眼科医が教える「目」の正しい花粉症対策
いよいよ春本番。お気に入りの春服をおろしたり、髪型を変えてみたり、やりたいことがいっぱい!! と思ったけど、花粉症が辛すぎて家から出たくない……という方も多いのではないでしょうか。今や日本人の多くが悩まされいる花粉症。鼻水が止まらずティッシュが手放せなかったり、目がかゆくてかゆくて仕方がなかったり、つらい症状との戦いですよね。
そこで今回は、参天製薬が花粉症の20~40代会社員500名を対象に行った、「花粉シーズンのストレス」に関する調査の結果と、眼科医が教える「目の花粉症対策」をご紹介します!
9割以上が「目の症状」にストレス
「花粉症の症状は、ストレスにつながりやすいと思いますか?」と聞いたところ、97%と大多数が「そう思う」と回答しました。また、花粉症の症状の中でも、かゆみ、ヒリヒリ感、チクチク感といった「目の症状」にストレスを感じたことがある人は93%にのぼっています。花粉症の人にとって、「目の症状」は切実な問題ですよね。具体的には、「目がかゆくてたまらず、何も考えられなくなる」(36歳・女性)、「一度目をこすってしまうと、かゆみが増したり、ヒリヒリしたりする」(49歳・男性)などの声があがりました。
目の症状は、仕事にも悪影響・・・
次に「花粉シーズンの目の症状は、仕事の効率を下げる原因になると思いますか?」という質問をすると、98%が「そう思う」と回答。また、「普段と比べてどれくらい効率が落ちるか」を聞くと、平均で「3割」減という結果になりました。
具体的なエピソードについて尋ねると、「目を開けるのがつらくて、パソコンの画面を長時間見ることができなくなる」(47歳・男性)「集中力が低下して、会議で意見を求められても頭がまわらず発言できなかったことがある」(48歳・女性)など、集中力が低下してして効率が下がるという声が多く聞かれました。
さらに、「花粉症の目の症状が原因で仕事の効率が落ちた結果、帰宅時間が遅くなったことがありますか?」と質問したところ、約7割(67%)が「ある」と回答。花粉症が仕事に悪影響を及ぼしていることがよりわかる結果となりました。
いつものアイメイクができない!
調査対象のうち、「仕事にいくときにメイクをしている」方(214名)に「花粉シーズンはメイクがボロボロになりやすい(崩れやすい)と感じますか?」と聞いたところ、87%が「当てはまる」と回答。また、「いつもと同じアイメイクができなくなる」人も72%にのぼりました。メイクにまで影響しているなんて、花粉症恐るべし…。アイメイクは顔の印象に大きくかかわってくる部分! マスクをしていても見えますし、普段のアイメイクができないのは辛すぎます。
目の症状に目薬はマスト!
「目の症状」への対策として利用しているものについて尋ねると、およそ8割の人が「目薬(77%)」と回答。花粉症で目の症状に悩まされている人にとって、目薬はマストアイテムのようですね。かく言う私も花粉症で、目のかゆみと昼夜問わず戦っているわけですが、目薬が自分で注せないのが悩みです。注そうと思うと白目をむいてしまうのはなぜなのでしょうか……。
プロが教える、目の症状への対策
いつまでたっても辛い目の症状。ここで、中目黒眼科院長の杉本由佳先生が教える「目の花粉症対策」をご紹介します。
目の花粉症対策においてまず重要なのは、「花粉にできるだけ触れないようにすること」です。外に出るときは、サングラスやメガネなどを着用することで、症状がだいぶ抑えられます。なるべくフレームが大きめで、しっかりと目の周りをカバーしてくれるデザインのものを選びましょう。コンタクトユーザーの方は、できれば花粉シーズンはメガネに替えるか、1日使い捨てのタイプに替えて、次の日に花粉や汚れを持ちこさないようにすることをおすすめします。
また、「目薬を適切に活用すること」もポイントです。花粉シーズンに有効な目薬にはいくつかの種類があります。
まず代表的なのが「アレルギー用」の目薬。こちらは、花粉症の症状を実際に自覚しはじめてからではなく、花粉が飛散する2週間ほど前から使用することが重要です。
一方で、花粉シーズンが本格化してからは、目に入った花粉を洗い流すための「人工涙液」タイプの目薬を使用しましょう。こちらは自然の「涙」に近い成分になるように作られているので、実際の「涙」と同じように、付着した花粉を洗い流してくれます。
ただし、きちんと予防をしていてもアレルギー症状や異物感をおぼえたりすることはあるそう。
こうしたときには、目の症状にあった成分が配合されている目薬を選ぶのがよいでしょう。
まず、「目のかゆみ」が気になるときには、ヒスタミンの働きを抑え、目のかゆみを軽減する成分(抗ヒスタミン成分)が配合されている目薬で対処するのがおすすめです。
また、「目のヒリヒリ感、チクチク感」が気になるときには、目にとって異物である花粉が角膜などにおいてダメージを引き起こしている可能性があるため、角膜のダメージを修復・保護する成分のある目薬を使うとよいでしょう。
なお、花粉などの異物によって、角膜のダメージが進むと、ドライアイの進行・悪化の原因にもなってしまいます。花粉シーズンのことだけではなく、長期的な目の健康を考えて適切にケアをすることが重要です。
さらに、やってしまいがちなNG行為についても教えてくださいました。
逆にやってはいけないNG行為は、水道水やカップ型洗眼剤で洗い流すことです。水道水には、目によくない成分も含まれますし、カップ型洗眼剤は皮膚の汚れやメイクなどが目に入ってしまい、かえって不衛生になることがあります。
そして、目の症状が気になるからといって、決められた用量以上に点眼するのもNGです。目薬のさしすぎは、かえって目の健康を損なう懸念があります。市販薬であれば、パッケージなどに記載された、点眼回数を守って使用してください。
さらに、点眼薬の共用使いは、家族でもしないように。眼病がうつる可能性があります。
また、市販の目薬を使用しても症状の改善がみられない場合には、早めに眼科を受診するようにしましょう。
良かれと思ってやっていたことが、意外にも逆効果なことがあるんですね。水道水で洗うのはついついやってしまいがちなので、気をつけたほうがよさそうです。
仕事にも影響を及ぼす辛い花粉症の症状。杉本先生のアドバイスを参考に目薬を使い分けて、不快感やストレスを減少させましょう! (平田真碧)
情報提供元/参天製薬株式会社
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