなると予測されています。年が明け、少し経てばもう花粉症が辛い季節が到来します。いざ、本格シーズンインしてから対策するという方、実はそれでは遅いそうです。花粉症は、免疫バランスや自律神経バランスを整えておくことで、発症を遅らせることや症状を軽減させることができるといいます。免疫バランスや栄養に詳しい医師の石原新菜先生に、花粉症の原因と対策を解説いただきます!
花粉症の症状を和らげるにはどうするのが正解?
「花粉症の症状をなるべく和らげるには、粘膜に付着する花粉の量をいかに減らすかが重要。アレルギー反応が起こるマスト細胞が皮膚や粘膜に多く分布しているため、花粉症の症状は目や鼻、気道、皮膚に出やすいです。アレルギー症状を防ぐには、マスクや衣服、メガネなどを活用してなるべく皮膚や粘膜に花粉を付着させないこと、付着した花粉をすぐに洗い流すこと、目薬をするようにしましょう。
近年話題にのぼる鼻うがいや鼻に塗って花粉が粘膜につかないようにする市販のものを使うのも良いと思います。
からだを温めるか冷やすかは、基礎免疫力を維持するためにはからだを冷やさないようにすべきですが、あまりに痒みがあるときなどは長時間湯船につからず、シャワーで済ませるのがよいと思います」(石原先生)
花粉症にオススメの食事での対策は?
「乳酸菌やカテキンなどのメジャーな食品以外にも、青魚に含まれるEPAやユーグレナに含まれる食物繊維パラミロンなど、アレルギーに効果が見込める成分が多数見つかっています。それらの情報をアップデートして、より高度なアレルギー対策に取り組んでいってほしいと思います。免疫バランス強化には少なくとも3か月以上はかかるといわれますので、今から花粉症に備えた食生活を送っておきましょう」(石原先生)
- 皮膚や粘膜を丈夫にすること
- 腸内環境を整えること
- 免疫バランスを整えること
皮膚や粘膜を丈夫にするには…
たんぱく質をとる(大豆・肉・魚・卵)こと!
免疫細胞自体を元気にしたり、皮膚や粘膜を丈夫にするために欠かせないのがたんぱく質。納豆、豆腐といった大豆製品を毎日の食事に取り入れたり、肉や魚、卵などをおかずにして、必ず毎食たんぱく質を取り入れる工夫をしましょう。
大豆製品には粘膜を強くするビタミンB群、腸内環境を整える食物繊維も豊富。肉類には免疫力維持におすすめの亜鉛も豊富です。魚に含まれるEPA、DHAという不飽和脂肪酸(オメガ3)は血流を促進し、免疫バランスを整えるといわれています。
卵の卵黄には皮膚や粘膜を丈夫にしてくれるビタミンA(レチノール)、ビタミンEも多く含まれます。
腸内環境を整えるには…
乳酸菌をとること!
免疫細胞の約7割が腸に集まっているので、腸内環境を整え、免疫細胞を活性化することは重要です。ぬか漬け、キムチ、納豆、味噌、切り干し大根などから植物性乳酸菌を摂ることで腸内環境が整います。
ぬか漬けのぬか自体も洗ってしまわず、軽くふく程度で野菜と一緒に食べましょう。米ぬかを乾燥した米ぬかパウダーをお味噌汁やごはん、おかずなどにかけるなどで習慣化するのもおすすめ。食べる点滴ともいわれる甘酒の麹菌も、腸内環境をよくすることにつながります。乳酸菌と皮膚や粘膜を丈夫にするビタミンAやビタミンB群を含むヨーグルトもいいでしょう。
食物繊維をとること!
食物繊維が豊富な食品としては、麦や雑穀などの穀類、さつまいもやこんにゃくなどのいも類、豆やおからなどの豆類、ごぼうなどの野菜類、アボカド、きんかん、ドライフルーツなどの果物類、きのこ類、わかめやひじきなどの藻類があります。
きのこ類はとくにおすすめで、食物繊維の中でもきのこ類に含まれる「β-グルカン」には免疫細胞を活性化する作用があるといわれています。他にも、皮膚や粘膜を保護する効果、精神を落ち着かせてくれる効果のあるビタミンB1やB6、ナイアシンも含まれています。自分の好きなきのこでいいので、積極的に摂るようにしましょう。
免疫バランスを整えるには…
Th1細胞とTh2細胞のバランスを調える「パラミロン」に注目!
パウダー状のものやドリンク状の製品で売っている、「藻類(も)」の一種ユーグレナだけが持っている「パラミロン」という食物繊維に、Th1細胞とTh2細胞の働きのバランスを整える作用があることがわかっています。
「パラミロン」には“トゲ”のように突起した箇所があり、これが病原体が持つ“トゲ”の部分(糖鎖)に似た形状をしています。そのため、「パラミロン」を身体に取り込むことで異物として認識され、普段は活性化していない「Th1細胞」が活性化し、Th1細胞とTh2細胞の活性のバランスが整うというメカニズムです。
また、「パラミロン」には、自律神経を整え、睡眠の質を向上させたり、疲労を回復させる効果があるともいわれるので、集中力が下がりストレスのたまる花粉症シーズンにはその側面でもおすすめ。
マクロファージを活性化するといわれる「LPS(リポポリサッカライド)」
水の中や土の中にいる細菌由来成分のLPS(リポポリサッカライド)は、体内に入ったアレルゲンを食べてくれるマクロファージを活性化するといわれており、めかぶ、わかめ、れんこんなどに多く含まれています。また、漢方の「葛根湯」の原料である「葛根(クズの根)」 にも多く含まれている成分で、アレルギー予防にはくず湯を飲んだり、お味噌汁にくず湯を混ぜて習慣化するのもおすすめです。
身体を温める食材を選ぶようにすること!
体温が下がると免疫機能も低下するといわれています。免疫細胞が最も活発に働くのは体温が36.5度のときだといわれるので、36.5度以上をキープすることを目指しましょう。身体を温める食材は「陽性食品」といわれ、北方産、濃い色、堅い、土の中のもの、精製していないものといった特徴を持つものが多いです。下記のようなものが該当します。
チーズ/玄米・黒パン・そば/根菜(玉ねぎ・にんじんなど)/赤身の肉、魚介類
りんご・さくらんぼ・ぶどう/納豆・あずき・黒豆
紅茶・ココア・ウーロン茶/塩・みそ・醤油/黒ごま・黒砂糖・和菓子
チョコレートなどのポリフェノールもオススメ!
ポリフェノールは、もともと、植物が有害なものから自身を守るために作り出す成分「ファイトケミカル」の一種。赤ワインのポリフェノールやチョコレートに含まれるカカオポリフェノールには免疫バランスを整える効果があるのは有名。コーヒーに含まれるポリフェノールの一種「クロロゲン酸」も抗酸化作用が高く、免疫バランスを整えるのに役立つといわれます。
花粉症をやわらげる入浴テクニックって?
夜、入浴せずにそのまま就寝してしまうと、身体に付着した花粉(アレルゲン)を眠っている間にも触れていることになり症状が悪化してしまうおそれもあるので、必ずシャワーだけでもお風呂には入りましょう。シャワーやお風呂のお湯を42℃を超える高温にしてしまうと、アレルギー症状を悪化させるヒスタミンが分泌されやすくなってしまうので注意が必要です。
また、お風呂で湯気を吸い込むことで、鼻の内側に湿り気が出て、粘膜に付着している花粉を排出しやすくなったり、一時的に鼻腔の充血を改善して鼻づまりを改善してくれる効果もあります。
外からも体の内側からも対策をして花粉症シーズンを乗り切って
花粉症を少しでも和らげるには、花粉をブロックする対策はもちろん体作りも大切ということがわかりましたね。この春はぜひこの結果を参考に、花粉症シーズンを乗り切ってくださいね!
石原新菜先生
医師・イシハラクリニック副院長/ヒポクラティック・サナトリウム副施設長/健康ソムリエ講師
1980年長崎県生まれ。小学校は2年生までスイスで過ごし、その後、高校卒業まで静岡県伊東市で育つ。2000年4月帝京大学医学部に入学。2006年3月卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と、親しみやすいキャラクターで、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。著書は 13万部を超えるベストセラーとなった『病気にならない蒸し生姜健康法』をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』、『研修医ニーナの731日』等30冊を数え、韓国、香港、台湾、ベトナムでも翻訳され出版されている。日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。日本温泉気候物理医学会会員。二児の母。法人社団康梓会 Y’sサイエンスクリニック広尾統括院長、大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学特任准教授、医学博士。内科医、皮膚科医、眼科医、アンチエイジングドクター(日本抗加齢医学会専門医)。同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、森ノ宮医療大学保健医療学部准教授、(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部アンチエイジング医科学研究室室長などを歴任。中医学、ホルモン療法、プラセンタ療法、植物療法(フィトテラピー)、アフェレーシス療法(血液浄化療法)などを専門とする。アンチエイジングの第一人者として国際的に活躍するほか、テレビや雑誌などにも数多く出演。
情報提供元/株式会社ユーグレナ