AneCan編集長が見通す2015年。”万人ウケファッション”の次に来るもの

「HAPPY&ACTIVEなレディになろう♡」と掲げる、30歳前後に人気のファッション誌AneCan編集長インタビュー第2回です。
前回は、長引く不況などでお疲れ気味な気分や、「暑さ・寒さ・雨」が威力を増したことにより「ストレスフリー」なアイテムが求められていた、というトレンド分析をしていただきましたが、今回はAneCanのヒット企画を通して2014年を振り返っていただきました。

★インタビュー第1回→AneCan編集長が語る2014年ファッションの変化「先取ることの難しさ」とは!?

 

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Woman Insight編集部(以下、WI)2014年の『AneCan』の中で「これはヒットした!」という企画を教えてください。

福田葉子編集長(以下、福田)びっ………くりするほど激しい反響があったものがあります。それは、10月号の「肉ニット骨ニット」

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WI 「華奢」さんと「ぷに子」さんそれぞれに似合うニットを紹介していて、とてもいい企画でした! 2015年1月号から専属ぷにモデルになった磯山さやかさんを初起用した企画でもありますよね。

福田 だいぶ前から、磯山さんのことを「本当にかわいくて上品な方だな」と思って見ていたんです。何かしらご縁がないかな、と思い、「肉ニット」というタイトルで失礼ながら……と思いながらお声がけしたら引き受けていただけて。毎月読者アンケートで「よかった企画」「意外に面白かった企画」をとっているのですが、見事10月号の「よかった企画」の1位にもなりました。そのときに「あっ、本当にみんなこういう記事が読みたかったんだな、それにしてもここまで……!」と驚きました。これまでも着やせ企画は読者やモデルで行っていたのですが、磯山さんを誌面で起用することによって、やっぱり説得力が違ったんだろうな、と思います。

 

WI 次に反響があったな、というものはありますか?

福田 12月号の「色気」特集です。壇蜜さんのインタビューをはじめ、さまざまな視点から「色気」を特集しました。「胸を出す」とか「これを着たら絶対」ではなく、もっと十人十色な色気があるんじゃない? ということを提案しました。モデルで例えれば、押切もえのようなキリッとしたタイプはVネックの色気が合うし、穏やかな品がある高垣麗子はタートルネックで隠す色気が合う。色気特集も「壇蜜さんの話がよかった」とか「モデル別の色っぽニットがよかった」とか、さまざまな反響がありました。……そういえば、あのとき、『Domani』も「35歳―“色っぽい女”で生きていく!」と色気特集をしていましたし、ほかの雑誌も何誌か一斉に「色気」特集をしていたんですよね。示し合わせたわけではなく偶然だったんですが。

AneCan2014年12月号表紙

Domani2014年12月号表紙

 

WI そんなに同時に特集されるのには、何か理由があったのでしょうか?

福田 「色気」が注目されるであろう流れはありました。今年は「ぺたんこ」や「こなれカジュアル」そして秋冬の「ミディ丈スカート」とトレンドが続きましたが、どれもいわゆる「モテ」系のファッションではありません。そういうトレンドが続いたことで、女性たちの間には「最近の自分には色気が足りない気がする、12月の華やかなときにこのままでいいのかしら、1か月で“いい女”エッセンスをもう少し足さないとやばくない?」という気分があったと思います。

 

WI そんな「色気」にまつわる特集を行った12月号の翌月に出た1月号で、「モテよりウケ!」と謳っていたことに非常に驚いたのですが、あれはいったいどういう理由だったんでしょうか?

福田 正しく言うと「モテだけじゃないよね」という気分ですね。あと「ウケ」って「ウケるー!」のウケじゃないですよ(笑)。ひと昔前は、それこそ「男の子にウケればそれでいい」という「モテ消費」でした。雑誌に載っていたのは、モテるための巻き髪で、モテるためのファッションでしたよね。でも今は、男の子だけじゃなくて、女の子にも、友達にも、なんならSNSでつながっている知らない人にさえ褒められたい時代。いろんな人に服や髪を「いいね!」って言われたい気持ちがある。あらゆる人が、自分のファッションやヘアメイクをこんなに見せる時代って今までにありません。

AneCan2015年1月号表紙.

AneCan2015年1月号目次

WI Instagramのフォロワーが増えたらうれしかったり、多くの人にウケたい、という気持ちは確かにありますね。

福田 さらに「その場に合ったファッションか」をすごく気にするようになっています。仕事であろうと、忘年会であろうと、TPOをきちんと考えておしゃれをする人が多い。それなら非常に実用的な「目的別」に最もウケる服特集をやってみようかな、と思い「ウケる服」特集にしました。あの号を出してから「ウケる服とは?」といった内容の取材を多く受け、その中に「万人にウケる服とは?」という質問がありました。でも、もう、万人にウケる服はありません。昔の鉄板「白ワンピに巻き髪」が、今の時代全員にウケるかって言われたらそうではない。それぞれのシチュエーション別に「これがウケる!」というファッションはありますが「どこでもこれさえ着てれば」というものって、もう、ないんですよね。だからこそファッションは難しいけど、面白くなってきているな、と感じます。

 

ここまで2回、2014年を振り返っていただきましたが、次回からは未来の話も交えてお話をうかがいます。常に挑戦を続ける『AneCan』の2015年は、いったいどうなっていくのでしょうか……。更新は新年です。お楽しみに!(後藤香織)

 

★インタビュー第1回→AneCan編集長が語る2014年ファッションの変化「先取ることの難しさ」とは!?

 

【編集長インタビューシリーズ】

※CanCam編集長が振り返った2014年の流行アイテムは……「○○靴」「○○ストッキング」「○○アクセ」etc.

※Oggi編集長が2014年の振り返り。「キーワードは”ネイビー”そして”エフォートレス”

※ヒット企画連発、Domani編集長が予測する2015年春夏ファッションの行方

※Precious編集長インタビュー「2014年は○○の流行がラグジュアリー世代に新しい価値観を……」

※「メンズの2014年は”○○○”一辺倒」MEN’S Prescious編集長インタビュー

※『和樂』編集長が的中させた2014年の大ブーム「○○文化」とは

※価値観激変!SAKURA編集長が見た、ママ読者の新トレンド!

※NO.1美容誌『美的』編集長が語る、読者が求める”大人の色っぽさ”とは

 

【2013年『AneCan』編集長インタビュー】

第1回→ AneCan編集長が2013年を総括!「重大ニュースは押切もえの○○○」

第2回→ AneCan編集長が2013年を総括!「消費に積極的な子たちを世間は見ていない」

第3回→ AneCan編集長が予言!2014春のトレンドは「スカート!フラット!モノトーン!」

 

【あわせて読みたい】

※磯山さやか、AneCan専属“ぷに”モデルに!『AneCanでも脱ぎます』宣言!

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