ニキビ跡が色素沈着やクレーターになってしまったらどうすればいいの?
ニキビを自分で潰したら、血が出て傷になってしまった!なんて経験、誰しもありますよね。ニキビ肌が常態化してしまうと、傷跡が残りやすくなり、酷い場合は凹凸のあるクレーターになってしまうことも。
今回は、形成外科専門医・西嶌順子先生に取材を決行。クレーターや色素沈着してしまったニキビ跡はどのように対処したら良いのか、対策も含めてたっぷり解説してもらいました。
Contents
ニキビ跡の種類別に、「治せるもの」か「治せないもの」かを教えてください!
「赤みのあるニキビ跡の場合、炎症がひどくないものであれば跡が残らず治せます。病院では、ニキビ跡の炎症を抑えるためにステロイドなどの外用薬が処方されることもあります。また、組織の炎症や増殖が極端に強い場合は、ケロイドや肥厚性瘢痕と呼ばれる状態になります。このような場合は、外用薬に加えて、皮下注射の治療なども行います。
シミの元となる茶色い色素沈着は、時間の経過とともに少しずつ薄くなります。早く治したい人は、自費診療になりますがイオン導入やエレクトロポレーション、ピーリングが効果的。セルフケアの段階でも、色素沈着してしまった部分を、強くこすったり、日焼け対策を怠ってしまうと、色味が薄くなるのに時間がかかってしまうので気をつけましょう。
深いクレーターレベルのニキビ跡になってくると、セルフケアだけで改善することは難しいです。そのような場合は、病院では、ピーリングやフラクショナルCO2レーザー、ピコフラクショナルレーザー、ダーマペンなどの治療を提案しています。ただし、いずれも自費診療であり、保険診療に比べて高額になります。まずは、信頼できる医師に相談してみてください」(西嶌先生)
二キビの種類とニキビ跡になる可能性は?
「専門医に相談するタイミングや、その人ご自身の肌質・ライフスタイルによる影響も大きいので明確に何%の可能性で跡になるとは言えませんが…。
微小面皰:見た目ではほとんどわからないが、触ると少しザラつくような状態。跡になる可能性は限りなくゼロ。
白ニキビ(閉鎖面皰、コメド):白くプツりとしたニキビ。跡になる可能性は低い。
黒ニキビ(開放面皰):毛穴の表面の汚れや皮脂が酸化して黒ずんでしまったニキビ。跡になる可能性は低い。
赤ニキビ(赤色丘疹):詰まった皮脂を栄養源としてアクネ菌が増殖・活動し、赤く炎症を起こしているもの。適切な治療をしないと跡になる可能性がある。
黄ニキビ(膿疱):炎症を自己治癒しようとして膿が溜まってしまったもの。膿はアクネ菌と好中球の死骸です。適切な治療をしないと跡になる可能性が高い。
跡を残さないためには、微小面皰〜白ニキビの肌状態に対する早期ケアが肝心ですね」(西嶌先生)
ニキビ跡ができてしまった場合のセルフケア方法はありますか?
「1年経っても改善しないニキビ跡に対しては、市販薬やセルフケアでの解決は難しいでしょう。そもそも皮膚の厚さはわずか2㎜ほどしかありません。最表面の角質層から順番に、表皮→真皮→皮下組織となっていて、真皮以降の深部に出てきたダメージはセルフケアで治すことは難しいのです。
例えば、真皮までダメージを受けてしまっている状態のクレーターは、3~4タイプほどあります。その中でも、根が深いニキビ跡は、専門医が自費治療を交えながら全力で治療したとしても、100%きれいにすることは極めて難しいです。できてしまったクレーターに対して有効なセルフケアの方法はありませんので、そうなる前の肌環境作りが最も大切です」(西嶌先生)
ニキビ跡を作らないため気をつけるべきポイントは?
「ニキビができたとき、とにかく自分で何とかしようとすることを避けることです。今は白ニキビになってしまう前の軽い状態、微小面皰と呼ばれるものに効果的な外用薬も保険が適用されるようになりました。
赤みや黄みを帯びてくるような状況になる前に、肌トラブルが起きたら信頼できるお医者さんに相談するようお気をつけください。」(西嶌先生)
西嶌先生、ありがとうございました!「ニキビができても触らない!潰さない!」これは鉄則なのですね。
ニキビを根本から防ぐため、今までの常識が覆ってしまうような目からウロコの知識がたくさん詰まった西嶌順子先生の初著書『「無駄なケアをやめる」から始める美肌スキンケアの新常識大全』(宝島社)が好評発売中です。ぜひお手にとってみてくださいね!