【アンガーマネジメント】人間関係の摩擦である“怒り”はどうコントロールするべき?

【アンガーマネジメント】人の怒りには明確な理由がある!心理学的理由4選

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人の怒りにはいくつかの理由があると、心理学では言われています。そのほとんどは対人関係からやってくるもの。確かに、誰も相手がいないのにひとりで怒る人はあまりいません。そんな人間関係の摩擦である“怒り”は、どうコントロールすべきなのでしょう。そこで今回は、「怒りの感情の理由4選」を心理学の観点からご紹介いたします。 

■正当性をアピールしたい

怒りはその人自身の価値観とも結びつきやすく、間違ってはいないのだけど押しつけによりケンカになる場合も少なくありません。これは正義感による怒り=義憤や正当性とも言われ、相手のダメな部分や良くない習慣を戒めさせるために生じる衝突だと言えます。ただ、叱る側は良かれと思っていますが、叱られたほうは当然不愉快な気持ちになるためケンカになってしまいます。価値観は人それぞれだと言うことを理解して“諭す”気持ちを持ちましょう。

■相手よりも優位に立ちたい

人間関係は、関りが深くなるとどちらかがリードしたり主導権を握ることが多いもの。そんなとき、主導権争いの中で怒りの感情が起こることがあります。それが相手よりも優位に立ちたいという自尊感情。責任感とも密接ですが、自分主体で物事を進めていきたい願望が怒りに転化され、ケンカに繋がる場合も。激しくなると一方的なイジメのような関係になってしまう場合も。相手のことも尊重するように心がけるようにしましょう。

■自己肯定感が覆されるのを防ぎたい

怒りの感情は、実は“恐れ”とも結びつきやすいとされます。それは主に、今の自分の立場や地位が脅かされるのではないかという思いから、怒りを表出して“攻撃”に繋がる場合も少なくありません。その原因のほとんどが、自分の立場を確保するために相手を責めたてることからケンカに発展するのです。嫉妬心や猜疑心に任せて強い言葉を投げかけるのは、自分にとっても相手にとってもマイナスです。まずは冷静になりましょう。

■相手をコントロールしたい

怒りの種類のひとつに、相手を“支配したい”という気持ちが挙げられます。これはもっと優しくして欲しい、自分だけを見て欲しいという思いがいき過ぎて攻撃することからケンカになってしまうケース。これは相手への“甘え”の感情とも結びつきやすいとされ、他人はコントロールできないものだという認識を持たないと、いつまでもケンカが解消されないままになる恐れが。精神的にお互い自立することが大切です。

おわりに

怒りの感情は“喜怒哀楽”の基本的な4感情のひとつとして挙げられるくらい、人間らしい当然のものです。ただ日本的な考えだと、怒りの感情を表出するのはあまり良いことではないとされています。しかし心理学的に見ると、怒りの感情はそれが湧きおこった時点でこまめに表出したほうがいいと言われています。溜め込んだほうが精神衛生上良くなく、どんどん怒りが激しくなっていく傾向があるためです。怒りは小さいうちに吐き出した方がいいのかもしれませんね。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。