おでこやあご、頬などにできると気になるブツブツや赤み。吹き出物は、毛穴に皮脂や角質が詰まることで生じる皮膚の症状のこと。名前が違うだけで、基本的にはニキビと変わりません。キメの整った肌になるために、医師に聞いた、吹き出物の原因や対策方法をご紹介します。
吹き出物・ニキビができる原因や種類
大人ニキビの原因や対策、間違ったスキンケア&改善策に至るまでを、『「無駄なケアをやめる」 から始める美肌スキンケアの新常識大全』(宝島社)が好評の西嶌順子先生に伺いました。形成外科専門医の観点から解説していただきます。
大人ニキビの原因、マスクもそのひとつ?
大人ニキビとは、思春期を過ぎた20歳前後からでき始める吹き出物のこと。睡眠不足や食生活の乱れが原因になる場合が多く、10代よりも治りにくい傾向にあります。
「マスクによって顔の下半分が高温多湿になり、外した後に過乾燥してしまう。コレはニキビの要因になりえます。湿度の急激な上がり/下がりを防ぐために、通気性の良いタイプのマスクを用いるといった工夫も必要かもしれません。不織布マスクに比べ、布マスクやウレタンマスクは感染防御力が落ちますが、その分通気性がよくなります。
一方で、在宅勤務が増えてメイクをする機会が減少したことから、肌状態が改善したという人もいます。間違ったスキンケアをしている人も多いですからね。そして、大人ニキビは“コレが原因!”と絞るのは難しく、主に睡眠・食事・運動・ストレス・スキンケアといった部分の総合的な乱れによって出来てしまうものです」(西嶌先生)
大人ニキビができやすい人の特徴【チェックリスト15】
・洗顔の際に、ゴシゴシ洗ってしまう
・クレンジングを毎日しっかり行っている(ダブル洗顔をしている)
・化粧水を多めにつけたり、肌をパチパチ叩いてしまう
・乳液やクリームなど、油分の多いスキンケアを行っている
・リキッドタイプのファンデーションを使用することが多い
・ケーキ、チョコレート、アイスクリームといった乳脂肪や砂糖を含む菓子類やドリンクを好む
・生野菜を毎日食べる習慣がない
・仕事や家庭が忙しくで、生活リズムが不規則である
・職場あるいは家庭でストレスを感じることが多い
・スマホをいつもいじっており、寝る際も枕元にある
・風邪にかかりやすい
・マスクを付けながら、会話することが多い
・1日の睡眠時間は6時間以下である
・運動不足
・入浴頻度が少ない
0〜2点:ニキビができにくい肌作りができています。
3〜6点:ニキビができにくい肌環境までもう少しです。頑張りましょう。
7〜11点:ニキビが出来やすい肌環境です。ひとつひとつ改善していきましょう。
12〜15点:ニキビが極めて出来やすい肌環境です。意識改革しましょう。
おでこ、あご…大人ニキビの代表的な症状は?
「まず、思春期ニキビはおでこ&Tゾーンにできる傾向がある一方で、大人ニキビは口周りやフェイスライン周りにできやすく、痒みを伴うことも。そもそも、ニキビの原因と言われるアクネ菌は常在菌であり、10代であれ、40代であれ100%肌に存在するもの。ただ、大人になってからニキビができやすくなったという人のなかには、敏感肌や乾燥肌が常態化している人が多いです。
さらに、10代のころに比べてターンオーバーが遅くなるため、思春期ニキビよりも慢性化しやすい、治りにくい、跡が残りやすいといった問題もありますね」(西嶌先生)
吹き出物の色や種類、跡に残る可能性は?
「専門医に相談するタイミングや、その人ご自身の肌質・ライフスタイルによる影響も大きいので、明確に何%の可能性で跡になるとは言えませんが…。タイプ別にみていきましょう。
微小面皰:見た目ではほとんどわからないが、触ると少しザラつくような状態。跡になる可能性は限りなくゼロ。
白ニキビ(閉鎖面皰、コメド):白くプツりとしたニキビ。跡になる可能性は低い。
黒ニキビ(開放面皰):毛穴の表面の汚れや皮脂が酸化して黒ずんでしまったニキビ。跡になる可能性は低い。
赤ニキビ(赤色丘疹):詰まった皮脂を栄養源としてアクネ菌が増殖・活動し、赤く炎症を起こしているもの。適切な治療をしないと跡になる可能性がある。
黄ニキビ(膿疱):炎症を自己治癒しようとして膿が溜まってしまったもの。膿はアクネ菌と好中球の死骸です。適切な治療をしないと跡になる可能性が高い。
跡を残さないためには、微小面皰〜白ニキビの肌状態に対する早期ケアが肝心ですね」(西嶌先生)
吹き出物・ニキビの治し方や対策
ニキビができたときNGなこと、治し方は?
引き続き、西嶌順子先生に伺いました。
「潰したり、自分で必要以上に触ったりせずに、なるべく早く専門医に相談に行ってください。炎症がひどくなると、跡が残りやすくなってしまいます。また、ニキビを隠すようにコンシーラーやファンデーションを被せてしまうのはなるべくやめましょう。化粧品に含まれる油分が、さらに悪化させてしまいます。
私たちは、ニキビを治していく過程を“傷口の治癒”と同じように捉えます。擦り傷や切り傷ができたとき、なるべく触らずに大事にして人体の再生力で治していきますよね。その感覚で、むやみに自分で触ったりせず、気になる場合は診療を受けてください。最近では症状がひどくなるよりも初期の段階、微小面皰と言われる見た目ではほとんどわからないレベルのものに効果的な外用薬も、保険が適用されるようになりました。
思春期ニキビのときに、ドラッグストアで手に入れた市販薬が効いていても、根本的な原因が異なる大人ニキビに同じように効くとは限りません。とある研究によれば、日本では、ニキビに悩む人のなかで、“市販薬を使う人”は全体の約36%、“スキンケアで対策をする人”は約35%、“受診する人”は約10%。そして“何もしない人”は22%にも上ると言われています。もっと早くお医者さんに相談していれば良かった、なんてこともあるかもしれません」(西嶌先生)
大人ニキビができにくい肌を作るための対策
「日常生活のなかで改善できることは、大きく、食事面などのインナーケア・基礎化粧などのスキンケア・ストレスなどライフスタイルの3カテゴリーに分けられます。
・プロバイオティクス(生きたまま腸内に届いて人体に良い影響を与える微生物、あるいはそれを含んだ食品)を多く摂取する。例えば、味噌/醤油/キムチ/チーズなど。
・プレバイオティクス(食物繊維やオリゴ糖など、善玉菌のエサになる食品)を多く摂取する。例えば、野菜、キノコ類、海藻類、果物など。
・タンパク質(肉/魚/卵など)+ビタミンC(ブロッコリー/レモンなど)&鉄(レバー/アサリなど)でコラーゲンを生成しやすく整える。
・デトックス成分(活性炭/ゼオライトなど)の摂取や断食(ファスティング)により、体内の有害・老化物質を除去する。
・食事で十分なケアができないときはサプリメントを効果的に用いる。
<アウターケア>
・洗顔料を用いたケアは夜だけで、朝はぬるま湯でやさしくすすぐくらいでOK。天然のクリームである皮脂を奪いすぎてしまうため、クレンジングの使用は最低限に抑え、石けんで落ちるような優しいメイク用品を使うこともPOINT。
・化粧水は短期的には潤いをもたらすものの、長期的にはかえって乾燥を引き起こす原因にもなるため注意が必要。そもそも、子どもの頃は何も塗らなくても乾燥しなかった人も多いはずで、それは肌全体のバリア機能が正常に作動しているため。何も塗らなくても乾燥しないような、細胞レベルで健やかさが保たれた肌を目指しましょう。
・美容液や乳液などスキンケアアイテム全般には、合成ポリマーや合成界面活性剤が含まれている場合が多く、それらは肌のバリア機能を攻撃してしまう恐れがある。肌なじみの良いものや、とろみを強く感じるものは内容成分を確認して使用を控える。
<ライフスタイル>
・定期的に、携帯やパソコン、Wi-Fiなどの電源をOFFにする“デジタルデトックス”をする。
・入浴回数を増やす。そのときシャワーヘッドは塩素除去タイプに付け替えたり、浴槽に塩素除去剤を入れる。
・ストレス環境の多い場所を出来るだけ避ける。
・エスカレーターではなく階段を上り下りするなど、些細な運動グセを付ける。
・最低1日6時間以上の睡眠時間を保つ。
大人ニキビの原因は、さまざまな理由が絡まり合っている場合が多いため、あらゆる観点から実生活を見直す必要があります。ただ、肌のバリア機能を一度正常に戻すことができれば、その後できてしまったニキビも悪化しにくくなったり、他の肌トラブルも未然に防いだりできます。飾らない自分を大切に、ナチュラルビューティーを目指す女の子が増えてくれると嬉しいです!」(西嶌先生)
生理前にできるニキビの対策法は?
生理前の肌トラブルの対策方法について、まいこホリスティック スキン クリニック 院長で皮膚科医・山崎まいこ先生に伺いました。
Q.生理前だけニキビができる…どうしたらいい?
A.「ホルモンバランスが乱れやすい生理前はニキビもできやすくなります。これを整えるためには睡眠が大切。まずはしっかり寝て体を休めること。また、甘いものや揚げ物は皮脂分泌を活発にしてしまうので生理前はできるだけ控えましょう」(山崎先生)
吹き出物・ニキビケアにおすすめアイテム
毎回同じところにニキビ、どうしたらいいの?
引き続き、まいこホリスティック スキン クリニック 院長で皮膚科医・山崎まいこ先生に伺いました。
Q.同じところにニキビが出現するんです…どうしたら?
A.「毛穴が詰まりやすい状態だと繰り返しニキビができます。メイクや皮脂の汚れをすっきり落とせるオイルクレンジングを使うのもひとつの手段。乾燥肌の人はニキビ部分のみの使用でもOK」(山崎先生)
■オススメアイテム
ニキビを早く治すには?
Q.ニキビを早く治したいのですが…
A.「できるだけ早く炎症を抑えるため、ビタミンC濃度が高いスキンケアを取り入れましょう。腫れがひどい人は外用薬を塗るかクリニックに相談を。ニキビ部分を触るクセもNG。触ると治りにくくなり、跡も残ります」(山崎先生)
■オススメアイテム
資生堂・エリクシール ルフレ バランシング みずクリーム
一年中、頬や口周り、アゴなどにできる「ぽつんとニキビ」に悩んでいる人におすすめのクリーム。ぽつんとニキビを防ぎ、肌の水分バランスを整えて美肌へと導いてくれます。
保湿力の高さは欲しいけど、ベタつくのはイヤという人にもぴったり。ぷるんとしたみずみずしいクリームは、肌にのせるとパシャっと弾けて肌に浸透。グリチルリチン酸ジカリウムとトラネキサム酸のニキビを防ぐ有効成分が肌の奥深くまで浸透します。なじませた後はさらさらとした質感にチェンジ。角層深くまで届いたうるおい成分&ニキビを防ぐ有効成分を閉じ込め、肌表面をさらさらに整えます。マスクで蒸れたり、ベタつきが気になるという人も大満足なはず♪ 忙しい朝のメイク前でも手軽に使えるのも高ポイントです。
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