集中力を高める!頭の中を整理して作業効率を高める心理的な習慣づけ

集中力を高める!頭の中を整理して作業効率を高める心理的な習慣づけ

(c)shutterstock.com

タスクに集中したいのに、頭の中が整理できずモヤモヤ。そんな経験は誰しもあるものですよね。どうすれば思考を整頓してモチベーションを保ち、高いスペックを発揮することができるのでしょうか。そこで今回は、「頭の中を整理して作業効率を高める心理的な習慣づけ」をご紹介いたします。

■手帳やカレンダーに“これだけはやる!”を書き込む

思考を整理しなくてはと思っているのに、つい悩んでタスクに手がつかないまま…… そんな経験はありませんか? それには実は理由があるのです。記憶には、覚えるだけでなく覚えた状態を保つ、思い出すという3つのプロセスがあります。やるべきことを記憶するのに必要なことを、“ヒグビーの理論”では7つのステップで紹介しています。具体的には、無意味なものに意味を持たせる→組織化する→連想しやすくする→視覚化する→注意を対象に向ける→興味を持つ→フィードバックする、この一連の流れ、つまり、忘れてはいけないことを何かに関連付けておくと、忘れずに実践できるというのがこの理論です。例えば、手帳などにこれだけはやる! という日付を書き込んでおくと、思考が散らかることはなくなるでしょう。

■取り掛かる前に手間ひまをかけると集中力UP

外部からの情報に自分の欲求が左右されることを、心理学では“外発反応性”と呼びます。これは誰にでもあるものですが、この外発反応性が高い人は自分がそれほど求めていなくても外部の情報につられやすいとされています。こういったタイプの人は、集中しようとしてもそれ以外の情報に左右されやすく、タスクと全く関係のないことに意識をもっていかれる傾向にあるのです。それを予防するには、簡単に手に入るものではなく、苦労して手に入れるものほど人は価値を感じるという心理傾向があるのを活かしてみましょう。例えば、仕事前に机を片付けたり、髪を結んだりと儀式化して少し手間ひまをかけるようにするのです。そうすることで、タスクに向かうことに満足感が生まれ、思考も整理され集中できるように。

■選択する際はランク付けして迷いをなくす

特に何をするか決めていない非計画状況においては、人はなるべく損をしないように意思決定をしようとします。そのため、頭の中を整理できない人は損を避けようとするあまり、なかなか選べなくなってしまうのです。そこで、比較対象となる選択肢をランキング付けするようにしましょう。比較できる対象がランク付けされることによって、自分の選んだアクションが他のものよりも優れていたら、安心して決断ができるのです。これを心理学においては、“社会的比較理論”と呼びます。比較することで自己評価を正確にすると、心配性を緩和でき集中力も増すはずです。

■頭の中を整理できないときこそ“まずやる”精神を!

人は無意識のうちに成功を回避してしまう心理があります。心理学者ホーナーは、そのことを“成功恐怖理論”の中で説明しました。この理論からすると、集中力のない人は「もしかしたら失敗するんじゃないか」と悪いことばかりを考えてしまう成功回避傾向が強い人だと言えます。確かに、ある程度の慎重さは大切かもしれません。しかしその傾向が強すぎると、失敗ばかりを恐れて何も行動できなくなってしまうのです。そのため、頭の中を整理できないときこそ、“まずやる!”という精神が大切になってくるのです。次第に思考も整理されていくはず。

おわりに

思考がまとまらない人の心理には、主に3つの要因があると言えます。ひとつは、不安や心配という思い込み、次に、物事を先延ばしにするという特徴。最後に、迷ったり悩んだりしている自分が好きという心のクセです。いろいろと考え事があったから…… と、自分に言い訳をつくっているといつまでも目の前のことに集中できません。思考を整理することができれば人生観はガラリと変わります。ぜひチャレンジしてみてくださいね。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。