この時期知りたい! 体の免疫力を高めるおすすめ食材まとめ
寒暖差も激しく、ただでさえ体調を崩しがちな季節の変わり目。
そこに花粉症、そして今年は新型コロナウイルスなども加わり、とにかく「体を強くしたい!」と考える方も多いのではないでしょうか。
そこで本日は、管理栄養士の篠原絵里佳さんに「体の免疫力を上げる食べ方・食材」を根掘り葉掘り調査! 今日の食卓からすぐに取り入れたい食にまつわる知識、早速チェックしていきましょう♪
【1】何より大切なのは「バランスの良い食事」
できる限り毎食、主食・主菜・副菜の3点がそろった食事を摂ることを心がけましょう。
主食…ごはん、パン、麺など
主菜…肉、魚、卵、大豆製品など
副菜…野菜・海藻・きのこ・芋・豆など
さらに、1日1~2回、牛乳・乳製品や果物を摂ることも大切です。
中でも特に、主菜に多く含まれる「たんぱく質」は欠かせない存在。たんぱく質は食べ溜めができないため、毎食必ず主菜となる食品(肉・魚・卵・大豆製品)や乳製品を食べることが非常に重要です。
【2】抵抗力・免疫力アップには「腸内環境」と「粘膜を強化」
何かと聞く機会が多い「腸内環境」という言葉ですが、腸内環境を整えることは体の免疫力アップにもつながります。また、体の粘膜を強化することも免疫力を高めるのに効果的。
◆腸内環境を整えるために食べたい食品
1.発酵食品:納豆、ぬか漬け、キムチ、ヨーグルト等
2.オリゴ糖:大豆製品、バナナ、ねぎ、長ねぎ、とうもろこし、アスパラガス、キャベツ等
3.食物繊維:野菜や海藻、きのこ、芋、豆など、副菜となる食品に含まれている
この3つの栄養成分を摂ることが、腸内環境を整えるのに大切です。このうちの1つでも良いですが、一緒に摂ると相乗効果が期待できます。
時間がない方は、最近出てきている食物繊維の難消化デキストリンが含まれているお茶などを一緒に摂るのもよいかもしれません。
◆粘膜を強化するために食べたい食品
1.たんぱく質:肉、魚、卵、大豆製品等
2.ビタミンC:野菜、果物等
3.ビタミンA:レバー、うなぎ、卵、緑黄色野菜等
4.鉄:レバー、赤身肉、赤身魚、あさり、大豆製品、卵、青菜類
このあたりが粘膜強化に効果的な栄養素です。
【3】体の免疫力を高めるおすすめ食材7選
上記で出てきた「たんぱく質」や腸内環境を整える栄養素、粘膜強化に効果的な栄養素など、複数の栄養を含む特におすすめ食材はこちら。
1.納豆
たんぱく質が豊富。腸内環境を整える「発酵食品・オリゴ糖・食物繊維」がすべてそろっていて、粘膜を強化するための鉄も豊富です。
2.鶏肉
たんぱく質が豊富。また、たんぱく質の利用を良くするビタミンB6も豊富。肉の中でもビタミンAが比較的多く含まれています。
3.レバー
たんぱく質、ビタミンA、鉄が豊富なため、粘膜強化に役立ちます。
4.キウイフルーツ
ビタミンCが豊富で、食物繊維も含まれています。
5.カツオ(赤身)
たんぱく質が豊富なうえに、たんぱく質の利用を高めるビタミンB6も豊富。鉄も多く含まれています。
6.マグロ
カツオと同様、たんぱく質・ビタミンB6・鉄が豊富に含まれています。
7.牛ヒレ肉
たんぱく質・鉄が豊富に含まれています。
スーパーで売っていたらぜひ日々の食卓に取り入れてみてくださいね♪
【4】花粉症の人はこれを取り入れて! おすすめ食材
この季節花粉症に悩まされる人は「発酵食品」「ビタミンA」「ビタミンD」「オメガ3脂肪酸」の4つを積極的に取り入れてみて。
発酵食品は先ほど腸内環境を整えると紹介しましたが、そのほかの効果は以下の通り。
◆「ビタミンA」「ビタミンD」「オメガ3脂肪酸」がもつ効果
ビタミンA:粘膜を丈夫にする
ビタミンD:免疫を調整し、花粉症などのアレルギーを予防する
オメガ3脂肪酸:抗炎症作用により、アレルギーを予防する
◆花粉症の人におすすめの食材
発酵食品:納豆、ぬか漬け、キムチ、ヨーグルト等
ビタミンA:レバー、卵、うなぎ、ブロッコリー・カボチャ・ほうれん草などの緑黄色野菜
ビタミンD:鮭、サバ、イワシ、サンマ、しらす干し等の魚、干し椎茸、舞茸などのきのこ等
オメガ3脂肪酸:青魚、クルミ等
【5】逆にこれはNG!体の免疫力を下げてしまう食生活
最後に、ついついやってしまいがちですが、体の免疫力を下げることにつながってしまう食生活をご紹介。どんなに体にいい食材をとっても、この基本ができていなければ意味ナシ!
◆食生活の乱れ
・朝食抜きの1日2食
たんぱく質は食べ溜めができないので、朝食でたんぱく質が不足すると、体内のたんぱく質が分解されて利用されてしまいます。また、体は休むことなく代謝している(生まれ変わっている)ため、タンパク質が不足すれば、代謝やターンオーバーが滞り、肌荒れや口内炎、パサついた髪等の見た目にも影響が出ています。
前の食事からどのくらい時間が空くとたんぱく質がエネルギーとして使われはじめてしまうのかは人によって異なるため、一概には言えませんが、見た目のトラブル、体調のトラブルなど、様々なトラブルを防ぐためにも毎食欠かさず食べることが大切です。
・夜遅い時間の飲食
夜遅くに飲食をすると眠りが浅くなり、細胞が生まれ変わりにくくなります。21時以降の飲食は避け、また、就寝の3時間前までには食べ終えるようにしましょう。
◆栄養のかたより
・食事の代わりにお菓子類を食べる
・主菜(たんぱく質・ビタミン・ミネラル)がなく、麺類やごはん・パンのみなどの、糖質にかたよった食事
・過度な糖質制限
これらの食生活には要注意! ダイエットなどで低糖質・高たんぱく質の食事を心がけている方がいらっしゃるかもしれませんが、せっかくたんぱく質をとっても糖質を摂ってなければたんぱく質は正しく使われません。注意しましょう。
どれも少しの心がけや食材選びで取り入れられるものばかり。是非気になるものからトライしてみてくださいね!
お話をうかがったのは…
総合病院、腎臓・内科クリニックを経て独立。長年の臨床経験とアンチエイジング(抗加齢)医学の活動を通して、体の中から健康と美を作る食生活を見出し、「おいしい糖質対策」などを分かりやすく発信することを得意とする。